横浜市泉区の田畑が広がるのどかなエリアに、やたらと近未来的なオーラを放っている駅がある。相模鉄道いずみ野線の「ゆめが丘駅」だ。ホームに降り立つと、タイムトンネルで過去と未来をさまよう放浪者になってしまったかのような感覚を味わえる。スゲー。

ちなみに相鉄グループHPによると、1日平均乗降人員は26駅中最も少ない2207人。人が少ないからこそ不思議な雰囲気が際立っているのだろう……前々から気になっていたので、実際に行ってみることにした。

・ゆめが丘駅

ホームが青い鉄筋と透明ガラスで囲まれた「ゆめが丘駅」は、柱が1本もない近代的な駅である。聞くところによると、のどかな環境に調和した駅舎にするため、水の透明感や清潔感を表現したらしい。なるほど、言われてみれば「水」っぽいかもな。

水の透明感は認めるが、それ以上に未来を感じるのはチューブ状のデザインが理由だろう。独特過ぎるが故に「関東の駅百選」にも認定されているし、映像作品のロケ地としても使用されている。あいみょん『ハルノヒ』のジャケット写真にも使われたそうだ。

でもって駅ホームはもちろん、改札階へと続く階段もSF映画の舞台のようである。スペースシップが待機していそうな雰囲気。非常にかっこいい。


・地名と関係のない駅

さて、駅工事着手時点の仮称は、所在地の町名から「下飯田駅」だったという。実際、横浜市営地下鉄ブルーライン「下飯田駅」も徒歩圏内……なのだが “今後の夢を抱ける街” と願って「ゆめが丘」と名付けられたらしい。なんというか「地名と関係のない駅」って面白い。

同じく相鉄線には “明るい未来を目指す” という願いが込められた「希望ヶ丘駅」もある。

それゆえ「ゆめが丘駅〜希望ヶ丘駅」の切符は「ゆめと希望を持つ乗車券」として、お守り代わりにする受験生や就活生も多いという。ほほー、ゆめと希望を持つ切符か〜〜270円か〜〜ってことで……


買った。


「ゆめきぼ乗車券」は硬券乗車券(厚紙の切符)なので記念にしっかり保管できるのだ。縁起の良い切符を手に入れたぞ。毎年受験シーズンには絵馬やピンズもセットで販売しているから、興味のある方は大事な試験の前にゲットしておこう。

なお、2023年には駅前エリアに大型商業施設がオープンする予定なのだとか。今後リアルに近未来的な場所になる……かもしれないが、この何もない場所に突然ヤバい駅があるというギャップもたまらない。今が絶妙にレトロなんだよな〜。

よし、今後の夢を抱ける街「ゆめが丘駅」周辺が生まれ変わった頃にまた訪れよう。というわけで、未来も過去も感じられるタイムトンネル的な駅でした。


・今回ご紹介したスポットの詳細データ

名称 ゆめが丘駅
住所 神奈川県横浜市泉区下飯田町1555-9

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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