禁断の出会いとは、まさにこういうことを言うのだろう。俺たちの心のとんかつチェーン「かつや」が本日2022年6月3日、期間限定で新商品を発売したのだが、一言で表すならそれは “二郎インスパイア系カツ丼” であった。

ラーメン二郎と「かつや」……。何やらジャイアンとブタゴリラみたいな組み合わせであるが(悪夢じゃん)、いい意味で悪い予感しかしないため注文してみようと思う。もちろん、野菜マシマシで。

・かつや新商品

「かつや」新メニューの正式名称は『豚ハラミのスタミナ炒めとチキンソースカツ丼(税込759円)』だ。先ほど二郎の名前を出したが、別に両者がコラボしたワケではなく、あくまで合い盛りシリーズの新作という位置付けである。

さっそく注文しようとしたところ、メニューの下に気になる文字を発見した。『増し増し豚ハラミのスタミナ炒めとダブルチキンソースカツ丼(税込935円)』……だと? そう、なんとこの商品、プラス176円で野菜炒め増し増し&チキンカツをダブルにできるのだ! カツまで倍かよ!!

ならばということで、当然ここはヤサイマシマシカツダブルをコール。さて、どんなもんか? と待っていると……


これが思った以上に二郎だった。

・二郎インスパイア系カツ丼

丼を埋め尽くすように盛られたキャベツ&もやしの山、山、山。その横には味変用の辛味噌が添えてある。中の方までよく見えないのだが、どう考えても麺とスープが待機していないとおかしいルックスだ。さてはラーメンだなオメー。

しかし、箸で掘っても掘っても一向に麺には辿り着けない。というか、ご飯にも辿り着けない。何これ沼? さすがマシマシ、どこまで潜っても野菜の層から抜け出せねぇ。このまま地球の核に到達してもおかしくないだろう。

ちなみにその途中、ごろっとした豚ハラミが中からいくつも発掘された。野菜ばっかりで肉なくね? と思った方はどうか安心してほしい。ギュッとしたワイルドな噛み応えがグッドだ。

ただ、仮に肉がなかったとしても、野菜自体の味付けが超強力なので無問題であると思われる。「かつや」曰く塩ニンニクたれで仕上げたとのことだが、こんなにパンチの効いた もやしとキャベツは久々に食べたぞ。これだけで二郎本体の火力に匹敵するのではないか。

「かつや」流二郎インスパイア丼に圧倒される私(あひるねこ)。しかしこの後、予期せぬアクシデントが発生してしまう。

・急転

先述したように、私が今回注文したのは『増し増し豚ハラミのスタミナ炒めとダブルチキンソースカツ丼』だ。少なくとも私はそう思っていた。注文を取った店員さんも「はい、マシマシで」と言っていたはず。ところが、野菜をどけてみてビックリ。


チキンカツが1枚しかない。

・困惑

これは……どういうことなんだ。入れ忘れたのか? それともこれでダブルなのか? どっちなんだ? まあ……普通にミスかなぁ。どう見たってカツ1枚だしなぁ。いやー、どうすっかな……。

今から店員さんに伝えて別皿でカツを1枚持ってきてもらったところで、正直微妙ではある。なぜならすでに料理に手を付けてしまったからだ。それでは撮り直しができない。つまり現状手元にあるのは、野菜だけがマシマシになった不完全な丼の写真ということになる。

正しい商品の姿ではないため、こうなるともう、今日のところは出直すよりほかないだろう。後日改めて『増し増し豚ハラミのスタミナ炒めとダブルチキンソースカツ丼』を注文し、記事にしようと思います。

まあ出直さずとも、この場で私がマシマシダブルを頼んで完食すればいい話なんだけど、それをやると「かつや」の店内で盛大にリバースし、社会的に死ぬ可能性があるため自重しておきたい。さすがにコイツを2杯は無理やで。残りの丼を片付けた私は、会計を済ませて店を出た……


の、だ、が。


・違和感

自動ドアを抜けた瞬間「あれ?」と思いレシートを見直したところ、そこに書かれた文字を見て私は愕然とした。税込759円……だと?

オーケー、話を整理しよう。私は935円のマシマシダブルを注文したつもりだったが、何かの手違いがあって、実際に出てきたのは759円の通常サイズだったワケだ。つまり野菜マシマシだと思って食べていたさっきの丼は……


実はノーマシマシだった。

・解決

なるほどなるほど、そりゃあチキンカツが1枚で来ますわ。だって通常サイズなんだから。マシマシダブルとして作ってないんだから。いやぁ、なんかすごいスッキリしたな。でも、あの量でノーマシマシってことは……

マシマシダブルを頼んだ日には、一体どんな化物が現れてしまうのだろうか? 想像しただけで胃がキリキリしてしまう。もしかすると今日の私は、とんでもなくラッキーだったのかもしれない……。

参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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