セーフかアウトか……その紙一重のラインには引力がある。野球しかり、チキンレースしかり、昔から人々は息もできないようなギリギリの瞬間に魅了されてきた。私(中澤)もギリギリを攻める者に勇気を感じずにはいられない。

先日、実家に帰ったところ、近所にギリギリすぎる餃子屋ができているのを発見してしまった。えッ!? これセーフなの!? そう思ったので逆に食べてみた結果……!

・ライン上の魔術師

私の実家は大阪なのだが、その店を発見した時「さすが大阪だなあ」と感じずにはいられなかった。それほどに匂い立つ大阪オーラ。むしろ、発祥が大阪以外の都道府県だったらビビる。ひと目で私にそう思わせた餃子屋の名前は……


餃子・大阪王

って言いたい! 将ってめっちゃつけたい!! しかし、つけてしまうとアウトになることは誰の目にも明らかだ。なんだこの寸止め感は。ギリギリにもほどがあるだろ。ちなみに、道を挟んだ向かいには……

餃子の王将がある


なんか色々ギリギリだなここ! どうせなら大阪王将があってくれよ!!

・評価したい点

と、入店前から取り乱してしまったわけだが、大阪王は結構繁盛しているようだ。飯時になると並んでいたりする。というわけで入店してみたところ、ただギリギリなだけではなかった。

まず、評価したいと思った点は床がツルツルしていないこと。メニュー的には、餃子以外に炒飯(税込638円)やラーメン(ねぎそば税込429円)なども取り扱う普通の中華料理屋なのに清潔感が漂っている。

私は別に床がツルツルしていても大丈夫なタイプではあるが、とは言えツルツルしていない方が嬉しい。客の許しに甘えてないところにプロ意識を感じた。

・評価したい点その2

だからと言って、店員さんが仕事人オーラでピリピリしているというわけではない。むしろ、楽しそうに働いている。特に印象的だったのは店員さんが客を席に案内する時のこと

ただ空いている席に詰め込んでいくのではなく、店内の状況を見て、使う席・使わない席を相談していたことである。私が入店した時は、隣のカウンター席2席を潰してゆったりできるくらいのスペースを確保してくれた。ゆえに、カウンター主体の狭めの店なのに居心地は良かった。これが評価したい2つ目の点である。

・餃子と炒飯を食べてみた

とは言え飲食店。味の方はどうなのか。名物の「焼餃子(6個税込286円)」は注文するとして、王将で食べまくっている炒飯も気になるところ。そこでこの2つを注文してみた。合わせて924円なので、価格的には大阪王将と同じくらいだが……


炒飯ウメェェェエエエ

入ってる肉はハムみたいな代物ではあるが味付が抜群に好みだ。大阪王将の炒飯と比べると、丸みを感じる味なのだが、これは素材や調味料の味が溶け合うように1つになっているからかもしれない。結果、口当たりが非常に柔らかく食べやすいのである。

だが、それでいて薄くはなくしっかりと味がついているところも◎。米一粒一粒がそんな味でコーティングされているようで、レンゲのひと掬いから味がふわっと口の中に広がる。

また、餃子は餡がみっちり詰まっていて、カリカリな皮を中から押し広げんばかり。これで大阪王将の餃子と同価格帯なのは明らかにコスパが良い。というわけで、名前がギリギリの大阪王は味的には全然ギリギリじゃなかった。むしろ、激ウマである

ちなみに、公式サイトによると、大阪王は2022年2月15日現在、大阪を中心に12店舗が展開されているチェーン店のようである。大阪在住の頃は外食をほぼしなかったので知らなかったが、すでに知る人ぞ知る店なのかもしれない。また実家に帰った時は行こうっと!

・今回紹介した店舗の情報

店名 大阪王 鶴橋店
住所 大阪府大阪市東成区東小橋3-13-21
営業時間 12:00~22:00
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.