電気街にしてアニメの聖地である秋葉原。実は、この街は「食」についても激戦区である。一歩路地を入れば、カレー、ステーキ、中華、そばとなんでもござれ

ネットやテレビで話題の店も多いが、実際に店に通ってみなければ分からないことも多い。そこで、秋葉原に10年以上勤めている人物にオススメ店を聞いてみた

・パウエル秋人

話を伺ったのは30代サラリーマンの仮名・パウエル秋人(あきひと)さん。10年以上ほぼ毎日秋葉原に通い、昼休憩や仕事終わりに外食するうちに自然と4択に絞られたのだとか。パウエルさんがその店を「ついつい選んでしまう理由」とは?

・その1『キッチンジロー外神田店』

パウエルさん「おそらく、秋葉原に通っていたら、1度は『キッチンジロー』の名前を聞いたことがあるんじゃないでしょうか。洋食を食べたい時はここですね」

まず、オススメされたのはキッチンジロー外神田店だ。昔ながらの街の洋食屋な雰囲気が漂うこの店。メンチカツとハンバーグが名物の店とのことだが、嬉しいのは好きな2品を選んで盛り合わせができるところである

しかも、ハンバーグとスタミナ焼きという主役級の2品を組み合わせても税込950円! メンチかつとチキン南蛮でも950円!! 価格帯は庶民派だ。

ハンバーグを食べてみると、柔らかい肉の食感にジュワッと染み出す肉汁。ジューシーかつ豊潤な肉の旨味に舌が喜んでいるようである。ほーいいじゃないか。こういうのでいいんだよこういうので。『孤独のグルメ』の井之頭五郎ならそう言いそうな洋食屋だ。

・店舗の情報

店名 キッチンジロー外神田店
住所 東京都千代田区外神田3-12-2
営業時間 11:00~21:00
定休日 無休


・その2『Cafe MOCO』

良いサンドウィッチを出す店があるんですよ」そう言って、パウエルさんが入っていったのは大通り沿いにひっそりと入り口がある『Cafe MOCO』という喫茶店である。

外観こそひっそりとしているが、階段を上がると2階は広く、ソファなども置かれていてちょっとお洒落な世界。隠れ家と言うにふさわしい雰囲気だ。

パウエルさんのオススメは「エッグベーコンサンド(税込810円)」。注文札を持って席で待っていると……なんか凄いのキターーーーーーー

細長いパンの切れめからあふれ出すゆで卵とオニオンの山!! でもベーコン入ってなくね? そう思って色んな角度から観察してみたところ……


いたーーーーーーーーー! 卵の下に溺れそうなベーコンが!!

まさに、ベーコンのかくれんぼ状態であるこのサンドウィッチ。食べてみても卵が洪水のように溢れ出してくる。卵に溺れたい人は要チェック。

・店舗の情報

店名 Cafe MOCO
住所 東京都千代田区外神田1-12-2
営業時間 11:45~20:00
定休日 不定休


・その3『スターケバブ アキバテラス』

「行きすぎて店に行っただけでいつものメニューが出てくる」というほどパウエルさんがハマッってしまったのが『スターケバブ アキバテラス』だという。ただのケバブ屋じゃないの

と思いきや、『スターケバブ アキバテラス』にはイートインコーナーがあり、そこで肉のプレート料理やカレー、丼ものなども食べられるのだそうだ。ちなみに、パウエルさんはチキンケバブ丼(税込600円)がお気に入り。他の丼ものの店との違いを聞いてみたところ……

パウエルさん「個人的な感想なんですが、コスパを “売り” にしている丼ものの店は、米で量を埋めているところが多いと思うんです。でも、この店は肉の量で戦ってる。愚直なまでに肉を追求してます。クオリティーにはバラつきがありますが、この価格帯でこれだけ肉を食べられたら満足です」

とのこと。食べてみたところ、舌が痺れるようなすっぱ辛いソースが肉の旨味を引き出している。そして、確かに肉だらけだ

また、チキンケバブ丼やビーフケバブ丼(税込750円)以外にも、ラムステーキ丼(税込800円)や、ジンギスカン丼(税込750円)などなど、他では見かけない肉丼があるのもこの店の魅力。秋葉原で安く肉を食べたい時はここだ。ちなみに3店舗ある。

・店舗の情報

店名 スターケバブ アキバテラス(2号店)
住所 東京都千代田区外神田3-10-7
営業時間 11:00~21:00
定休日 無休


・その4『雁川(がんせん)』

人生にはあると思うんです。大量にチャーハンを食べたい時が」中華料理屋『雁川』の階段を降りながらパウエルさんはそうつぶやいた。

誰にでもある欲求なのかどうかは分からないが、その言葉で『雁川』の名物は十分に伝わることだろう。そう、爆盛りチャーハンだ

レギュラーメニューである『豚肉生姜焼きチャーハン』は、普通(税込850円)・W盛(税込1050円)・トリプル盛り(税込1200円)と3段階から選べる。曜日限定メニューである『牛すじチャーハン』は並盛(税込900円)と大盛(税込1100円)だ。

ちなみに、『牛すじチャーハン』の曜日は、土・日・祝日・月末金曜日・第1第3木曜日。せっかくなので、『牛すじチャーハン』の大盛を注文してみたところ、厨房から店員さんが両手で大きい平皿を運んでくる。何かの儀式のようだ

皿にこんもりと盛られたチャーハンは、見るだけでチャーハン欲を満たせるレベル。食べきれるだろうか……不安になったが、結論から言うとその考えは杞憂に終わった

なぜなら、めちゃくちゃウマイのである。ボリューミーな牛すじにかかるトロッとした餡(あん)は甘めでコク深い。この餡の味が、パラッとしたチャーハンとナイスコンビネーション! 永遠に食べられる!!

ちなみに、パウエルさんがいつも食べているのは『豚肉生姜焼きチャーハン』のW盛りだ。こちらも生姜の風味がきいていて美味。パウエルさんいわく「自分へのご褒美」とのこと。

・店舗の情報

店名 雁川
住所 東京都千代田区外神田3-10-10
営業時間 火~金11:00~16:00、17:00~22:30 / 土、日、祝11:00~22:00
定休日 月曜


──以上、10年以上秋葉原に勤めている人のオススメ4店舗は上記の通りだった。有名な店もあるため「知ってた」という人もいるかもしれないが、選ぶメニューなどはいつも食べている人ならではの目線があったように思う。

前述の通り、一歩路地を入れば色んな料理店がひしめく秋葉原。まだまだ実力のある店は眠っていると思うので、秋葉原に行った際はぜひ散策してみてくれ。

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.