今ほど親切設計ではなかった昔のゲーム。ゆえに、たまに鬼難易度のものがあったが、中でも難しいことで有名なのが『魔界村』である。いとも簡単に裸になるアーサー、1面で死ぬのなんて日常茶飯事だった。そんな『魔界村』のファミコン版が発売されたのが、何を隠そう35年前の今日6月13日である。
一人で地団太を踏んでいたあの頃。しかし、今の私(中澤)には仲間がいる。そこで、ファミコン魔界村を3人プレイしてみることにした。
・魔界村を3プレイにする方法
おいおいエアプかよ? ファミコンの魔界村はそもそも最大2人プレイだろ? 即座にそう思ったガチ勢もいるだろう。しかしながら、存在するのだ。魔界村を3人でプレイする方法が。繰り返す。ファミコン版『魔界村』は3プレイが可能。こうすればなァァァアアア!
・メンバー
そう、3人で1つのコントローラーを操作するのDA!! ちなみに、メンバーは以前スーパーマリオブラザーズを3人プレイした精鋭で挑む。十字キー役は私、中澤星児。
Bボタンはロケットニュース24創始者のYoshio。
Aボタンはロケットニュース24編集長のGO羽鳥である。
・打倒レッドアリーマー
スーパーマリオブラザーズの時は、1-2が限界だった3プレイ。難易度が死ぬほど上がることはすでに3人とも承知の上だ。しかも相手はあの『魔界村』。スーパーマリオ以上にコンビネーションが試される。はたして、我々は1面のレッドアリーマーを倒すことができるのか?
Yoshio「ひゃっほー! 今回の主役はBボタンだァァァアアア!!」
中澤星児「ちょ、動けない動けない! 槍投げすぎで動けない」
GO羽鳥「後ろ後ろ! 後ろから来てるってェェェエエエ!!」
死んだァァァアアアッ!
まさかのレッドアリーマーまでたどり着くことすらできなかった。槍を投げる瞬間十字キーが効かなくなるため、連投するとほぼ移動ができずにアッという間に囲まれてしまったのである。
中澤星児「槍投げすぎだろ」
Yoshio「ごめん。最初から出番があるのが嬉しくてついハシャイじゃった……」
GO羽鳥「ストップ&ゴーで行こう」
・ストップ&ゴー作戦
我々が立てた作戦はこうだ。ファミコンの魔界村はゾンビが湧いてくる時、「ピリリリ!」と音が鳴る。その音が聞こえたら立ち止まり、湧いてきたゾンビを1度片づけてから再び進む。要は、この音で十字キーとBボタンのストップとゴーが入れ替わるわけだ。
中澤星児「来るぞ来るぞ! 音鳴ってるよ!!」
GO羽鳥「よーし1回片付けよう! 落ち着いて片付けちゃおう!!」
Yoshio「ま・か・せ・と・けェェェーーー!!」
前に進めるようになってきた! たまに、地面から突き出してる墓がめちゃくちゃ邪魔なのと、魔界の花みたいなのが飛ばしてくる弾が避けられない以外は何の問題もない。と、その時……
レッドアリーマーだーーーーーッ!
来た来た来た来たッ!!
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
死んだァァァアアアッ!!!!
瞬殺であった。しかし、何だろう? この気持ちは。1人でやっていたら、マジで地団太踏むくらいの序盤でゲームオーバーになっているのに全く悔しくない。むしろ、清々しくさえある。
レッドアリーマーに勝てなくて悔しいというよりも、レッドアリーマーと4人で盛り上がったという感じ。これは1人プレイでは得られない清々しさである。
難易度が爆上がりするこのプレイ方法。だが、ゲームとは何も勝負に勝つことだけが全てではない。楽しんだ者が勝ちなのだ。死んだ瞬間が最もテンションが上がる3人プレイは『魔界村』との相性もぴったり。発売35年目にして新鮮な感動を与えてくれる『魔界村』はやはり名作であると言える。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼動画はこちら