綺麗な宝石は好きだろうか。キラキラしていたり、素敵な色をしていたり、希少だったりする宝石たち。身につけて楽しんだり、惚れ惚れと眺め癒されている方もいるだろう。なんと、そんな宝石たちを飲食できるカフェがあるらしい。歯が欠けたりしないのか?

気になって行ってみたところ、結論から言うと歯が欠けることはなかった。そして残念ながら、宝石が食べられるわけでもなかった。だが、宝石(?)たちはもちろん、それ以外のメニューも最高だったのでご紹介したい。

・14色の宝石(?)たち

気になるカフェは、表参道エリアにある『Cafe de Lapis(カフェドラピス)』。ヒルズなどがある表参道そのものからは少し離れた、静かな住宅街の中にあるカフェだ。

原宿・表参道エリアはお店がたくさんあるため、買い物中に偶然通りがかって気になるお店に入る、ということも多いと思う。だが、『Cafe de Lapis』はお店が密集しているエリアからも少し離れており、「買い物中に偶然通りかかる」ことも難しそう。ガチで隠れ家的。

なぜそんな隠れ家的カフェを知ることができたのかというと、このカフェでは誕生石をイメージした色とりどりの「琥珀糖(こはくとう:寒天と糖でできたお菓子)」を楽しむことができ、自分の誕生石や推し色を選んでケーキなどにのせられる、とSNSで話題になっていたのだ。クチコミの力は凄い。

「琥珀糖」をのせられるメニューはケーキ(税込700円)とサイダー(税込500円)、それと1日限定20個のプリン。これらのオーダー時には、全14色の琥珀糖の中から2色まで混ぜてのせてもらうことが可能だ。筆者は推し色かつ誕生石であるアメジスト1色でオーダーした。

ワクワクしながら待っていると、琥珀糖メニューたちが来た。紫色のメニューはどうしてもベリー系のソースなどを使っていることが多いため、紅色っぽくなりやすい。しかしこの琥珀糖は、わりと綺麗な紫色でやってきた。それだけでもう、すでに嬉しい。

特にプリンは琥珀糖たちはもちろん、真ん中に乗っているラウンドカット風のゼリーも宝石感を出していて綺麗だ。おまけに一口食べてみると、琥珀糖の甘さと、控えめながらコクのあるクリームチーズのプリンが、噛むたびにマッチしていってめちゃくちゃ美味しい。

ソーダはというと、味としては特別変わったところのない、ほんのり甘いソーダ水だ。しかし、見た目がとにかく美しい。特に琥珀糖がソーダ水に浸かっていたせいで表面に白っぽくついていた糖分の結晶が溶けており、研磨した宝石のようになっていて最高だった。

対してケーキは個体差だと思うが、琥珀糖表面の糖分の結晶が結構目立っており、宝石っぽさは一番少なかった。細かく砕かれている琥珀糖が多い場合、表面の糖分が粉っぽく見えやすくなってしまうのだと思う。だが、色はやっぱりとても綺麗。そして何より、とにかくケーキそのものの味が美味しい。

ギリギリしつこさを感じない、絶妙な甘さと深いコクのあるチーズケーキだ。琥珀糖の甘みはケーキの風味に飲み込まれてしまっているものの、なめらかで濃厚なチーズケーキに、少し弾力のある琥珀糖が食感のアクセントを加えていた。食べていて飽きが来ないのは食感のせいかもしれない。

実は筆者、このとき琥珀糖を初めて食べたのだが、食べるまでは見た目のインパクトがある分、味ももっと甘くてガツンとくるようなものかと思っていた。視覚的には主役級ながら味では主張せず、むしろサポート役にまわっている気すらする琥珀糖たちに、愛らしい奥ゆかしさを感じた。


・最高の「カフェごはん」

こちらのカフェには琥珀糖たちを目当てに行ったため、他のものを注文する予定はなかったのだが、空腹に任せて「豚の角煮丼(税込1200円)」も注文した。スイーツが人気のカフェで食べる「カフェごはん」は量控えめ、ヘルシー志向で味付けも物足りないイメージがあったのだが……

ここの「豚の角煮丼」はしっかりボリューム感がある! しかも味付けが、よくある甘じょっぱいだけの豚角煮とも、八角がガツンと効いた中華風の味付けとも違う。ほんのり甘みを感じる醤油ベースの風味の中に、角煮のとろっとした脂に飽きさせないような、独特の爽やかな風味が感じられた。正直、今まで感じたことのない風味の豚角煮だ。

とにかく美味しく、写真を撮るのも忘れて夢中で食べ切ってしまった。

色の綺麗な琥珀糖を楽しめただけでなく、1つ1つのメニューがしっかりと美味しかった。琥珀糖がのっていたスイーツたちはもちろん、ボリューミーな豚の角煮丼まで楽しめたのが嬉しい。

琥珀糖や誕生石カラー、推し色に興味のある方だけでなく、筆者としては豚角煮好きにも是非オススメしたいカフェだった。

・今回訪問した店舗の情報

店名 『Cafe de Lapis(カフェドラピス)』
住所 東京都渋谷区神宮前3−5−21
営業時間 11:00〜18:30(日曜日は18時まで)

執筆:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

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