ここ最近、Wikipedia(ウィキペディア)が荒れている。記述内容がめちゃくちゃに荒らされているという意味ではなく、ただただ「寄付を欲する気持ち」が高ぶりすぎて荒れている

あまりにも高ぶりすぎて、ヘビメタのライブ会場のようになっていると言っても過言ではない。ヘドバン(ヘッドバンキング)するような勢いで寄付を募っていると言おうか。

まるで、Wikipediaが「お前らぁあああ! KI―――FU―――――――――!!」とシャウトしているかのようだ。

あのWikipediaが? 知の集合体とも言えるWikipediaが? それはあり得ないでしょう!? ──と思っている人は、以下を見てもらえれば納得するのではないか。

例えば、私は先ほど「ヘドバン」と書いたが、それをWikipediaで調べると……


当たり前のように寄付バナー。もちろん、Wikipedia自体が寄付で成り立っているのだから、寄付を募るのは当然のこと。Wikipediaの閲覧中に寄付バナーが出現すること自体、珍しくも何ともない。

ただ、最近(2021年7月19日時点)はその出現頻度が急激に高まっている……と思うのは私だけだろうか。そして何より、明らかに変わったのがバナーである。ここ数日PCでよく見るタイプを以前のバナーと比較してみたら……


実はサイズがちょい小さくなっている。そういえば、以前からWikipediaの寄付バナーには「デカすぎるだろ」との批判の声が少なくなかったので、控え目にする方向で変わったのかもしれない。

──なんてことを思いながら文面を読み進めようとした瞬間、私は「時代は変わっても、俺たちのスピリッツは永遠に変わらねえんだよぉおおおおお!」というWikipediaの叫びを聞いたような気がした。

というのも、金額の支払いへと進んでいくと……



「平均の寄付額は1500円です」


……なんというエゲツない注意書きだろう。なんなら、この一文にWikipediaの荒れっぷりが詰まっていると言ってもいい。なにせ、言い換えるならば……


「お前らの本気は300円なんかじゃねえだろうが! もっともっともっともっともっと! 全てを出し尽くせお前らぁぁぁあああああ!!


……というシャウトのようなもの。しかも、このバナーだけではない。最近よくPCで表示される別のバナーにも同じ注意書きがあるから、Wikipediaからしたらよほど「平均以上はくれ」ってことなのだろう。


それにしても、このような仕様になったのは一体いつからなのだろうと思って調べたら、バナー自体は「2021年の表示」とWikipediaに書いてあった。まぁ寄付の平均額自体は以前からちょいちょい出ていた可能性はあるが、頻出するようになったのはここ最近かと思われる。

なお、そのページ(寄付のお願い)にはスマホ版の寄付バナーについての記載もあり、「2020年9月から『寄付圧が以前より強い』などとして再び話題となっている」らしい。

で、実際にスマホ版の寄付バナーがどうかというと……


狂気を感じるほどに長い。平均1500円のような煽りは見つからなかったが、たしかに「圧がすごい」。


これらを考えると、寄付バナーのサイズは変わっても根本的には変わらない……いや、むしろ最近はハードさを増していると言えそうだ。

ちなみに、私は冒頭で「ヘドバンする勢いで寄付を募っている」と書いたが、実際にヘドバンをすると身体に負担を与え、影響が骨に達する例もある……ってことがWikipediaに書いてある。Wikipedia自体がそうならないことを願うばかりだ。

参考リンク:Wikipedia「寄付のお願い」 「ヘッドバンキング
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.