九州・福岡を代表するターミナル駅「博多駅」には……意外と知られていない秘密がある。隠れキャラ「金のカエル」と比べるとインパクトに欠けるかもしれないが、地味に衝撃を受ける仕掛けが駅構内に施されているのだ。しかもけっこう大胆に。

ヒントというか答えは「駅構内の床」にある。おそらく当たり前のように博多駅を利用している方は、その違和感に気がつかないだろう。実は駅構内に、ハッキリと “境界線” があったのだ! 事実を知った上であらためてフロアを確認したところ……マジでビビったでござる。

・JR博多駅にある境界線

博多駅は西側に「博多口」、東側に「筑紫口(ちくしぐち)」があり、両出口は東西に伸びる駅コンコースでつながっている。博多口は在来線、筑紫口は新幹線乗り場に近いイメージだ。んで、博多口から新幹線乗り場方面に歩いていくと……


途中で床の色が変わっていることに気がつく。


境目に立ってみると明らかに違う。

思いっきり「白」と「黒」に分かれているのだ。そういえば、たしかに新幹線側がちょい大人な雰囲気だったような。ここまでクッキリ白黒で分かれていたとは……あらためて違いを見るとビビる。

冒頭でお伝えした境界線とはまさにコレのこと。もっとよく見ると、ある「印」の存在に気がつく。

何が書いてあるのかというと……赤と青で「JR」

つまり「JR九州」と「JR西日本」の境界ってこと。赤色がJR九州で、青色がJR西日本。床の色が白いエリアがJR九州、黒いエリアがJR西日本の管轄となるのだ。

博多駅はJR西日本の終着駅でもあるため、駅構内もキッチリ管轄が分かれているらしい。構内図を確認すると駅長室もそれぞれ別にあることがわかった。でもって「みどりの窓口」の雰囲気もそれぞれ違う。床と印の色に合わせて、JR西日本のロゴは青色。

JR九州のロゴは赤色である。なるほど、言われてみると、けっこう違いがあることがわかる。とはいえ、普段から境界を意識をしているのは駅で働く方々くらいだろう……しかし!

もしも忘れ物をした場合、忘れた(落とした)場所によって連絡する場所が違うので要注意。JR九州によると「新幹線での忘れ物はJR西日本お客様センターへお尋ねください」とのこと。なるほどね〜、一応覚えておこう。


・福岡行き

最後にちょっと脱線で……福岡市内には西鉄福岡(天神)駅があるが、福岡駅は富山県高岡市福岡町にある。こちら現在は「あいの風とやま鉄道」の運営だが、JR西日本による運営だった頃に、おもに外国人観光客が九州の福岡と勘違いしてやって来たこともあるらしい。

福岡に行くつもりで発券機に「福岡」と入力すると、富山県の福岡駅行きの切符が発券されたのが原因なのだとか。今はJRグループに「福岡駅」はないため、同様のトラブルが起きる心配はない。福岡市を代表するJR駅は「博多駅」なので、あらためて覚えておいてくれよな!


参考リンク:博多駅
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.