どうもみなさん、こんにちは、こんばんは。ロケットニュース24のP.K.サンジュンです。梅雨の関係で鬱陶しい気候が続いていますが、みなさんどうお過ごしでしょうか? 私はなるべく傘を使いたくない派の人間なので、ずぶ濡れで帰宅することもしばしばです。テヘへ。

さて、今回はみなさんにどうしてもお伝えしたいことがあり、この記事を執筆することにしました。つい先日、少なくとも10年ぶりに亡き母が作ってくれた「ミートソース」を再現してみたのですが、これがなかなかどうして、考えさせられるものがあったのです。

・少なくとも10年ぶり

私の母は2011年に他界していますので、今年は節目の10周忌ということになります。この10年間が長かったのか短かったのかはわかりませんが、私を含む家族全員を取り巻く環境が大きく変わったことだけは間違いありません。

2人の妹のうち1人は結婚し、私にも娘が生まれました。1度でいいから母に孫の顔を見せてやりたかったとは思いますが、そればかりは致し方ありません。きっと母も遠くから孫の成長を見守ってくれていることでしょう。

・妹がレシピを知っていた

で、つい最近の出来事です。妹たちと会った際、私が何気なく「母ちゃんが作ってくれたミートソースが食べたいなぁ」なんて言ったところ、上の妹が「私、作れるよ」と言うではありませんか? どうやら母が存命中から台所に立つことが多かった上の妹が、しっかりレシピを受け継いでいたようです。

さらに言えば、そのレシピは下の妹にもシェアしているようで、母のレシピを知らなかったのは私だけ。「早く言ってよ!」とも思いますが、ここは「いま知れただけでもラッキー」と思うことにしましょう。

手前味噌ではありますが、母はとても料理が上手な人でした。さらに言うと、どんな料理も簡単に作っていた記憶があります。私の味覚がそれなりに発達しているのは、紛れもなく母のおかげでしょう。

基本的に母の料理は何でも好きだったんですが、中でも私は「カレー」と「ミートソース」が大好きでした。母は亡くなる数年前から入退院を繰り返していましたから、少なくとも10年、下手をすれば15年弱は母が作ってくれた料理を食べていないことになります。

さて、私自身は初めて作ってみた「ミートソース」ですが、母のレシピらしく非常に簡単に出来上がりました。以下で作り方をご紹介します。

・母のミートソースのレシピ

【材料】
豚ひき肉: 500~600グラム
鶏のひき肉: 200グラム
マッシュルーム缶: 大量
玉ねぎ: 中サイズ1個
ローリエ: 2~3枚
ミックスハーブ: 適量
にんにくチューブ: 2~3センチ
デミグラ缶: 1缶
野菜ジュース(無塩): 100cc
塩、胡椒、ウスターソース、ケチャップ、しょう油: 適量

【作り方】
1: フライパンに油を引いて、みじん切りにした玉ねぎを炒める。


2: 玉ねぎが透き通ってきたら、豚と鶏のひき肉を加えて炒める。


3: 肉に火が通ったら、軽く塩コショウ。マッシュルームを加えてさらに炒める。


4: デミ缶・野菜ジュース・ローリエ・ミックスハーブを加える。弱火~中火の間にして焦げないようにマメに混ぜる。


5: ウスターソース、ケチャップ、しょう油で味を整える。それぞれ大さじ1ずつを3回くらいに分けて入れ、途中で味を確認する。最後に塩で味を整えて完成。


我が家のミートソースには、とにかく大量のマッシュルームが入っています。その昔、母に理由を尋ねると「いっぱい入ってた方が美味しいじゃん。あんた達も好きだし」と言っていたことを思い出しました。

・食べてみたら……

で、味は完全に母が作ってくれたミートソースでしたね。再三お伝えしているように、少なくとも10年は食べていないにもかかわらず一口で「母ちゃんのだ」と感じたから人間の舌の記憶とは不思議なものです。正直、ウルッと来ました。

私にとっては世界一おいしいミートソースですが、他の方が食べたらどうかはわかりません。ただ娘が「おばあちゃんのミートソースおいしい!」「また作ってね!」と言ってくれたことは素直に嬉しかったです。遠回りではありますが、母と娘をミートソースが繋いでくれた気がしました。

そして私がみなさんにお伝えしたいこととは「親御さんが元気なうちにレシピを習っておいた方がイイよ」ということ。料理って本当にその人の個性が出るので、再現するのが難しいんですよ。調味料が1つ欠けただけでも、また入れるタイミングが変わっても味が変わってしまいますから。

うちの場合、ミートソースは妹のおかげで何とかなりましたが、カレーのレシピは聞いていないため永遠に再現できません。ジャワカレーの中辛だってことは知ってるんだけどなぁ……。本当、1度でいいから母と一緒にカレーを作っておけば良かったと、心底後悔している次第です。

というわけで、もし親御さんがご存命ならぜひ大好きな料理のレシピを聞いておいてください。別れって突然やってきますから、できれば後回しにせず、思い立ったらすぐ行動をオススメします。いつかきっと「聞いておいて良かった」と思う日が来ますよ。母ちゃん、夢に出てきてカレーの作り方だけでも教えてくれ。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.