こう言ってしまっては身もフタもないが、その気になれば映画作品なんぞ いくらでもツッコめる。実話を基にした作品ならともかく、映画とはそれ自体がファンタジー。いちいちツッコむ方が野暮というものだ。だがしかし……。

2021年10月22日に公開される映画『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』は、それでもツッコまずにはいられない珍しい作品だ。というか「むしろツッコミ待ちなのでは?」とさえ感じるほど、無防備にもほどが程がある内容となっている。

・G.I.ジョーとは

まずはご存じの無い方のために、ざっと「G.I.ジョー」の説明をしておこう。そもそも「G.I.ジョー」とはアメリカ発祥のおもちゃで、イメージ的には「男子用のバービー人形」といえばわかりやすいかもしれない。

「G.I.ジョー」のフィギュアは世界中に多くのマニアがいることで有名であり、いまだに専門店では高値で取り引きされている。過去には何度かアニメ化や映画化が実現していて、中でも有名なのは2009年と2013年に公開された「G.I.ジョー」だろう。

・リブート作品

同作には「イ・ビョンホン」やロック様こと「ドウェイン・ジョンソン」が出演し、日本でもそれなりにヒットを収めている。そしておよそ8年ぶりとなる「G.I.ジョー」最新映画が『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』だ。

本作は「G.I.ジョー」屈指の人気キャラクター「スネークアイズ」を主人公に据えた作品で、前作との関連性は無いリブート作品。また物語の舞台は日本となっており、多くの日本人俳優が出演 & 日本でのロケも敢行している。


で、で、で。


一足先に同作を鑑賞してきた私、P.K.サンジュン的に『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』は、アクション映画としては普通におもしろい。さすがビッグタイトル、さすがハリウッド。あまり深いことを考えずに楽しめる作品だ。

・何からツッコむべきなのか?

……が、一方で「日本が舞台ゆえ」のツッコミどころが超満載! ネタバレになってしまうので多くは語れないが、かつての欧米人が日本人に抱いていたであろう古典的なイメージ「ニンジャ・ゲイシャ・フジヤマ」の世界が広がっている……というか、広がりまくっている。

例えば、城を警備しているのは普通に忍者だし、映画だから仕方ないとはいえ日本人同士の会話もなぜか英語が多い。おそらく日本人が観たら総ツッコミ回数は200回をゆうに超えるハズだ。

さらに言うと、ストーリー的にもツッコミどころが多い。なんなら「G.I.ジョー」はほぼ関係ないし、話の流れ的にも「なんでやねん!」となる人が多いのではないだろうか? 少なくとも「細かいことを気にしたら負け」であることは間違いない。

・ツッコミありき

逆にこれだけツッコミどころが多いとなると、本作はツッコミ込みで楽しむ作品なのだろう。思えば「漆黒のスネークアイズ」というタイトルが、やたらと劇場版コナンっぽいことからツッコミが可能だ。

アクション自体は大迫力なので劇場でご覧になるも良し、また「どうしようかな~?」と迷っている人はいずれ配信サービスなどでご覧になってもいいかもしれない。最近では日本が舞台のハリウッド作品も希少だ。

というわけで『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』はとにかくツッコミどころが多い作品なので、逆にツッコミの態勢を整えてからご覧になるといいのではないだろうか? 『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』は2021年10月22日公開だ。

参考リンク:G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:©2021 Paramount Pictures. Hasbro, G.I. Joe and all related characters are trademarks of Hasbro. © 2021 Hasbro. All Rights Reserved.

▼予告編はこちら。

▼キャッチコピーの「未曾有の忍者テロ」って時点でツッコミが発生します。