気が付けば私(佐藤)も40代の後半に差し掛かった。社内の雰囲気はいまだに高校生の部室みたいな感じなので、つい実年齢を忘れてしまうけど、身体は正直に年齢に反応している。
文字が読みづらくなった。そう、老眼である。30代の後半くらいからその兆候は出ていたけど、最近とくに見えづらくなった。
老眼の進行が促進してから、テレビを見ていてあることに気が付いた。ある種のテレビCMについて、どうにも腑に落ちないことがあるのだ。
・老眼の文字の見え方
老眼ではない人にもわかってもらえるように、どんな状態か説明しよう。とにかく文字が読みづらいのである。とくにスマホの文字が見えにくい。私は第2世代のiPhoneSEを通常の文字サイズで利用している。
画像加工で表現するとこんな感じだ。赤丸で囲ってある場所の文字は、老眼目線ではつぶれて読むことができない。
幸いスマホは取り得る手がある。文字サイズを大きくするか、でかいスマホに買い替えるかすれば、読みづらさは改善される。パソコンやタブレットも同じようなことができる。
・なぜ大事な情報の文字を小さくするのか?
問題はテレビだ。テレビは文字サイズを変えることができない。しかもネット配信コンテンツのように巻き戻すこともできない。見たタイミングで読み切らないと、何が書いてあったのかわからないのだ。
それにも関わらず、大事な情報がビビるほど小さい文字で表示されていることがある。少し極端なたとえではあるが、こんな感じの通販CMがあったとする。
「今なら10個無料」という売り文句のサプリメントがあったとしよう。効果を実感する男性のコメントが表示されて「10歳くらい若返った気分」とかなんとかしゃべっているとする。
そりゃすげえ! 10歳も若返るならやってみたい! タダなら試してみっか! なんて思って、電話番号をメモしている間にCM終了。
日常でよくあることだと思う。
商品の魅力はわかったけど、このCMで大事なことは画面端に小さな文字で記されている。
この小さな文字の方が情報として重要じゃないの? まして商品のメインターゲットが年配の人なら、読めない可能性があることも想像つくのでは……。
だからこうしてはどうだろうか?
商品PR部分を少し減らして、「※ここから注意事項です」と前振りをした上で、伝えるべき文章をデカイ文字で表示する。こんな感じで。
こんな感じの通販CMだけでなく金融商品や保険などのCMでも、まばたきの間に見逃してしまう小さな文字の羅列をよく見かける。
……あの~、それ、読めませんから~! 老眼では読めないからデカい文字をゆっくり表示でお願いしますよ! 何書いてあるのか気になるじゃないか!
余談だが、最近老眼対策にハズキルーペを愛用している。今になって舘ひろしさんの気持ちが痛いほどわかるようになった。ハズキルーペ、大好き……。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24