バックパックひとつで貧乏旅行中の身であるが、たまにはリゾートな気分も味わってみたい! ってことでエジプトのリゾート地・フルガダへやって来た私。美しい海が自慢なこの街は高級ホテルが建ち並び、主に欧米の富裕層がバカンスに訪れることで知られる。

さっそくメイン・ロードを訪れると、周囲の客引きが一斉にコチラへ押し寄せてきた。サッと近くの欧米人グループに紛れる私! さすがはエジプト、人も街も全てが混沌としているな……おや? 客引きが指差す先にあるのは……

『シャネル』に『ヴィトン』それから『エルメス』に『ロレックス』だと!!?

・神秘の国エジプト

雑然とした街並みに異様なほど馴染んだ『CHANEL』の看板。そう書いてあるんだから、もちろん “あのシャネル” のことだろう。

私はこれまで何軒もの『シャネル』を見てきたが、正直これほど小さい店舗は初めてだ。世界にはまだまだ知らないことがたくさんあるんだな〜! さっそく入店してみると……

……なるほど! ここはバッグを専門に取り扱うシャネルというワケか。

なぜか『DIOR』『LOUIS VUITTON』等とプリントされたバッグが混在しているのは気になるが……おそらくシャネルの新作かな?

お! 『D&G 』もある!

こちらはTシャツにキャップ、サングラスやビキニ等なんでも揃う便利なお店だ。

どういうわけかストールを薦められたので、丁寧に断って店を出る。ひょっとして今、世界では “真夏にストール” がトレンドなのだろうか?


・憧れのアレを購入

この日見つけた有名ブランド・ショップの中で、最も多かったのが『GUCCI』である。

こっちにも……

あっちにもGUCCI! さして広くない繁華街で複数の店舗が営業中とは、人気の高さがうかがえるというものだ。

そんな中、かねてより憧れていた『HERMES』の店舗を発見してしまった私。庶民が買える値段ではないハズだが、見るだけならタダだ。思い切って入店してみることにしよう。

すると……人の良さそうなご主人が「安くしとくよ」と歩み寄って来た。『HERMES』でディスカウントがきくとは初耳だ。せっかくなので近くにあったショルダーバックを指差し「いくら?」と尋ねてみる。


HERMESの主人「90EGP(約634円)でどうかな?」


・安すぎた

考えるより早く、私の指は財布から100EGP札を取り出していた。ご主人の気が変わっては大変なので「釣りはいらない」と言い残し、そそくさと店を後にする。常識では考えられない話だが、こうして私はHERMESのバッグを手に入れたのであった! そのバッグが……こちらになります!


大胆かつ独創的なデザイン!!!!!


どこか物憂げな、それでいて気高い表情をしたファラオ。その頭上には『EGYPT』の文字が刺繍され、ファラオとエジプトの深い関係を示している。あまりHERMESには詳しくないが、もしかするとエジプト限定販売品なのかも? なんにせよ、エジプトに来て本当にヨカッタ!

ってことで私は今日も『HERMES』で買ったバッグを愛用しているのであった。なおエジプトの『HERMES』で買い物するのは自由だが、ヨソのブランドのデザインを模倣した商品を購入すると刑罰の対象になる。分かってると思うが、そこんとこくれぐれも注意な!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.