世界累計販売食数が500億超えの『カップヌードル』(日清食品)シリーズには、実はヨーロッパ限定で「そば」が存在していることをご存知だろうか?

日本で「日清のそば」と言えば『どん兵衛』か、あるいは焼きそばの『UFO』が一般的だ。しかし欧州ではあくまでも “カップヌードルの派生” という扱いらしい。今日は私が現地スーパーを巡って集めた計6種類の『カップヌードルそば』を、超日本人的な視点で食べ比べてみたい。

・ヨーロッパ人は焼きそばがお好き

『カップヌードルそば』の中身はソースの袋だけが入ったシンプルなもの。

この日の購入価格は各1.45ユーロ(約188円)。

ヨーロッパ人はかなりの焼きそば好きとみえ、スーパーへ行けば現地メーカーが発売する焼きそばも多く売られている。ただしカップ麺の市場規模はアジアほど巨大ではないようだ。

日本のカップ焼きそばは「筒状のカップ」ではなく「平たい容器」で販売されるのが一般的。だがヨーロッパのカップ焼きそばは、ラーメンと同じ「筒状のカップ」に入っている。個人的な予想ではあるが、おそらく売り場面積の狭さも関係しているのではなかろうか。

カップには一応、部分的にカバーが付いているのだが……それでも湯を入れるとメッチャ熱い。

おまけに簡単にフタが外れてしまうので、ある程度は熱さを我慢し、フタを押さえつつ湯切りする必要がある。日本のカップ焼きそばって、あれでなかなか考え抜かれた形状だったんだなァ……。


・①『クラシック』



さて、まずは一番スタンダードっぽい『クラシック』から攻めるしかないだろう。なお以前執筆した『ヨーロッパのカップヌードル食べ比べてみた』同様、個人的な好みで6種類それぞれに10点満点で点数をつけさせていただくこととする。

かやくは『UFO』でもおなじみのキャベツと……豆腐!?

ソースは粘り気のある漆黒。

なかなかウマイ!! 


日本でよくあるカップ焼きそばの「特濃バージョン」といった感じで、日本人なら何の抵抗もなく食べられるだろう。ただ1つ気になるのはソースがけっこう甘いこと。そして少しスパイシー。ちなみに豆腐かと思ったものは角切りのチキン(白い謎肉)でした。


『クラシック』……7点


・②『北京烤鸭(ペキンダック)』


『クラシック』が普通の焼きそばだったことに安堵した私は、最もヤバそうなヤツを早めに終わらせておくことにした。もちろん『北京烤鸭(ペキンダック)』である。

北京ダックだけあって鶏肉とおぼしき白い謎肉が。そもそも北京ダックは鶏の皮を食するものであるが、まぁ細かいことを言うのはよそう。

匂いの時点ですでに強烈な中華を感じる……

……これはアカン。


まさに『カップヌードル中国』。それもバリバリの本格派だ。言われてみれば「北京ダックのタレ」の味に近い気もしなくないが、我々はあのタレが食べたくて北京ダックを注文するわけではない。北京ダックのタレの味が欧米の人々に伝わるとも思えぬ。一体これは何味なのか? たぶん中国人にしか分からないだろう。


『北京ダック』……2点


・③『焼き鳥』


意外とおいしそうな予感のする『焼き鳥』でお口直しを図りたい。

こちらにはキューブ状の白い謎肉が。

焼き鳥感がスゴイ!!!!


すご〜く日本の焼き鳥(のタレ)の味と近いが、同時にタイっぽくもある。いつかタイの屋台で食べた焼き鳥の味だ。どちらに転んでも完全に焼き鳥。こちらの謎肉はこれまでよりも硬く、野菜もシャキシャキとしている。同じ焼きそばでもそれぞれに個性があって素晴らしい〜!


『焼き鳥』……6点


・④『照り焼き』


『焼き鳥』との差別化が難しそうな『照り焼き』をあえて連続で。

肉はないけどシイタケが見える。

おぉっ! これは……焼き鳥とは全然違う!


ツーンと強烈なショウガの風味! まるで豚の生姜焼きのよう! おいしい! 個人的にはかなり好みだ! ただし「照り焼きか?」と言われると正直よく分からないぞ!


『照り焼き』……7点


・⑤『すき焼き』


これまた差別化が難しそうな『すき焼き』にあえて連続トライ。

日本では滅多にお目にかかれない「牛の謎肉」がゴロリと転がっている。

よく見たら白菜も入ってる〜〜〜! 芸が細か〜い! 


先ほどの照り焼き同様「すき焼きか?」と言われると不明なのだが、かなりしっかり「ビーフ味」を感じられることは確か。『焼き鳥』『照り焼き』『すき焼き』といった同じ調味料で作る料理に、これほど明確な味の違いがあったとは。そしてヨーロッパで気づくとは。


『すき焼き』……5点


・⑥『チリ』


最後は少し嫌な予感もする『チリ』。

この赤いヤツが全部ハバネロだったら大変な騒ぎだが、果たして辛さのほどは……

辛っ! うま辛っ!!


クラシックのベースを残しつつ、とてもいい感じに辛い。例えるなら『辛ラーメン』くらいの辛さであり、舌に残る程度には辛いが、完全に「おいしい」に寄っている。個人的にはペヤングの激辛より100倍くらい好み! 辛いものが入手しづらい欧米において貴重な存在と言えるだろう。


『チリ』……8点


・カップ焼きそばの可能性

今回の超個人的採点をまとめると下記のようになった。

『チリ』8点
『クラシック』7点
『焼き鳥』7点
『照り焼き』6点
『すき焼き』5点
『北京ダック』2点

ちなみにヨーロッパ諸国では同じ味の袋麺タイプも売られている。袋麺ってことは『カップヌードル』にならないワケだが、まぁ細かいことは言いっこナシだ。ちょっと不思議なヨーロッパのインスタント焼きそば、日本人なら一度は食べてみるしかない。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.