スーパーにゴーヤーが並び始めると「夏が来たな」って感じがする。何を隠そう私は大のゴーヤーチャンプルー好き。アレはおいしくて栄養があって、まさに沖縄が産んだ奇跡だ。ただし……ゴーヤーチャンプルーのレシピには、1つだけ非常にやっかいな手順がある。

それは “豆腐の水切り” をしなくてはならないこと。個人的に「炒め物に使う豆腐は硬ければ硬いほど良い」と思っているのだが、正式な手順でカチカチの水抜き豆腐を作るには丸一日くらいかかるらしい……ってバカ野郎! そんなに待てるワケがないだろ!!!

・レンジを使う手もあるが……

ちなみに水切りの時短テクとして一般的なのは「レンジを使う」方法である。

キッチンペーパーで豆腐を包み、レンジで数分加熱すれば水が抜けるというものだ。確かに短時間で、ペーパーがある程度の水を吸ってくれるのだが……

これだと実際のところ、豆腐の中にはまだまだ水分が残っている。


では私が普段、一体どのように水切りを行なっているのかというと……



素手で握りつぶすのだ!!!


こうすれば豆腐からほとんどの水分を抜くことが可能。ただしこの方法は「疲れる」「手が汚れる」「豆腐がグチャグチャになる」という欠点がある。また豆腐ハンバーグなどは作れるが、揚げ出し豆腐や麻婆豆腐には不可。

チャンプルーの場合、グチャグチャ豆腐を用いてもそれはそれでおいしい……が、たまにはゴロリとした豆腐も食べたいのが人情というもの。

そこで今回、試してみたのはマーナの『豆腐の水切り器』(968円)だ。パッケージには「短時間で簡単に水切り」と書かれているぞ。見た目はかなり地味だが大丈夫だろうか?


・検証してみよう

この検証では一般的な水切りと『豆腐の水切り器』とで、豆腐の水の抜け具合を比較する。

まず一般的な「重し」を使った水切りから。水切り前の豆腐の重さは404グラム。

キッチンペーパーで包んだ豆腐を網に乗せ……

上から水の入ったタッパーで押さえつける。もちろん他の重しを使ってもいいのだが、我が家は大体この方法だ。重さを自由に変えられる点が良い。豆腐がつぶれないギリギリの重さまで水を足して放置する。

いっぽう『水切り器』はシンプルな3つのパーツを組み立てて使う。

全く同じメーカーの豆腐だが、先ほどより少し重い418グラムだ。

それを『すのこ』に乗せ、ケースに入れたら押し板を乗せる。キッチンペーパーが不要なのは嬉しい。

あとは豆腐を潰さない程度まで押し板を下げればセット完了だ。

よく見るとケースにストッパーが付いており、押し板の下げ幅を調整できるという構造。超シンプル!

よし。私が「ゴーヤーチャンプルーを食べたい」と思った時、待てる時間はせいぜい30分が限度である。ってことで30分だけ時間をやろう。どちらも全力で水を抜いてくれ。


・そして30分後

ゴーヤーを丁寧に切るなどしていたら、意外とあっさり30分が経過した。

重しを使ったほうは……


352グラム。52グラムの水が抜けたことになる。


いっぽう水切り器は……


357グラム!


61グラムの水が抜けたことに!


つまり水切り器の勝〜〜〜利!!!


・僅差ではあるが

とはいえ使う人によって力加減も異なるはずだから、今回の結果はごく僅差。「両者の実力はほぼ互角」と言っていいだろう。「それなら普通の水切りでいいやん」と思われる読者もいるかもしれないが、よく考えてみてほしい。

「イイ感じの重し」を用意するのって、よほどの料理好きでなければ結構大変なのだ。その点『豆腐の水切り器』は場所を取らないし、後片付けも簡単。冷蔵庫で水切り豆腐を毎日仕込んでおくことだってできる。さっそく炒めてみると……スゴイ! 全然水っぽくならない!

説明書きによれば「長時間のしっかり水切りもできる」とのことだから、もっとカチカチにしたい場合は早めに仕込んでおけばOKだ。ただ個人的にはむしろ、これくらいの硬さがちょうどいいような気もしてきた。

料理のレパートリーが爆増しそうな豆腐水切り器、見た目は地味だがイイ仕事してくれる。お宅のキッチンの片隅にも、ぜひ!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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