家庭用ゲーム機の誕生から約50年。一般的に初めて「広く普及した」と言えるのは任天堂の『ファミリーコンピューター』(1983年)だろう。かつて一世を風靡した家庭用ゲーム機たちは現在「レトロゲーム」と呼ばれ、当時を知らない世代にも愛好家を増やしている。

私がコロナ禍でヒマになったのをきっかけに、レトロゲームの人気ソフトについて調査・執筆し始めて1年半。メジャー10機種をひととおりプレイし終えたので、ここに一旦まとめさせて頂こうと思う。

なお「俺のセガ・マークⅢも一世を風靡したはずだ!」などと怒り心頭のオタクもいるだろうが……お前たち、まだまだ先は長い。気長に待たれよ。

・ファミコン(任天堂 / 1983年)編

さて当シリーズは秋葉原のゲームショップ『レトロげーむキャンプ』における現在の人気ソフトをランキング形式で発表し、その中から筆者が最も「やってみたい」と感じたソフトを実際にプレイする、という流れでお送りしてきた。

レトロゲームは新作ゲームと違い、その時々によって売上状況が変化する。このランキングならびに販売価格は、取材当時のものであることをご理解のうえ読み進めていただければ幸いだ。それでは第1回目「ファミコン編」のランキングは以下の通り。


1位(同率)『スーパーマリオブラザーズ1』『スーパーマリオブラザーズ3』
2位『ゼルダの伝説1』
3位『星のカービィ』
4位『METAL GEAR(メタルギア)』
5位『スウィートホーム』


5位の『スウィートホーム』にピンとくるものを感じて購入。価格は約4000円と安くないが、在庫切れになることも多いのだという。ゲームそのものの難易度というより、レトロゆえの操作感の掴めなさに苦戦した思い出。結局クリアには至らなかった。


・スーパーファミコン(任天堂 / 1990年)編


1位『スーパーマリオカート』
2位『スーパードンキーコング』
3位『スーパーマリオワールド』
4位『ゼルダの伝説〜神々のトライフォース〜』
5位『初代ストリートファイター2』


う〜ん、マリオ強し。ド・スーファミ世代の私にとっては今さら目新しいソフトもないため、逆に定番中の定番『マリカー』で編集部内対戦をしたのだ。最後はメンバー全員ムキになり、「やっぱみんなアラフォーなんだな……」と実感。


・プレイステーション(ソニー / 1994年)編


1位『メタルギア ソリッド』
2位『バイオハザード』
3位『ファイナルファンタジー7』
4位『サイレントヒル』
5位『悪魔城ドラキュラ』


発売から28年も経過していることに驚きを隠せないプレステ編は、なぜかホラー系が多数ランクイン。子供のころ震えた『バイオ2』を懐かしさのあまり再プレイした。最近も新作がリリースされたバイオだが、この頃は画質の荒さが逆にコワイ……。


・ゲームボーイ(任天堂 / 1989年)編


1位『ポケットモンスター』シリーズ
2位『ゼルダの伝説』シリーズ
3位『スーパーマリオランド
4位『テトリス』
5位『ドンキーコング』


ポケモンGOプレイヤーとして一度はやってみたかった『初代ポケモン』。白黒の画面は「マジか」ってくらい見えづらく、おまけに光が反射しまくり。とても撮影に苦労した。昔の子供の視力が低下した一因は、ゲームボーイにあるとみていいのではないか。


・メガドライブ(セガ / 1988年)編


1位『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズ
2位『ゴールデンアックス』
3位『ストリートファイター2ダッシュプラス』
4位『ベアナックル』
5位(同率)『ファンタシースター』『大魔界村』『ぷよぷよ』


本シリーズで個人的に最も印象深い記事となったのがこれ。30歳を過ぎてSEGAの魅力に気づいてしまった本件を、私は密かに「SEGAンド・インパクト」と呼んでいる。ちなみにこの事件を引き起こすトリガーとなったのは当サイトの羽鳥編集長。詳細は記事を読んでくれ。


