「精神的なこと、これも技術のうち。自分で高めること、自分でやる気になること、これも技術のうち」
格闘技界の伝説・タイガーマスク(佐山聡)のお言葉である。名言すぎて引用するのも気が引けるが、本記事のテーマはタイガーマスクの言う “精神的なこと” 。つまり、モチベーションだ。
それも、ダイエットのモチベーションについて考察していきたい。個人的には、体重を減らす上でもっとも大事なことかと思う。なんなら、こう言ってもいいだろう。ダイエットはモチベーションが9割、だと。
・悩ましいモチベーション維持
世の中に、ダイエットの小技に関する情報はめちゃくちゃ多い。たとえば、「〇〇を食ったら痩せる」とか、「このサプリを飲んだら体脂肪が減る」……などなど。役立ちそうなものから怪しいものまで、様々な “小技テク” が溢れている。
しかしながら、モチベーション関連の情報となると意外と少ないのだ。あるにはあるものの、「痩せてた頃に愛用していたジーパンが入るのをイメージして頑張ろう」みたいな感じで、少なくとも私にはピンと来なかった。
それだけ、昔の私がダイエットのモチベーション維持に悩んでいたということであり、「ダイエット モチベーション」でググりまくってたってことなのだが……。
今からおよそ1年前、ふとしたきっかけでコツをつかみ、以前にお伝えした通り20kg以上の減量に成功した。それを踏まえ、昔の自分が知りたかったモチベーション維持方法をまとめてみたのが本記事である。
よって、以下に紹介する方法は私の経験がもとになっているぶん、それだけ主観的でもある。中には合わない人もいるだろう。また、ガチで考察しているだけに、ヒジョーに真面目な内容になっている。その点もご了承いただきたい。
・もっとも大事な1つの鉄則と5つのテク
さて、私が思うにダイエットのモチベーションを健全に維持するためには、1つの鉄則がある。それが何よりも大事。むしろ、タイトルにある “5つの方法” なんて、鉄則に比べたら大したことではない。
というわけで、まずはその大事な鉄則から発表したい。何かというと……
生活習慣を変えることをゴールにする
──ってことだ。裏を返せば、「体重を減らすことをゴールにしない」ってことであり、より具体的に言うならば……
食にしろ運動にしろ「これなら続けられる」ってものを見つけて変わることを目指す
──となる。まぁ、スポーツの試合に出場するため減量するような人は例外とはいえ、太っているから痩せたいと願う多くのダイエッターには当てはまる鉄則ではなかろうか。
理由は言うまでもないだろう。これまでの生活があったから今の体型になったわけで、根本的に変えるには生活を変えるしかない。
確かに、生活を変えずとも一時的な我慢で体型は変えられる。めちゃくちゃ我慢すれば劇的にだって変えられる。しかし、生活自体が変わらなければ近いうちに戻ってしまうのは自明の理。
逆に生活習慣がいい方向に変われば、成果はおのずと数字に表れてくるもの。よって繰り返すが、生活習慣を変えることがゴールである。もしも大きく変えられないなら、小さなことからコツコツ変えていくしかない。では、そのために何をするのか?
方法はいくらでもあるだろうが、何をやるにしろモチベーションが成功の鍵を握っている。もし今モチベーションがゼロなら何とか生み出さなくてはいけないし、少しでも火がついているなら消えないようにしなくてはいけない。
そのために役立つと私が考えているのは、以下の5つ。前置きが長くなったが、紹介していこう。
その1:今までのダイエット失敗を失敗だと思わないこと
ダイエットでもっとも厄介な状態の1つは、失敗が重なって心が折れてしまうこと。「何やってもダメだし、次も上手く行かないんだろうなぁ」的な感じである。私を含め多くの人が経験しているだろうが、よくよく考えればこれはおかしい。
先にも述べたように、ゴールは生活習慣を変えることだ。変えようとしたが上手く行かなかったってことは、 実践したダイエットは続けられないとカラダで理解したってことなのだから、収穫以外の何ものでもない。
迷路で言うならば “行き止まり” に当たったようなものである。残念な気持ちになるのは分かるが、「その道は進めない」と判明したのだから、引き返して別のルートで行けばいい。
それだけのことなので、落ち込む必要は一切ない。むしろ、一度も “行き止まり” にぶち当たることなくスーっとゴールに到達できると思っているのだとしたら、そっちの方が思い上がりである。
その2:毎日体重計に乗る
ダイエッターの中には、「体重が増えてたらショックだから体重計に乗りたくない」って人が一定数いる。しかしながら、私はその時点で上の鉄則を忘れているような気がしてならない。
何度も言うが、生活習慣を変えることが大事なのであり、体重を減らすことがゴールではない。もっと言うならば、その日1日の体重が思ったより増えていようが減っていようが、長期的に見ればどうでもいいことだ。
