無印良品の冷や汁が、えらく美味しくて驚いたことは以前お伝えした通りだ。あまりにウマ過ぎて「これまで私が食べていたものは一体」という気持ちになってしまったほど。

これまで記者が冷や汁と思っていたものはマジで何だったのか。確かめるべく母にLINEをしてレシピを聞いてみた結果、想像とは全く異なる作り方を提示されてしまったので、この場を借りてみなさんと共有したい。まさかこんなワイルドな作り方をする食べものだったなんて……。


・作り方を聞いてみた

無印良品の冷や汁を紹介する際にも書いた通り、福岡県出身の記者にとって冷や汁は馴染み深いものだ。実家の食卓に上っていたから母にレシピを聞いたのだが、予想外の答えが返ってきた。

なんでも記者が実家で生活している間に、母が冷や汁を出したことはないらしいのだ。そこそこ口にしていた気がするが、一体どこで食べていたというのか……! 

必死に記憶をたどった結果、子どもの頃よくご馳走になっていた近所のNちゃん家という結論に至った次第。とは言えNちゃんママも、我が母もさして作り方は変わらないだろう。そこで、母にその作り方を教えてもらうことにした。

さて。母曰く、冷や汁に欠かせないものはキュウリと薬味類。特に “大葉” はマストで必要なのだそうだ。汁は炒った “いりこ” と味噌をすり鉢で練り、そのすり鉢をコンロで炙って香ばしくなったら水で溶いて完成とのこと。


「ん? どういうこと??」と思ったそこのアナタ。気持ちはわかるぞ、一カ所おかしなところがあったよな。すり鉢をコンロで炙る意味がわからない。なんなら母は「コンロで焼く」と言い方をしていたので余計に謎だ。

聞き間違いかと、しつこく確認してみたがその通りの意味合いらしい。すり鉢を逆さまにして、鉢の淵につけた味噌を火にかざすのだそうだ。それ、手が熱いし危ないじゃないかと心の中で突っ込みつつも、子は母に逆らえないのが摂理。言われた通りにやるしかない。

【材料】

いりこ:ひと握り
味噌:大さじ3~4
キュウリ:2分の1本
大葉:2~3枚
ミョウガ:1個
白米(もしくは麦):好きなだけ

【作り方】

1. いりこの頭とはらわたを取り除く。


2. いりこを炒る。


3. すり鉢に味噌をドバっと入れ、2のいりこを加えて すりこぎ で混ぜていく。


4. いりこが細かく砕けて味噌になじんだら、すり鉢の淵に味噌をつけていく。


5. コンロに火をつけ4を逆さにして炙る。


6. 焦げ目が付いたら火から離す。すり鉢に水を入れて、味噌を溶かしていく。


7. ダマがなくなるまで味噌を溶かし、冷蔵庫で冷やす。


8. 皿に米を入れて汁を注ぎ、塩もみしたキュウリと薬味を乗せて完成。


・これはこれで美味しい

はじめに言っておこう。やはり、すり鉢をコンロで炙っている最中は手が熱い……。角度を間違えると、火傷してしまう恐れがあるので気を付けてほしい。というか、コンロでなくバーナーなどで炙れば良いと思う。

ポイントは焦がし過ぎないこと、だそうだ。味噌の量は多めに入れておいて、水で薄めながら好みの濃さに調整しよう。そんなこんなでさっそく食べてみたところ、記憶よりは随分美味しい。味どうこうよりも、大人になり味覚が変化したのかもしれない。

がしかし、無印良品のほうが美味しいことは美味しい。記者の作り方がうまくないことを差し引いても、無印良品の勝ちである。無印のものはよりコクがあるし、いろいろ入っているんだなと感じられる複雑な味がする。


しかしそれもそのはずで、無印冷や汁は鯵(アジ)のほぐし身が入っているのだ。母が「宮崎出身の人から、あっちでは鯵の干物を入れると聞いた。そのほうがクセがなくて美味しいらしい」と言っていたが、そういうことなのかもしれない。

とは言え、家で食べる分にはサクッと作れるし いりこ で十分だ。多少いりこならではのクセは感じられるが、そこが美味しかったりもする。なにより材料など、スーパーで手に入るものばかりで手軽だ。


程よく塩気が効いた味噌と薬味が混じり合って、非常に夏向き。味については母レシピ、大満足! 今夏は例年に増して暑そうだしで、これは活躍しそうな気配がするな。

いやはや。母の料理は知っているようで知らないものだなと分かっただけでも、今回冷や汁を作ったことに意味があったように思う。もし自宅で冷や汁が出てきたことがあるという人は、作り手にそのレシピを確認してみるのも一興だ。併せて我が家のコンロで炙り系冷や汁レシピも参考にしてくれよな! 

執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
Screen Shot:LINE

▼我が家の冷や汁はすり鉢をコンロで炙るらしい。マジで……? 

▼無印良品には負けるが美味しかった