・セガサターン(セガ / 1994年)編


1位『パンツァードラグーン』シリーズ
2位『ダイナマイト刑事(DEKA)』
3位『ガーディアンヒーローズ』
4位『NiGHTS(ナイツ)』
5位(同率)『サクラ対戦』『SHINING FORCE III(シャイニングフォース3)』『SNATCHER(スナッチャー)』『POLICENAUTS(ポリスノーツ)』『街』


この頃になると「どうすればいいか分からない時はとりあえず1位のヤツを選んでおく」という知恵がついてきた私。『パンツァードラグーン』はシューティングゲーム弱者をも夢中にさせるストーリー性を秘めた秀作だ。これが俗に言う「ニアSEGAード・インパクト」……だんだん苦しくなってきたので先を急ごう。


・ゲームボーイアドバンス(任天堂 / 2001年)編


1位『MOTHER 1+2(ワンツー)』
2位『MOTHER3』
3位『ボクらの太陽』シリーズ
4位『ファイアーエムブレム』シリーズ
5位『ロックマンエグゼ』シリーズ



据え置きゲーム機からの移植も多いアドバンス。奇しくも私は『MOTHER』シリーズを死ぬほどやり込んでいたため、アドバンス発の長寿タイトルとして知られる『逆転裁判』をプレイした。コツコツと現在は『4』まで進めているぞ。


・ニンテンドー64(任天堂 / 1996年)編


1位『大乱闘スマッシュブラザーズ』
2位『007 ゴールデンアイ』
3位『スーパーマリオ64』
4位『どうぶつの森』
5位『ゼルダの伝説』シリーズ


Switch版の新作が脅威の売れ行きを見せている『どうぶつの森』。何が正解なのかも分からぬノ〜ンビリとした世界観に「よくこれを商品化したな」という驚きを禁じ得ない。楽しいけど時間がかかるので、こればっかりは携帯型ゲームに進化して正解かな〜。


・ドリームキャスト(セガ / 1998年)編


1位『シェンムー』
2位『サクラ大戦』
3位『シーマン』
4位『ソニックアドベンチャー』
5位『ファンタシースターオンライン』


さて……ついに我が身に魂の浄化たる、本当のSEGAードインパクトを引き起こした罪深きタイトルは『シェンムー』。この頃になると私は1本のソフトを本気でやり込むようになり、執筆の速度は急激に落ちていった。もはや仕事ではなく趣味である。ちなみにドリキャスからは『シーマン』も絶賛プレイ中


・ニンテンドーゲームキューブ(任天堂 / 2001年)編


1位『カービィのエアライド』
2位『大乱闘スマッシュブラザースDX』
3位『マリオサンシャイン』
4位『ファイヤーエムブレム 蒼炎の軌跡』
5位『ゼルダの伝説 風のタクト』


発売から20年のゲームキューブはギリ「レトロ」扱い。長らくセガの沼にドップリ浸かっていた私だが、『ピクミン』を初プレイした結果「任天堂も結構イカれてんな」と知るに至った。このクオリティになると昭和生まれの私には、もはやPS5と見分けがつかない。


・大変お世話になっております

本シリーズの執筆に協力して頂いたのは秋葉原にあるゲームショップ『レトロげーむキャンプ』の皆さん。この場を借りて厚く御礼申し上げます。今後とも何卒よろしくお願い致します。

秋葉原に馴染みがなかった私も、取材で通ううちにこの街がムッチャ大好きになった。外国人観光客が多く訪れていた秋葉原はコロナの影響をモロに受け、現在も大変な苦境にある。日本の貴重な枯渇性資源であるレトロゲームを守るため、我々は一体どうすべきなのだろう?

方法はただひとつ。ATMで貯金を引き出し、電車に乗って秋葉原へ行くことだ。そうと決まればすぐに支度してくれ……今すぐに!

また今回紹介した以外にも、歴史の途中に置き去りにされた無名ハードがまだまだ多くある。当シリーズは今後もコツコツ継続していく予定なので、気長に次回作をお待ちいただければ幸いだ。


・今回ご紹介した店舗の詳細データ

店名 レトロげーむキャンプ秋葉原店
住所 東京都千代田区外神田3-14-7 新末広ビルC
時間 11:00〜20:00(変更になる場合があるので詳しくはお店のTwitterをご参照ください)
定休日 無休


執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.