椎名林檎のデビューや漫画『NANA』をリアルタイムで見てきた世代にとって、『ヴィヴィアンウエストウッド』は永遠に甘酸っぱい憧れを秘めたブランドだ。庶民でも頑張れば手が出る価格帯とあり、私は普段からバッグなどを愛用している。

そんな憧れのヴィヴィアンが、数量限定で福袋を販売しているらしい。新年3日のSNS上には「今年はスゴかった」「財布が入ってた」などという報告が溢れている。急いで新宿高島屋へ向かうと……まだギリ残ってるゥ!!!

価格は3万3000円(税込)。買えば私にとって過去最高額の福袋となるが……

・買った

高島屋のエスカレーターから飛び降りる覚悟で、私は買った。何度も言うけど価格は3万3000円(税込)。

なお私がこれを購入したのは『ヴィヴィアンウエストウッド MAN(メンズ)』の店舗だが、今回いくつかのヴィヴィアン店舗を回ったところ、『ヴィヴィアンウエストウッド』の袋に入ったものと『ヴィヴィアンウエストウッド MAN』の袋に入ったもの、2種類の福袋が販売されているようだった。

また『ヴィヴィアンウエストウッド』の袋に入った福袋の中にも2万2000円、3万3000円、5万5000円と異なるタイプのものがあり、どう違うのかよく分からないのだが……店員さんいわく「中身は全て異なるので何とも言えない」とのこと。

ともかく私は3万3000円の福袋を購入し、事務所のみんなに自慢した。目指すは中島美嘉みたいなクールビューティー女子である。さぁ……いでよ白ブラウスと黒のロングスカート!!!!! できればコートもな!



…………


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えっ?



エーーーーーーーーーーーーーッ!?!?!?!?!?


・叫び、泣いた

袋の中から出てきたのは……ひと目で「ぜってぇ着ねぇ」と断言できるチェックのパンツ。

オシャレすぎて逆に “おばあちゃんが田んぼに着て行くモンペ” にしか見えないシロモノ。定価は……4万9500円(税込)!? 誰が買うねん!!!

お次は3万8500円のフード付きノースリーブ。これ、よく見ると……

虫食いみたいな穴がいっぱい空いとんな。


まさに【オシャレ100:実用性0】。日本人でこれを着こなせる人物など、果たして菅田将暉以外に存在しているのだろうか? あ、堂本剛がいるか。

最後は唯一の救い、ヴィヴィアンらしいオーブの手袋。


・全力で着てみた

嫌な予感しかないが、ここまできたらやるしかない。今回ゲットした3アイテムを着用してみたら……こうなった! ジャン!

ぐっ……!


ダメではない……ダメではない、が………… “服に着られちゃってる感” がハンパねぇ! イケてるかイケてないかで言ったら「絶望的にダサい」としか言いようがねぇ……!

ただし着用感は、さすが天下のヴィヴィアン。細かい作りの丁寧さが素人目にも「そのへんの安服とは違う」と分かる。

そもそもヴィヴィアン・ウエストウッドは70年代のパンク・シーンから人気に火がついたブランドだ。普段ユニクロしか着ない人間がいきなり福袋に手を出すなど、パンクスに後ろからラバーソールでドツかれても文句は言えない愚かな行為だった。


全国のファッションモンスターの皆さん、今回は本当にすみませんでした……!


・メンズがニュアンスで着てみた

ちなみに……お店の方からは「ヴィヴィアンの洋服にメンズ・レディースを区別する決まりはない」といったアドバイスを受けていた。せっかくなので当サイトの男性メンバーにも試着をお願いしてみよう。

最近太り気味だという原田記者、ウエストのサイズがギリギリだ。


う〜〜む……やはりダサいかダサくないかで言えば、気絶しそうなほどダサい。



「マジかよ……」「上級者向けすぎるだろ……」と、ザワつく編集部内。



こうなったら我々にできるのは “ニュアンス” で勝負することのみ!



おしゃれで最も大切なのは「この服が着たい」という熱い情熱……



自信を持って着れば僕たち・私たちだってきっと……



いつかはヴィヴィアンの似合う人間になれるはずッ!!!!!


ってことで、来年もヴィヴィアンの福袋が買えるように、今年はオシャレがんばるぞ〜! みんな応援してくれよな!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.