しかし一方で、体重計の数字もまた1つの真実である。なんだか矛盾しているように感じるかもしれないが、その2つを同時に飲み込むことが「現実を認識するが気にしすぎない」という心理状態を作り出すような気がする。
また何より、体重の減少が数字に表れるとモチベーションが一気に上がることも見逃せない。
その3:ダイエットに良さそうで なおかつ美味しそうなものをひとまず食ってみる
ダイエットというと「食べたいものを我慢しなきゃ」的なイメージを抱いている人が多いだろうが、まったく逆だ。私にとってダイエットとは「美味くて太りにくいものを探しまくるグルメツアー」である。
「楽観的すぎるだろ」という声が聞こえてくるようだが、これもまた真実である。なぜなら、美味くなければ「今後も続けて食べよう」とはならないし、続かなければ生活習慣は変わらないのだから。
よって、ダイエットに良さそうで、なおかつ自分の好みに合いそうなものを見つけたら片っ端から食べてみよう。「コレ、カロリー低いのにめっちゃ美味い!」となるものが見つかったら、食生活が変わるための大きな原動力となるはず。
その4:(日常生活で運動していない人は)興味のあるスポーツをひとまず体験してみる
運動をするメリットは消費カロリーが増えるだけではない。もっともデカいのは、筋肉量の増加にともなって代謝がいい感じになること……と言いたいところだが、実はもっと大きなメリットがある。何かというと、単純に気分がアガることだ。
は? そんなこと? って感じかもしれないが、運動によって生まれる気持ちよさは無視できない。加えて、「オレ今めっちゃ健康に良いことしてるやん!」という意識は一種の麻薬であり、生活習慣を変えるだけのパワーがある。
ただ当然ながら継続が重要だから、自分が興味のある運動を選ぶこと。よって、先の “その3” と同様、「ダイエット=ハマる運動を見つけるアクティビティ体験」くらい考えることがオススメだ。
その5:好きなスポーツの情報を発信しているSNSやYouTubeチャンネルをフォローしまくる
自分が続けられそうな運動・スポーツが見つかったとしても、「飽きる」ってことはよくある。誰にでも起こりうることだが、そのジャンルの “すごい人” のプレイを見ることでモチベーションはかなり持続するような気がする。
そのために、SNSやYouTubeを利用しない手はない。“すごいプレイ” が自然と目に入るようにしておけば、モチベーションは上がりやすくなるはずだ。
やがて、自分のタイムラインに「そのスポーツをやってる人しか分からないマニアックな映像」がガンガン流れてくるようになったら、あなたはすっかりハマっている。
この時点で、生活習慣は変わったも同然。よほど暴飲暴食をしない限り、体重や体脂肪などの数字も遅かれ早かれついてくる……と言いたいところだが! 実は私、なかなか体重が減らなかった。
原因は、自分では節制しているつもりでも食べすぎだったのだ。カロリー計算アプリ(あすけん)を利用することで気が付いたから、同じ状態になった人はご参考に!
──以上。私が実践した方法はこんなところである。自分が知っている全てを余すところなく公開したが……ここまで読んで以下のように思っている人だっているに違いない。
「ちょっとくらい健康に良さそうなものを食ったり多少の運動をしたくらいで、ダイエットなんか成功するかよ!」
そのとおりだ。少しやるだけでは何も変わらない。ただ、私が思うにモチベーションは軽く刺激することでドバドバ出る。
瓶の底をコンコンと軽く叩くからこそドバドバ出ると言おうか。中には最初からドバドバ出る人だっているだろうが、コンコンしなければ永遠にドバドバ出ない人だっているに違いない。
今回紹介したのは主にコンコンする方法。ボクシングで言えばジャブである。上の5つの方法でいうならば、「その3」と「その4」がまさにジャブ。
「その1」は心が折れないためのガードテクで、「その2」は攻撃でも防御でも大事なフットワーク。「その5」はジャブが当たったあとに入れるストレート……みたいなものである。
顎を引いてディフェンスしながら足を動かし、ジャブをパパーンと入れてからストレートをバシーン。ダイエットなんてこれで余裕。
──なんだか森脇健児さんの道案内みたいになってしまったが、個人的には効果があると思っている。というか、私は上の方法しか知らない。ダイエットのモチベーションに悩んでいる人は試してみてくれ。
・上の5つでもモチベーションが生まれないときは
そしてもし、やってみたけどモチベーションがダウンしたまま立ち上がる気配がない……ってときは、冒頭で引用したお言葉を動画などで直接確認するのがいいかと思う。
よって、上の5つでダメなら「佐山聡 合宿」でググってみてはいかがだろうか。名言のあとの展開が衝撃的なのだが、その分気合が入ること請け合いだ。
参考リンク:Google「佐山聡 合宿」 「森脇健児 道案内」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:HealthPlanet、あすけん(iOS)