
今年は前年にも増して厳しい1年だった。Webメディアに限らず、新型コロナウイルスによる経済的・社会的活動の停滞で、多くの業種・業界にとって苦しい2021年だったと思う。
とくにワクチン接種の行き届かない上半期は自由に取材に出ることもかなわず、トピックも限られ、自分の人生までもが足踏みしているようで病むかと思った。
そんな中で、印象に残っている記事を挙げたい。必ずしも「たくさん読んでいただいた記事」とは違うのだが、思い入れのある5本である。
・これなにで出来ている絵かわかる? 極限の忍耐力を試される「ダイヤモンドアート」と過ごした涙の40時間の記録
手芸やクラフトが好きだ。小学校では給食委員会に所属していたが、別に給食が好きだったわけではなく、献立表の掲示場所に飾るペーパークラフトが楽しみだったからだ。
しかし世の中には「始めたことを後悔する」作品もある。直径2mmほどのカラービーズ(ラインストーン)をひたすら貼りつけて1枚の絵を作る「ダイヤモンドアート」は、貼っても貼っても貼っても作業が終わらず気が狂いそうになった。
その分、完成したときの喜びはひとしおだ。ビーズなので発色がよく、壁に飾ると見映えがする。
ところが、粘着シートにビーズを貼りつけるという商品の性質上、空気中のゴミやホコリを非常によく吸着する。そのままではとても飾っておけず、しかも最初に商品が入っていたビニール袋を捨ててしまうという愚行があり、いまでは箱にしまわれている。
・6月2日は「本能寺の変」の日! ニッチすぎる戦国ペーパークラフトで織田信長の最期を再現せよ
歴史に関する記事は、決して「大きな反響がある」とはいえないのだが、静かながらも確かなレスポンスを感じるジャンルでもある。
筆者自身はもともと日本史にはさして興味もなく、このペーパークラフトを作ったのも たまたまだったのだが、がぜん戦国時代に興味がわいてきた。
前年には京都府福知山市のふるさと納税返礼品「本能寺の変 お知らせハガキ」を取り上げたこともあり、勝手に縁を感じてしまう。
ひとつのことに興味をもって記事として取り上げると、関連する別の事柄が気になってくる。なんでも「へぇぇぇ」と感心するようになり、ライターをやって人生が豊かになった、と思う瞬間だ。
・【意外な結末】リサイクル店で投げ売りされていた中古カプセルトイの正体を探る! 出てきたのは15年前の○○や…
中古で購入したカプセルトイの出自を探るという企画。最後に正体がわかるくだりは記事上の「演出」や「シナリオ」ではなく、本当に天の啓示ともいうべき “ひらめき” であった。
かつてのオカルトブームでは、いろいろな仮説を立てて怪奇現象を追求していくような心霊番組が好きだった。
安易に「過去に自殺が……」などと事件・事故に関連づけるものは無責任かつ非礼で論外だが、中には丁寧なものもあって、建物の歴史をさかのぼったり、科学的な分析機材を使ったり……。
本当は心霊研究の本場といわれるイギリスに留学して超心理学を学び、ゴーストハンターになろうと人生設計を立てていたが、いつのまにか日本の片田舎でライターをしている。
・『鬼滅の刃』で話題も、全国で消えゆく遊郭建築…これが現存する大正時代の遊廓だ! 保存修復クラファン実施中
遊廓建築の修繕に関わるクラウドファンディングの話題。ついにスタートした『鬼滅の刃 遊郭編』の効果もあって、かつて日本に存在した負の歴史への注目度が、かつてないほどに高まっていると思う。
後日談として、このプロジェクトは見事に1800万円以上を集めて成立し、筆者のもとにもリターンの食事券が届いた。折しも数週間ほど関西に滞在していたので訪問できればよかったが、受け取ったのは自宅に戻ってから。
行き違いになってしまい、年内の訪問は叶わなかった。立地条件から、女性が観光気分でウロウロすべき場所ではないともいうし、訪問については再考中だ。
遊廓の保存や修繕については賛否両論あると思うが、個人的には議論ができることはいいことだと思っている。もっともよくないのは無関心のままに、いつのまにか消え去ること。今後にも注目したい。
・【寺キャンプ】坐禅もサウナも車中泊もできる “なんでもあり” のユニークキャンプ場「大泰寺」を体験してきた!
久しぶりに遠方に出かけて取材ができた企画。キャンプをして坐禅をして写経をして……のびのびとした開放的な時間が流れ、素晴らしいところだった。
コロナ禍で自宅にこもっているあいだ、筆者はずっと自分のどこかが「閉じている」感覚がしていた。
筆者にとって旅とは、知らない土地でまったく違う人生を歩む人々と出会うことであり、「もしかしたら自分もこうだったかもしれない」という “もうひとつの道” を垣間見るという意味合いがある。
望みさえすればこういう生き方もある、と感じられることは(実際にはしないのだけれど)自分が自由だという感覚を与えてくれる。それを久しぶりに思い出した滞在だった。
────以上、5選である。下半期には自分としても初めてのことにチャレンジしたり、思い描いたことを実現できた部分もあり、最終的には感慨深い1年になった。来年もより一層精進していきたい。どうぞよろしくお願いいたします。
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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冨樫さや





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