庶民的な洋食店が好きだ。どことなくハイカラな空気で、肩肘張らない日本っぽさ漂う洋食店が。浅草にはそういう店が多いが、中でもコスパが良いのは『モンブラン』だと思う。平日でも行列になるこの店。地元民の客も多く、まさに浅草最強の洋食店と言えるだろう。

近所に住んでいる私(中澤)は、やよい軒よりはこっちという程度のノリでめっちゃ通ってたわけだが、ある日気づいてしまった。うっかりメニューを全制覇していたことに

・全部ウマそう

制覇したのはメインメニュー24種。これまでメインメニューを全部食べた洋食店はここだけではないだろうか。お気に入りのメニューがあればそればかり食べてしまう私。要は、お金を払うんだからウマイと分かってるものがいいのである。冒険はいらない

しかし、そんな私がうっかり制覇してしまうほどに『モンブラン』のメニューは全部ウマそうなのだ。多分、モンブランではみんな迷ってると思う。今日は何を食べようかと。

・ハズレはない

特に、浅草に遊びに来て、モンブランで食べようという人は、その悩みも重いのではないだろうか。私のような近所でなければ頻繁に行けるわけでもないし、そもそも行列の末の選択だ。これで写真詐欺とかだったら私なら2度と行かない。

だが安心してほしい。全部食べて1つ確実に言えることは『モンブラン』に写真詐欺はないということ。むしろ、逆写真詐欺が来ると考えた方が良い。思ってるより皿デカイからな? 気をつけろ!

基本的に1000円を超える価格設定でも、私がコスパが良いと思う理由はこのボリュームと味によるもの。どれを注文したところである程度の満足感は得られるので、好きな料理や心に決めたメニューがある場合は本記事をそっと閉じてそれを注文してくれ。

一方で現在進行形で迷ってる人や、そもそもモンブランを知らないという人は、以下に私のオススメを記載するので、参考にしていただければ幸いだ。24種類全部食べた私は結局この3つを注文しがち。


・ハンバーグシチュー(税込1400円)

モンブランのハンバーグは国産牛肩ロース100パーセント。そのためか、牛の旨みが半端じゃない。ゴロゴロしたハンバーグをナイフで切ると、肉汁がまるで洪水のようにソースに染み出す。

モンブランはまずはこのハンバーグ。ソースも6種類から選べて、このハンバーグだけで1週間回せるレベル。店を紹介するウェブ記事があれば100パーセントオススメされているくらいの定番だが、もう1歩踏み込むならハンバーグシチューがオススメ

特製デミグラスの中にはパスタが隠れていて、ハンバーグを食べ終わった後、肉汁がたっぷり染み出したシチューの締めになる。言わば鍋をやった時の締めうどん的な。パスタが太めなので食べごたえもあり、最後まで楽しめるのが素晴らしい。


・チキンソテー ピリ辛トマトチーズ(税込1485円)

とにかくボリュームを求める時はこれ。270gの肉厚な鶏もも肉1枚が鉄板焼きにジュージューとそびえる。その存在感はさながら鉄板焼き界のエアーズロック

ソースは「デミグラスソース・和風・ピり辛トマトチーズ」から選べるが、私のオススメはピリ辛トマトチーズ。おそらくハラペーニョが入っていて、チーズとトマトソースの奥からやって来るすっぱ辛さがつけ添えのパスタに合うのである。


・鉄板焼ナポリタン(税込1078円)

ハンバーグはもちろんだが、実際に頼んでいる人を結構見るのがナポリタン。ガッツリ量があり、卵黄までトッピングされた姿はナポリタンとしては豪華な部類に入るだろう。

しかも、価格は安めで、サイドメニュー的存在のおつまみ単品(税込み440円)をプラスで注文しても、肉料理1品とそんなに値段が変わらない。コスパで言うと、これプラス「サーロインサラダ」が一番ではないかという説がある。


・2000円超えでもコスパは良い

以上、注文するメニューは決まっただろうか? なお、金に糸目をつけず豪遊したいと言うのであれば「スペシャルプレート(税込2123円)」も良い。

表の看板には「大人のお子様ランチ」と紹介されているこのメニュー。エビフライに唐揚げ、目玉焼き、ハンバーグなどのモンブランオールスターが全部盛りのプレートである。正直、皿のデカさにまず笑った。

──さて、ここまで来ればモンブランについて知らなかった人も、大体どんな店か伝わったのではないかと思う。

料理を前に、ワクワクが止まらなかった子供の頃。お腹が満たされるだけではない。あの頃感じた明日が楽しみになるようなキラキラした感覚。そんな気分を思い出させてくれる店である。


浅草を訪れた際は立ち寄ってみてくれ。ちなみに、15時以降だと混み方もちょっとマシだぞ。


・今回紹介した店舗の情報

店名 モンブラン 浅草店
住所 東京都台東区浅草1-8-6 ファミール浅草ビル1F
営業時間 11:00~20:00
定休日 水曜日、ただし、水曜日が祝日の場合、木曜日

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.