今月も順当に開催中の、各回転寿司チェーンの期間限定フェア。くら寿司では「超とろづくしフェア」、スシローでは「世界のうまいもん祭」、そして はま寿司では「中とろ祭」がそれぞれ開催中だ。
そして、やはり各社ともに投入してきたのが期間限定のヌードル系メニュー。あくまでサブ的な立ち位置ではあるが、時には驚くほどウマい新作が登場することがあるため油断ならない。ということで、今回は3社が販売中の期間限定ヌードルを食べ比べてみたぞ!
・くら寿司
トップバッターは、通称の五十音順で くら寿司だ。開催中の「超とろづくしフェア」で出しているヌードルは「冷やし担々麺(税込み430円)」。三つ葉有りと無しを選らべるが、今回は有りをオーダー。
出てきたのがこちら。よく冷えた赤い担々麺と、別皿に卵がついてくる。
擦り胡麻だろうか? ライトブラウンな粉状のモノがかかっていてぱっと見よくわからないが、混ぜるとしっかり肉味噌が乗っていることがわかる。
麺は太めだ。
付属の卵は半熟卵。乗せたらこんな感じ。
食べてみると、思ったより辛くないというのが第一印象。むしろ甘い。ビジュアルだと真っ赤だったので辛いのではと思っていたが、全くそんなことは無かった。ちょっと喉にピリッと来る程度。
誰でも食べやすいとも言えるが、ここは評価が分かれそう。辛さを求めている人からすれば、物足りないとマイナス評価がつくだろう。逆に、辛いのが苦手な人からすれば、食べやすいとプラスの評価になると思われる。
肉味噌と三つ葉の他に特に具らしい具は無いが、まあ値段的にも妥当か。半熟卵が丸々1個はちょっと嬉しい気がする。味そのものは普通に美味しいが、しかしずば抜けて美味しいというほどのものでもない。
個人的に担々麺としては甘さが強すぎると感じたので、付属の山椒がもっと欲しかった。食べても「不味い!」となる人はほとんど出ないであろう超万人向けな味付けだが、逆に「美味い!」という感動もあまり無い気がする。
担々麺はどちらかというと辛い食べ物で、しかもこの辛そうな真っ赤なビジュアル。辛いのが苦手な人は積極的にオーダーしないのではないか……と思うが、どうなのだろう。
本格的な辛さに仕上げた方が需要にマッチする気がする。SNS等でも「ガチに辛い」の方がウケる気がするし。5段階評価なら3くらい。
・スシロー
続いてはスシローだ。「世界のうまいもん祭」で販売中なのは、「本格四川火鍋ラーメン(税込み385円)」。フェア自体について扱ったこちらの記事にて簡単に触れられているものだ。ぶっちゃけ微妙な評価となっている。
そして現物がこちら。本記事ではもう少し細かく見ていこう。
トッピングは、ビジュアル的に目立ちまくっている朝天唐辛子と思しき4個の赤い実の他に、アサリと……
海老のワンタン。
そして太めの麺。どことなく くら寿司 の担々麺の麺に似ていなくもない。ツルツルしている。
筆者も食べてみたところ、しっかり辛い。一般的に「火鍋」と聞いて覚悟、あるいは期待する辛さは達成しているのではないだろうか。朝天唐辛子をかじるともっと辛い。ぱっと見だとナツメに似ている感もあるので、普通の人は間違えてかじらないよう気を付けて欲しい。激辛好きな人は好きなだけかじると良いだろう。
辛さの向こうにそれなりに海鮮系の出汁を感じることができるが、そこがもっと濃厚だったら評価は違っていたと思う。出汁のうま味が、辛さに対して少し薄い気がする。とはいえ、ちゃんと美味しいと言える仕上がりだ。
スシローには恒常で「コク旨マグロ醤油ラーメン」があるが、こちらの方が完成度は高いと思う。それでも、「辛いのが食いてぇ!」的な需要には応えられると思うので、5段階評価だと3.5くらい。
・はま寿司
最後は はま寿司 だ。開催中の「中とろ祭」に持ち出してきたのは、過去にも販売されたことのある「横浜家系ラーメン(税込み418円)」。
現物はこんな感じ。トッピングは、見えているものが全てだ。玉子、海苔、ほうれん草、そしてチャーシュー。
麺はやや太めでツルツルしており、それなりにコシがある。
食べて真っ先に来るのは、醤油の強さだ。横浜家系ラーメンは豚骨醤油ラーメンの1ジャンルだと思うが、個人的にはもう少し豚骨感も強めて欲しかった。醤油の存在感が圧倒的で、少ししょっぱい。
とはいえ、このしょっぱさが横浜家系だという人もいるとは思う。トッピングについては、玉子と海苔以外はほぼ飾りのようなもの。チャーシューはお馴染みのペラッペラなヤツだ。
はま寿司 のラーメンは、このチャーシューをグレードアップするだけで、それなりに評価が上がると思うのだが、きっとコスト的にこんなものなのだろう。
「近所に家系ラーメンの店が無いから はま寿司 で食おう!」みたいな人の期待には応えられないと思う。しかし、回転寿司屋がサブで出してくる横浜家系ラーメンだという前提で見れば、よくできていると言っても良いのではないだろうか。5段階評価だと3.5くらい。
・ちゃんと美味い
ということで、今回はスシローと はま寿司 が大体同じくらいのクオリティじゃないかと感じた。くら寿司は、辛いのが苦手ながらも担々麺の味は好き……みたいな方の味覚なら、甘くて食べやすいということで、もっと高評価になると思う。
筆者はどちらかというと辛いのが苦手だ。しかし担々麺の味には、甘さを期待する人の数よりも、辛さを期待する人の数の方が多いのではないかと感じたため、そこは評価しないことにしたのだ。よって、マズいというわけではない。
毎度のことながら、専門外のヌードル系メニューを一定以上のクオリティに仕上げてくるのは流石である。しかし、やはりいつかはラーメン専門店と同等か、あるいはぶっちぎるようなミラクルを前にして感動したい。今後も回転寿司チェーンの麺類には注目し続けようと思う。
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼なんとなく頭の中で設定している基準だと、5段階中5をつけるのは例えば塩ラーメンなら池袋の桑ばら、担々麺なら大塚の鳴龍、二郎系なら二郎、旭川ラーメンなら埼玉県富士見市の三四郎あたりと張り合える味……みたいな、関東のそれぞれの系統で安定した人気店を上限に据えている感じ。ザックリいうと「池袋で美味いと評判のラーメン屋」と同じくらいで5段階中5。