先日ぼんやりとネットサーフィンをしていたところ、とある記事を見かけた。内容を要約すると以下のとおり。

みんなエレベーターで間違った階数ボタンを押しちゃったときは、2度押しするとキャンセルできるのはよく知ってるよね☆ もし反応しなくてもあきらめないで! メーカーによっては長押しや3度押しの場合もあるんだYO!(脚色あり)

ええええええぇぇぇぇぇぇ! そもそも「キャンセルできる」ことを知らなかった! とっくに基礎を終えて応用科目に進むがごとく、2度押しは知っている前提で始まるこの話。これってすでに常識なの!? そんなの東京とか大阪とか最新機器がバンバン入ってる都市だけじゃないの!?


・事実だった

たとえば降りたかったのは1階なのに、間違って2階のボタンを押しちゃったという場面。

ただでさえ人は「何もせず待つ」という行為をつらく感じる生きもの。「下に行きたいのに上行きのカゴが来たとき」や「自分とは関係のない階で止まっている時間」にイライラするのは人類共通のはずだ。

都市伝説のような話だが、米国ヒューストンの空港ではただ立って荷物を待たせるよりも、わざと手荷物受取所を遠くに設置して乗客を歩かせた方がクレームが減ったという。

結果的により多くの時間がかかっても、エレベーターよりもエスカレーターの方がストレスが少ないのも同じ理屈だろう。

話を戻すが、だれも用がない階に止まるなんて時間のロスでしかない! もしほかに乗客がいたら気まずさ爆発!! 貴重な時間を奪ってすみません すみません すみません! そんなときは……

カチカチッと2度押しするらしい。ダブルクリックの要領だ。


何事もなかったかのようにランプが消えたー!!!!


何十年も社会人をやってきたのに知らなかった……。自分はもちろん、だれかがキャンセルしているのを見たこともなかった。しかも片田舎の雑居ビルでもできた。東京関係なかったわ。


・全部ではない

ちなみに上記のエレベーターは三菱製であったが、もう少し古いビルの日立製では2度押しキャンセルはできなかった。

なんでもメーカーによって異なるが、1990~2000年代以降の比較的新しい機種にはキャンセル機能がついており(ただしオプション扱いで、設置主の希望によるというメーカーもあり)2度押しでキャンセルできるものが多い。

一部「ドアが開いている状態で2度押し」という条件付きであったり、「長押し」でキャンセルというメーカー(機種)もあるという。

明らかに自分が間違えた、というときにも使えるし、いたずらに遭遇したときにも役に立つかもしれない。ボタンが大好物な ちびっ子と日々格闘しているお父さんお母さんにも朗報だろう。

だれでもわかるよう操作パネルに掲示すればいいのにと思ったが、必要な階数ボタンをキャンセルするという「逆いたずら」もできてしまうからかもしれない。

世界は広い。まだまだ知らないことがある……。


執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]