良質な商品を、お手頃価格で取り揃える無印良品。実はさほど安くないものも紛れているが、そこまで「高い!」と感じないのは何故だろう? 無印マジック、おそるべし。

それはさておき、化粧品から日用品、はたまた電化製品までが手に入る無印良品だが、ごく一部の店舗で『日替わり弁当』を販売していることをご存じだろうか? 無印の日替わり弁当……高確率でウマいに決まっている──。

・一部店舗で限定販売

もともと「銀座店」と「MUJIcom武蔵野美術大学」で弁当の販売を行っていた無印良品。それが2019年10月末に取扱い店舗を拡大し、Cafe Meal& MUJI(新宿・日比谷・錦糸町)でも弁当の販売を行うようになった……と、ロケットニュース24に書いてあった。

当時、無印の日替わり弁当(鯵弁当)を食べた記者によれば「Cafe & Meal MUJIのコンセプトをそのまま詰め込んだような身体思いのお弁当」とのことだが、全7種類とも同じなのだろうか? 中には「無印らしからぬ、超ハードパンチャー弁当」が紛れている可能性もあるハズだ。

・ほぼ毎日無印の日替わり弁当

そこで全7種類を丸々7日間かけて購入し、実際のところを確かめてみることにした。なお、価格はどれも1つ750円である。


・大きな鮭弁当

初日に当たった「大きな鮭弁当」だが、ハッキリ言ってやや不安になった。塩麹に漬け込み蒸し焼きにした塩鮭自体は美味しいのだが、あまりにも地味すぎるのでは……? というか、おじいちゃんの弁当かよ……!

ひじき・いんげん・たまご焼きも悪くないし、たまにはこっち系のシンプルな弁当もいいだろう。だがしかし、まだまだ食べ盛りを自負している私(P.K.サンジュン)は「普通に足りない」「カップラを足してギリ」と感じてしまった。


・鯵(あじ)弁当

ほぐしたアジと、甘酢あんのアジの “Wアジ” で攻めてきた弁当。ボリューム自体はさほど変わらないが、鮭頼みが強すぎた鮭弁当よりは遥かに箸が進んだ。しつこいようだが、鮭オンリーはキツイ。

で、どちらのアジも味わい深く、脇役に徹するきんぴらもイイ仕事をしている。そして何より しいたけの煮物がウマい! やがて「しいたけの煮物」は、翌日以降から主役級の存在感を放つようになる。


・牛すき飯

無印の日替わり弁当は全般的に刺激に欠ける。だからこそ心待ちにしていたのが「牛すき飯」だ。さすがにこれはガッツリ系でしょ……? 肉一切れでご飯がススムくんなんでしょ……?

……と思いきや、牛すきも極めて薄味で、よく言えば「素材の味わいを活かした味付け」であった。それでも牛すき飯には「しいたけの煮物」が入っていたからオールOK! 牛肉よりも大切に扱われるしいたけ──。マジでかなりレベルが高い。


・鶏めし

しいたけこそ入っていなかったものの、個人的には1、2を争うほど満足度が高かったのが「鶏めし」だ。メインの鶏の照り焼きよりは「鶏肉・たまご・ほうれん草」の3色そぼろが気に入ったからである。

どれも優しい味わいではあるものの、全般的に味が薄い無印の日替わり弁当の中で「3色そぼろ」は比較的しっかりと味が付いていた。それだけで良き。


・深川めし

生姜醤油で煮付けたあさりと、煮穴子がのった深川めし。ご飯もあさりの煮汁で炊いているとのことだが、いかんせん味付けが優しすぎる。いや、美味しいんだけどさ……。

ただし、煮穴子でそれなりにご飯が進むため、全般的な評価は悪くない。また、こちらも「しいたけの煮物」が入っていたため満足度は高くなった。もういっそのこと、しいたけ弁当を売ればいいのに。


・照焼き鶏の釜めし風

おかずとご飯を分離せず、1つの弁当として一気に食べるという意味で「照焼き鶏の釜めし風」はもっとも満足度が高かった。それでもボリュームに欠けることは否めないが、個人的には今回最も気に入った弁当だ。

特にいい仕事をしていたのが「ごぼう」で、それなりにしっかり味がついているためご飯がススムくん! 王者「しいたけの煮物」も控えており、ボリューム以外にはこれと言った欠点が見当たらなかった。


・豚肉西京焼き弁当

ご飯が進む系のおかずとして「豚肉の西京焼き」はなかなかいい仕事をしていたのではないだろうか? 全般的には優しい味わいであるが、炒めた玉ねぎと合わせて食べればご飯も進む。

とはいえ、巡り合わせとはいえ最終日に「しいたけの煮物」が入っていなかったのは残念至極。しいたけがあるか無いかで、満足度はかなり違った。そもそも、そんなにしいたけが好きってワケでもないんだけど。


・あえて言おう、万人受けする弁当ではないと

総合すると、無印の日替わり弁当はとにかく味付けが優しい。前述の「身体思いのお弁当」とはその通りなのだろう。だがしかし、圧倒的にボリュームに欠けるうえ全般的に薄味なので、特に男性ウケがいいかは疑問だ。

ぶっちゃけた話、750円という価格を考えれば「他の弁当の方がイイ」という方は多いハズ。特に腹を満たしたい昼時にはあまり向いていないのではないだろうか? カップラを1つ追加してようやくトントンであろう。

一方で、女性や「最近あんまり食べられないんだよなぁ」という方などにはイイお弁当ではなかろうか? しいたけに代表されるよう、上質なおかずを適量食べたい方は、1度無印の日替わり弁当をオススメしたい。

また、驚くべきことに無印の日替わり弁当には1つも揚げ物が入っていなかった。そういう意味では無印のコンセプトや思想を体現した弁当なのだろう。個人的には物足りなかったが、こういう弁当があってもいい。

というわけで、無印の日替わり弁当で覚えておくべきことは3つ。「かなり優しい味付け」「ボリューミーではない」そして「しいたけの煮物がウマい」である。迷ったらとりあえず「しいたけが入ってるかどうか?」で決めてもいい……かもしれない。

参考リンク:無印良品公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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