コンビニで購入できるラーメン二郎的な商品、通称「ジェネリック二郎」は日進月歩でアップデートされている。直近ではセブンイレブンの「豚ラーメン」が一気に完成度を上げてきたかと思ったら、返す刀でローソンがジャンクフルな「まぜそば」で対抗したのが記憶に新しい。
そんな中、コンビニ大手3社の中でもっとも暴力的なジェネリック二郎を誇るファミリーマートは長らく新商品が “不発”。すっかり息をひそめていた──のだが! やっこさん、ついに沈黙を破ったぞ。ご紹介しましょう、ファミマの新作「マシマシにんにく冷し中華」の登場だ!
・商品名が「倒置法」
ファミリーマートが2021年6月15日から発売した「マシマシにんにく冷し中華(税込598円)」は、今回も人気店の千里眼が監修……なのはいいのだが、この商品名を目にしたときは思わず盛大に吹いてしまった。
だって、商品名「マシマシにんにく冷し中華」ですよ? 倒置法かよ!(笑)普通なら「冷し中華~にんにくマシマシ」と主体(冷し中華)を先に持ってくるのがセオリーだろうが、その順番をひっくり返しているのだ。
ラーメン二郎を知らないお年寄りとかがコレを手に取ったら「なにこれ……マシ……にんにく? 冷し中華? 結局なんの商品なの?」と困惑しそうで、ジワジワくる。
こんな商品名をつけたファミマの担当者は完全に脳が二郎に犯されているとしか思えないのだが、悲しいかな理解もできる。「冷し中華」「にんにく」「マシマシ」という3語なら、「マシマシ」がもっともジロリアンに刺さるパワーワードだからだ。
ひと文字でも早く「マシマシ」であることをジロリアンに伝えたい──その “前のめりな姿勢” と “斬新な発想” を取り入れたマーケティング戦略には驚いたと同時に感服した次第だ。
・具材も、麺も新しい!
驚いたのは商品名だけではない。中身もサプライズ尽くめだったので1つずつ見ていこう。
まず目に飛び込んでくるのはチャーシューなのだが、実はこれ、直火焼きの “鶏” チャーシューらしいのだ。斬新! こういう商品って、たいがいはお情け程度の豚チャーシューが1枚入っているだけなのに、鶏肉に置きかえるだけでコスト的に4~5枚も増やせるのか。
さらに野菜は青ネギ、紫タマネギ、きゅうり、にんじんなどがたっぷり。このいろどりの良い野菜もジェネリック二郎としては目新しいな。
そして麺は見るからにモチっとした美しい小麦色の太麺なのだが、試しに1本食べてみたらそのウマさに感動した。コンビニ大手3社の中でもっとも「脱うどん」からおくれを取っていたファミリーマートがついにうどんを卒業したのだ。おめでとう、ファミリーマート! ありがとう、千里眼!
ぱっと見、先代の「濃厚マシマシラーメン」から引き継いでいるのは「辛口揚げ玉」のみのようだ。
さて、内側のフタをはずすと そこにはスープの袋とマヨネーズ。
まずスープだが、これは白湯ベースでにんにくのきいた醤油スープだそうだ。麺の上にシャバダバ ドゥビドゥバッとかけます。粘度はけっこう高め。
あとはよくかきまぜてトッピングをのせたら完成だ!
・相変わらず味が濃いぜ
その見た目からは、さほど「二郎っぽさ」は伝わってこない。むしろ野菜のおかげでヘルシーな雰囲気さえ漂っているが、スープがからんだ麺をいただくと──
さすがファミマ、相変わらず味が濃ゆぃぃぃ!! 白湯スープはまったり濃厚、にんにくフレーバーもハンパない。さっきまで漂っていたヘルシーな雰囲気がぜんぶ吹っ飛んだわ。
味が濃いと書いたが、シャキシャキの野菜と一緒に食べれば口の中がサッパリといい感じに──
──ならないんだわ、これが。暴力的なにんにく白湯スープを前にして完全にねじ伏せられている。ただ、ジャンクに染められた口の中をわずかに潤す役目は果たしてくれているな。
まぁ味付けは個々人の好みもあるだろうが、鶏チャーシューだけはガチで万人受けすると思う。これが控えめに言ってバカウマなのだ!
直火焼きだからか口に入れると香ばしく、やわらか~い歯ざわり。嚙んでみるととろけるようなジューシーさなのに、それでいて脂っこくない。最高かよ。マジでこの鶏チャーシュー、商品化してくれないだろうか?
・カロリーハラスメント
革新的に美味いチャーシューのおかげで箸も進みあと少しで完食……というところで、はたと思い出した。そういえば「お好み」で使えるマヨネーズも添えられていたな。
……というか、ここまで味を濃くしておいてマヨネーズも追加させようとするなんて正気とは思えないぜ……
まぁ一応、かけるけれども!
ほいでもって、ウマイんかい!
驚くことに、マヨネーズをかけることで全体の味がまろやかになり、なおかつ酸味もプラスされて格段に食べやすくなったのだ。ただのカロリーハラスメントだと思っていたマヨネーズは救世主だったのか……カロリーはしっかり上積みされているがな!
・ブレずにアップデート
そんなわけで今回の新作を総評すると、ファミマらしい「暴力的な味の濃さ」は維持されつつも、ウィークポイントである「麺」は大きく改善。スープも野菜も刷新し、「鶏チャーシュー」と「マヨネーズ」という新兵器も投入。
つまりカンタンに言うと「軸はブレずに、細部をレベルアップ&アップデートさせた」といったところだろうか。
加えて、他社コンビニの現行ジェネリック二郎にはない「冷やし中華」という形態で売り出したのも大きなポイントだ。まぁ、一般的な「冷やし中華」とは全くの別物なのだが。もっと言うと “二郎系” としてもかなり異色でもあるが、気になった人はぜひともトライしてみてくれ。
参考リンク:マシマシにんにく冷し中華
執筆:ショーン
Photo:RocketNews24.
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