おやつによし、料理によし、栄養補給によしの万能食品ゆでたまご。

「麻薬たまご」などの味玉も人気だが、「ゆでるの面倒くさ……」というのは人類共通の思いではないだろうか。

過去に当サイトで取り上げた電子レンジでゆでたまごを作る調理器具も画期的だと思うが、今回はサンコーの「超高速エッグスチーマー」の便利さをシェアしたい。スイッチひとつで、完璧な ゆでたまご ができるぞ。


・サンコー「超高速エッグスチーマー」(税込3278円)

ユニーク家電で名高いサンコー株式会社から、2021年末に発売された「超高速エッグスチーマー」

公式通販サイトでは完売状態だったのだが、いま予約すると2022年5月上旬発送(記事執筆現在)ということなので、ぜひここでご紹介したい。

内容は本体、エッグトレイ、フタ、計量カップというシンプルな構成。電源コードは70cmほどしかないので、延長コードを足すかコンセントの近くで使うことになる。

本体はきわめて軽く小さい。女性の手のひらにもラクラク載るほどで、長辺でも20cm弱の弁当箱サイズだ。

付属の計量カップは、卵の穴開け針を兼ねている。これは便利!


スイッチ周りが輸入家電のようでちょっとシャレている。キッチンに出したままにしていても安っぽい印象を与えず、デザインは満足。

ただし問題は美味しいゆでたまごが本当にできるのかということ。「結局は鍋が一番」なんてことになるかもしれないから、しっかり検証してみたい。


・調理開始

卵は1~3個のあいだで調理可能。そして仕上がりは「超半熟・半熟・やや半熟・固ゆで」の4段階。取扱説明書に一覧表が載っているので、個数 × ゆで加減で水量を決める。

卵のおしりに針を刺す。結構な力が必要な上に、ゴリッという感触がして一瞬びっくりするが、慣れると妙に快感になる。

おしりを上にしたままエッグトレイにセット。


あとはスイッチを押すだけ! タイマーなどはなく、投入された水の量で調理時間が変わる。


みるみるうちに本体が蒸気で真っ白になる! 超半熟1個の場合は最短5分で完成。

5分って体感的にはあっという間で、食器や塩を用意しているうちに過ぎてしまう。

完成すると、ビーというようなブザーが鳴る。加熱は止まるが、手動でスイッチを切ってブザーを止めなければならない。つまり、その場を離れての自動調理は不可。

本体や卵は高温になっているのでミトン必須! 火傷に注意。


流水で冷やして出来上がり。余談だが、ゆでたまごは冷水で一気に冷やすのがカラをむきやすくするコツだそう。

初回は「超半熟」の設定にしたのだが、薄皮1枚で白身が覆われているような状態。ポヨンポヨンの感触で、カラをむくのが大変……

やっぱり破れた!


トロトロの黄身があふれ出てくるので、カラは全部むかず、スプーンなどで食べることを推奨! 個人的にはここまで半熟の卵は普段食べない。


よし、どんどん検証してみよう。取扱説明書にあるとおりの水量で順番に作ってみる。


「半熟」は傾けると少しこぼれるくらい黄身がトロリとしている状態。「超半熟」ほどではないものの、カラをむくときには細心の注意を払った方がよい。気を抜くと白身まで割ってしまう。


「やや半熟」になると、中心部だけがゆるい状態。安心してカラをむける固さになる。


そして「固ゆで」に設定すると、中まで完全に固まった ゆでたまご ができた。カラもつるんとむける。個人的にはこれくらい固いのが好み!


ここまでは十分に合格である。ちゃんと水量によって仕上がりに違いが出るため失敗知らず。文句なし!


最後に「3個同時調理」をやってみよう。実生活では複数個を同時に作りたいし、卵の位置によってムラがあったりしては減点だ。筆者の好みにより、固ゆでで試してみる。


15分後、なぜか「検証した中で最高に美味しい固ゆで」が出来上がった! ご飯は大量に炊いた方が美味しいというが卵もそうなのか? この美しい仕上がり! めちゃうまである。

連続して作っていたので、もしかしたら本体の余熱の要素があるかもしれない。ほかに卵の温度、サイズ、水温、室温などが影響しそうなので、各自の最適ポイントを探ってみて欲しい。取扱説明書では、常温に戻した卵を想定している。

また、同社の製品にはありがちなのだが、スイッチ部分などは防水仕様になっていない。余った水を捨てる際など、濡らさないよう注意が必要。

さらに何度か使ったらヒーター部分が焦げついたようになり、「えっ!」と思ったのだが、拭いたら取れた。ほかにも水や卵から溶け出したカルシウム成分が付着することがあるそうで、クエン酸で除去可能。


・これは「ありのあり!」

100円ショップの便利グッズなど、「時短」「○○いらず」をうたっているもので、これまであまり成功した記憶がない。結局は美味しくできなかったり別の手間が増えたりして、「王道のやり方がいいよね」となることが多いように思う。

今回も半信半疑だったのだが「あり」である。むしろ使わない理由が思いつかない。筆者もまだ長期ユーザーとはいえないので、耐久性などは検証できていないのだが、壊れない限り愛用すると思う。

なにより鍋で作るときの「ゆで始め時間をうっかり見逃したー!」という失敗がなくなる! 水量さえ間違えなければ好みの固さにできるので、失敗知らずだ。

現在、公式通販サイトでは予約商品として扱われており、「22年5月上旬頃お届け予定」とのこと。ひとり暮らしにもお勧めなので、新生活を始めた方にもぜひ!


参考リンク:サンコー株式会社
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.