岩手県と言ったら何を思い浮かべるだろう。普通はわんこそばや南部鉄器などが挙げられるだろうが、熱心なポケモントレーナーなら「イシツブテ」が候補に挙がるのではないだろうか。

実は全国いくつかの地域に、「推しポケモン」というものが存在する。「ポケモンローカルActs」というのだが、その推しポケモンにPR活動をしてもらうことで、地域とポケモン、両方のファンを増やしていこうというプロジェクトだ。2021年6月15日時点では7道県にそれぞれポケモンがあてがわれているのだが、岩手県の推しポケモンが上述の「イシツブテ」なのだ。

それもそうだろう。なんたって岩に手が生えちゃってるからな。タイプも「いわ」タイプだし、イシツブテはまさに岩手県を応援するポケモンとしてうってつけということだ。でも、手はあっても足がないから、着ぐるみの足が透過レイヤーにされてしまっている。

そんなイシツブテと岩手県の名産品がコラボしたグッズがいくつか販売されているのだが、その中にひとつ異色なモノを発見。それが「琥珀発掘体験缶」である。

琥珀とは樹木の樹脂が土砂などに埋もれて化石化した、いわば樹脂の化石。「こはく色」だなんて言ったりもするが、我々が想像する黄褐色以外にも、白、青、緑、黒など約250色も存在するそう。

この缶詰には琥珀が混じった大昔の土が詰められており、家にいながら採掘体験ができるという、琥珀の国内最大産地である久慈市ならではの商品だ。

デザインはイシツブテとプテラの2種類。私は2缶セットを税込2200円で購入したが、中身は同じものなので好きな柄で選ぶと良いだろう。

ポケモンファンからするとこのプテラの缶詰はめちゃくちゃアツイ。なぜなら、ゲームだと「ひみつのコハク」という化石を復元することによって、古代ポケモンであるプテラをゲットできるからだ。さすがにこの缶詰にプテラの遺伝子は入ってないが、ポケモン世界の設定がうまく活かされており、ファンの心をくすぐってくる。

・さっそく発掘スタート

ずっしりと重たい缶の中身はこんな感じ。ひとかたまりの岩なのかと思っていたが、どちらかというと岩混じりの砂利のような感じ。

でもこれはただの砂利ではなく、約9000万年前の恐竜が生きていた時代の砂利だ。そう聞くとなんだかすごいありがたい砂利に思えてきてしまう。

ざっと広げてみると、もうすでにいくつかキラキラしたものが……! 琥珀は植物由来のものだが、鉱物と遜色ないほど透き通って光輝いている。

目を凝らしながら探すこと数十分、2つの缶から合計でこれだけの琥珀を発見することができた。1番大きな物で約15mmほど。缶によって多少量にバラツキがあったが、こればっかりは運だろう。

琥珀は数日自然乾燥させたのち、水に入れて泥を洗い流した。このあたりの作業については説明書がついているため安心だ。

発見した琥珀をどうしたらいいかは正直困ったが、説明書では小瓶や袋に入れてお守りにしてみてはどうかとのことだった。ヨーロッパなどでは、琥珀は古くから「幸せを招くもの」と信じられてきたそうなので、誰かにプレゼントとして贈るのも素敵かもしれない。アクセサリーを自作する人なんかは、材料としても使えそうだな。

当初はガツガツ岩を削る感じを想像していたため、ちょっと物足りなさを感じた部分もあった。だが、9000万年前を想像しながら作業をすると、琥珀はもちろん、石ひとつとっても時代の重みを感じるような気がして、なんだかんだで楽しむことができた。難しい作業はいらず簡単に発掘できるので、小さな子供でも宝探しのように楽しむことができるだろう。

琥珀の缶詰というのがどんなものなのか全く想像がつかなかったが、ポケモンの設定を上手く取り入れつつ、岩手の名産品についても知ることができる、とても素敵なコラボ商品だった。

オンラインで購入可能だが、サイトでの販売は今のところ2021年12月末で終了予定。もともとは岩手県内のみの販売商品だったので、現地まで行かなくても手にできるチャンスは今だけだぞ! 

参考リンク:久慈琥珀総合サイト久慈琥珀オンラインショップポケモンローカルActs
執筆:まろ
Photo:RocketNews24.

▼黒くてツヤツヤしたものは石炭だそう。夢中になるとだいぶ土が散らかってしまうので、汚れてもいいよう下に何か敷いてから発掘を始めることをオススメする。