最近、マンガにハマっている。気づいたら1日中読みふけっていることも少なくない。だからだろうか。愛知県に行った時、ネット検索で出てきたあるホテルがとても気になった。その名は『マンガホテル東郷』。
どうやら、2万冊以上のマンガが読み放題のホテルらしい。確かに、スーパー銭湯でマンガを読んでたら帰りたくなくなってくるしな。カプセル的なベッドとかじゃなくガッツリ泊まれる部屋があったら良いよなあ。それくらいの軽い気持ちで泊まってみることにした。
・予約方法
公式サイトの予約電話番号に電話してみたところ、宿泊の予約は「じゃらん」からしかできないらしい。そこでじゃらんのページを見たところ、大人1名の素泊まりスタンダードプランは税込み9680円だった。その日は土曜日だったのでちょっと良いビジネスホテルくらいの価格はするようだ。
ちなみに、チェックイン時間は15時から21時まで選べるが、21時以降でも、何時にチェックインしても良いとのこと。ただし、チェックアウトの時間は10時と決まっており、少しでもオーバーすると1時間単位で延長(+1500円)になるそうだ。
スケジュールもあったし、ホテルの場所もあやふやで何時になるか分からなかったからこのフレキシブルなチェックイン時間は助かった。事実、着いたのは22時頃だったし。
・漫喫みたい
入口を入ってみると、いきなりマンガ棚がびっしり並んでいて漫喫みたいになっている。そのマンガ棚の森を抜けると受付があった。
人はおらずメンバーズカードを作ってタッチパネルで入力する感じが最近の漫喫みたい。なんなら、ドリンクバーもあるし。
・部屋へ
ただ、タッチパネル入力でのチェックインは、どうやら時間で借りる場合っぽい。宿泊の予約をしている場合はどうやってチェックインしたらいいんでしょうか?
そう思っていると、スタッフさんが出てきて普通にチェックインの対応をしてくれた。そこで、まずは部屋に行ってみたところ……
広い。キングサイズのベッドは2人で寝てもまだ余りそうだ。部屋全体もゆったり余裕があって、ベッドでテトリスしたみたいにはなっていない。さらに、風呂とトイレと洗面所も別。特に風呂は広い。
正直、ビジホ程度でよかったので驚いた。よく見たらウォーターサーバーまであるし。しかし、それ以上に驚いたのは……
床がふにふにしてるゥゥゥウウウ!!!!
部屋の床自体がマットレスのような感じになっているのだ。遊園地とかにあるバルーンがいっぱい入ってるアレの床みたいで、この部屋自体にどことなくアミューズメント感がある。
まあ、くつろげるかと聞かれれば、また違った雰囲気ではあるのだが、試しに部屋でマンガを読んでみたところ、これが案外悪くない。
・館内のマンガを索引できる
超絶広い個室のマンガ喫茶にいるようだ。ちなみに、マンガ棚は1階だけではなく6階まであるが、サイトで索引できるようになっているので、目当ての作品があれば簡単に場所が分かる。
窓がなかったり風呂が年季入ってたり、宿泊だけを目的にするとどうかとも思うが、ゲームも借りられるし定食の注文までできるから、漫喫と捉えればゴージャスだし気が利いていると言えよう。
ただし……
アクセス難易度の高さは漫喫の比ではないけれど。
・終点の向こう側
冒頭でお伝えした通り、大して調べずにホテルの予約を取った私。このホテルのある愛知県愛知郡東郷町春⽊新池3922-114は電車さえない場所だということももちろん知らなかった。地下鉄桜通線の終点・徳重のさらに先なのである。
そのため、来る時も赤池から1時間に1~2本出てる名鉄バスに乗ってきたのだが、最寄りバス亭の「東郷社宅前」で降りた時衝撃を受けた。
暗ッ!
街道沿いのほぼ森みたいな街路樹は影しか見えず、ポツンとたまにある街灯より月の光の方が頼りになるレベル。茂みから何か出てきても気づかないかもしれない。そう言えば、K氏も墓参りでしか行ったことがないと言っていた。こんな場所にマジで2万冊のマンガを集めたホテルがあるのか?
と、その時……
暗闇に浮かび上がるマンガホテルの看板。
ホンマにあるんかーーーーい!!
・社長に話を聞いた
逆に突っ込まずにはいられないほどの立地であった。なお、社長の神谷さんに話を伺ったところ、マンガホテルがオープンしたのは2020年とのこと。
しかし、その前にもホテルはあり、引き継いでいる設備もあるそうだ。部屋のアミューズメント感や、風呂場にちょっとした年季を感じるのはそのためかもしれない。
というわけで、このホテル目当てに訪れるような場所ではない。色んな意味で。ただし、それゆえに珍スポットとは言えるかもしれない。冒険としては面白かった。日本国内でも知らない場所だらけだなーって。
・今回紹介した店舗の情報
店名 マンガホテル東郷
住所 愛知県愛知郡東郷町春木新池3922−114
営業時間 24時間
定休日 無休
参考リンク:マンガホテル東郷
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼アメニティーはバスタオル、ハンドタオル、歯ブラシ、髭剃り、館内着とひと通り揃っている
▼ホテルの前の景色
▼ファミマとコメダが近くにあります
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