人間は限界を超えるとどうなるのか? 新しい境地が見えてくるのではないか?
この疑問の答えを導くために、私(佐藤)は股間に冷却スプレーを噴射して、その上から強力ブロワー(送風機)を噴きかけることを思いついた。そうすれば “向こう側” に行けるのではないか?
この仮説をたしかめるために、実際に挑戦してみた。あまりにもくだらないことなので、皆さんは絶対にマネしないように注意していただきたい。
・冷却スプレー × 強力ブロワー
佐藤「おい、あひるねこ。股間に冷却スプレーかけてブロワーで風を浴びせかけたら、飛ぶんじゃないか?」
あひるねこ「そんな訳ないでしょ」
佐藤「お前知らないだろ? これを股間にかけるとすげえんだぞ」
あひるねこ「知る訳ないでしょ。そもそも知る必要ないし」
佐藤「おめえ、またそんなこと言ってんのか?」
あひるねこ「そんなこと?」
佐藤「たしかめもしないで、「知る必要ない」とは聞き捨てならんな。お前には知的探求心っつうもんがないのか? あん?」
あひるねこ「もっとまともなことに知的探求心を使いたいもんですなあ」
佐藤「この挑戦だって、ずいぶんまともだ。小理屈並べてないで手伝え。まずは股間にスプレーかけるぞ」
あひるねこ「はっきり言っておくが、まともではない。一応手伝いますけど。ここで放っておくとかわいそうだから」
さて、ここで過去の挑戦について振り返っておこう。2016年、私とサンジュンはそれぞれ股間に冷却スプレーを噴射した。そうしたところ、その瞬間は股間が氷結して気持ち良いのだが、そのわずか1分後に猛烈に熱くなることを確認済みだ。
あの日のサンジュンの悶絶する姿は一生忘れることはないだろう……。
そうなることを知りながらあえて挑む! あの悶絶の向こう側へ、いざ行かん!!
佐藤「それじゃ、いっちょやってみっか!」
佐藤「この辺かな?」
あひるねこ「ほんとにバカな絵ですね」
佐藤「冷却キター!!」
あひるねこ「股間に冷却スプレーするおっさん。言葉にするのも恥ずかしい光景だ」
佐藤「あああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
佐藤「来てる来てる来てる~!」
佐藤「ああああ………………」
佐藤「よっし! 下ごしらえ完了! エンジンかけろ!!」
あひるねこ「その頼み方は何とかならんのか?」
あひるねこ「行くぞ~!」
佐藤「来い~~~ッ!!」
佐藤・あひる「ワーーーーーーーーーーーーーー!!」
佐藤「ワーーーーーーーーーーー!!」
佐藤「ワーーーーーーーーーーー!!」
あひるねこ「リャーーーーーーーーーーー!!」
佐藤「ハァアーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
あひるねこ「ドリャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ブロワー「ブォオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
佐藤「オケ、オケ。満足、満足……」
あひるねこ「何なんすか、その感想は。向こう側に行けたんすか?」
佐藤「多分。すっきりした」
あひるねこ「よくわからん」
佐藤「よっし交代」
あひるねこ「え? 僕も?」
佐藤「当たり前だろ。今のは見本だ。本番はお前だよ」
あひるねこ「僕、手伝いじゃないの? ……やりますよ。やりゃいいんでしょ?」
あひるねこ「何なんだ、このパターンは。最近毎回この流れだな」
佐藤「直に噴きかけるんじゃなくて、パンツにかけるんだからな。直にやるとモゲるぞ」
あひるねこ「あひ~! 気持ちイイ!」
佐藤「よし、そのくらいにしておけ。下ごしらえ完了だな」
佐藤「下っ腹に力入れろ。歯を食いしばれ」
あひるねこ「怖え! なんか怖え!!」
佐藤「行くぞ~!」
あひるねこ「はひ~~ッ!!」
佐藤・あひる「ワーーーーーーーーーーーーーー!!」
あひるねこ「アヒーーーーーーーーーーーー!」
佐藤「どうだーーー! どうだーーーーーーーッ!!!!」
ブロワー「ブォオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
あひるねこ「ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
…………その時、あひるねこの脳裏に閃光のようなものが走った…………
…………それは一筋の稲妻だったかもしれない…………
…………それは一粒の水滴、もしくは一陣の風…………
…………実体はわからないが、たしかに彼は感じたのだ…………
…………“向こう側”ってヤツを…………
…………たしかに言えることはひとつ…………
…………青すぎた…………
…………あの日の空は青すぎた…………
…………固く閉じたまぶたの裏側は…………
…………いつまでも青かった…………
絶対マネすんなよな!
~完~
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24