あなたは今から6年前の2016年、SNS界隈を震撼させた『ラムネわらび餅』を覚えているだろうか? 読んで字の如く「ラムネ味のわらび餅」であるが、そのあからさまなヤバさは大きな話題となった。

そして2022年6月──。あの『ラムネわらび餅』が6年ぶりに復活するというではないか。というか、あれだけ話題になった商品をなぜ6年も寝かせたのだろう? これは直撃してみるしかあるまい……と思いきや。

・6年前、大きな話題に

スーパーなどで販売されている大福や団子などを製造する、明日香食品株式会社。狂気の『ラムネわらび餅』は、その明日香食品株式会社の女性社員2名が開発した商品である。

翌年には姉妹商品となる「コーラわらび餅」を発表するなど、明日香食品株式会社の奇抜系わらび餅は季節の風物詩になるかと思われていた。だがしかし、結果的には2017年を最後に、世間をザワつかせるような わらび餅は展開されていない。

・明日香食品に聞いてみた……ら

それが6年の時を経て、なぜか突然の復活を果たすというから聞き捨てならない。6年前の2016年と言えば「神ってる」が流行語大賞に輝いたほか「ゲス不倫」や「PPAP」が流行った年である。6年前……意外と古い。

さて、今回は明日香食品株式会社にコンタクトを取り「ラムネわらび餅が6年ぶりに復活する理由」や「今年のラムネわらび餅にかける意気込み」を聞いてみることに。ところが後半、とんでもないエピソードがぶっ込まれたのである。


──さっそくですが、なぜ6年間もラムネわらび餅を寝かせていたのでしょうか?

「いくつか理由はありますが、1つは売れなくなったことです。話題になった直後はおかげ様でよく売れたのですが、その後は “そこそこ” といったところでして……。翌年も期待してはいたんですが、結果的に売れ行きはイマイチでした」

──なるほど。

「弊社では様々な和菓子を製造しておりますが、わらび餅だけは冷凍ができないという問題がありまして、リスクのあるラムネわらび餅より、定番のわらび餅を優先したこともあります」

──ですよね。企業としては至極真っ当だと思います。ではなぜ6年ぶりの復活に至ったのでしょうか?

「はい、大きいのは毎年必ず数十件のお問い合わせをいただくからです。この時期になると決まってメールや電話で “今年は販売しないのか?” という連絡がありました。それが最大の動機でしょうか」

──なるほど。熱心なファンがいらっしゃるんですね。

「ご承知の通り、賛否両論ある商品ですので、見向きもされないこともあれば、好きな方はとことん好きという……。また、昨年弊社のSNSでラムネわらび餅のプレゼント企画を実施した結果、ご好評いただいたことも再販のきっかけになりました」

──そうなんですね。ただ失礼ながら、そこまでラムネわらび餅を好きな方がいらっしゃるとは思いませんでした。

「我々としてもSNSでバズった商品ですので、そこまでだとは思っていなかったんですが、お手紙をいただいたことがありまして」

──お手紙?

「はい、何でも難病を患った少年が手術のために日本を離れることになり、最後に食べたいのがラムネわらび餅だと。結局その時は、社長の号令でラムネわらび餅を無償でお届けしました」

──なんか急に話の方向性が変わりましたね。というか、神対応じゃないですか。

「ありがとうございます。そういったお客様もいらっしゃいますので、どうにか今年は安定的に売れればいいなと考えている次第です」

──わかりました、陰ながら応援しております!


・急にイイ話に

当初は当たり障りのないやり取りであったにもかかわらず、なぜか突然「深イイ話」になってしまったが、少なからずラムネわらび餅を待ちわびている人がいるということだろう。6年前は「脳がバグる味」と評したが、そうまで言うなら改めて食べてみたい……と思う。

というわけで、6年の時を経て復活するラムネわらび餅は、2022年6月1日から関東エリアにて販売開始予定だ。再び大きな話題になるのか? それとも華麗にスルーされるのか? 来年以降の展開は、消費者の手に委ねられている。

参考リンク:明日香食品株式会社
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.