本日5月27日はドラクエの日。35年前の今日、伝説は始まった。そう、シリーズ第1作目『ドラゴンクエストⅠ』が発売されたのだ。その後のシリーズのヒットは今さら言うまでもないだろう。作品を重ねるごとに有名となり、今や世界中にファンを持つ人気シリーズに。

それだけに、『ドラゴンクエストⅠ』を後追いでプレイした人は相当多いのではないだろうか。というか、私(中澤)もその1人。そこで本作を後追いでプレイした人が衝撃を受けがちな瞬間を実体験に基づいてご紹介したい。

・王様の話が終わって横移動した瞬間

ドラクエと言えば、王様からスタートするのはお決まりのパターンだ。『ドラゴンクエストⅠ』でも一番最初にラダトーム城の王様が魔王の話をしてくれて、「倒してこい」的な感じで冒険スタート。で、その始まりは見慣れたものだったのだが、十字キーの横を押した瞬間衝撃

キャラがそのまま横にズレた。蟹みたいに。何これバグ? 実は、ファミコン版の『ドラクエⅠ』ではキャラが横を向いたり後ろを向いたりしない。横移動でも上移動でも、常に前を向いている。めちゃめちゃポジティブだ

・話しかけようとした瞬間

ドラクエシリーズで多くの人が最初に試すコマンドが「はなす」だろう。RPGは情報収集から始まるからだ。これはフィールドのコマンドを表示して「はなす」を選択すればいいだけ。そこでモブに近づいて「はなす」を選択したところ、小さいコマンドが登場。? 何コレ。え~と、なになに?

「きた ひがし みなみ にし」……。そうか、この人、前しか向けないんだった……。話す方向をコマンドで解決する辺り今からしたら斬新に感じる。


・宝箱を開けようとした瞬間

旅の準備を整えるため、スタート地点に宝箱があるのもドラクエあるある。しかし、「しらべる」を選択してみたところ、「たからばこあるね」的なメッセージが表示されたのみ。いやいや、受け身すぎか! 眺めてないで取れや!!

と思いきや、別に「とる」というコマンドを発見。そこはかとなく漂う指示待ち臭。貴様、ひょっとして宝箱を取った責任を私に擦り付けようとしてるのではあるまいな


・王様の部屋を出ようとした瞬間

ドラクエシリーズでは特殊な扉以外は普通に開けて通ることができる。したがって、王様の部屋の入口にある扉も特に気にしていなかったのだが、衝撃を受けたのはその扉を開けようとした時。なんと、鍵が必要だと言うではないか。!? 開始直後なのに

前述の宝箱にその鍵が入っているのだが、王様の部屋の扉を開けたら無くなってしまった。つまり、『ドラゴンクエストⅠ』では全ての扉に鍵が必要で、しかも、その鍵は使い切りタイプなのである。

ちなみに、なぜか『ドラゴンクエストⅠ』の王様の部屋はめちゃくちゃ狭い。椅子があるだけみたいな部屋だ。この部屋出るのに鍵が必要って牢屋かよ


・階段を降りようとした瞬間

というわけで、ようやく下の階に降りる階段にたどり着いたわけだが、階段の上にキャラを重ねても降りない。これはもしや……とコマンドを見てみるとやっぱりあった。「かいだん」が。もはや赤子だろ


・ラダトームの町の南にいる村人に話しかけた瞬間

ラダトーム城を出ると、すぐ隣にラダトームの町がある。町に入れば村人全員に話を聞くのはRPGの基本。そこでしらみつぶしに話しかけたところ、南にいた村人の話が衝撃的だった。いわく……

「ラダトーム城の南から海の向こうにもやがかかったお城が見えるでしょう。あれが竜王の城だとか…。おおこわい…。」

──えっ!? あれラスボスの城なの!? スタートして10分なんですけど!?


・最初のダンジョンに入った瞬間

ラダトームの町で聞いた情報を元に北に進んでいくと、砂漠の中に洞窟のようなものが見える。これが最初のダンジョンなのだが、どんなもんかと入ってみたところ……


暗すぎるだろ

予想をはるかに超える闇だった。どうやら、『ドラゴンクエストⅠ』では、基本洞窟は真っ暗で「たいまつ」を使うことにより見えるようになる模様。そこで、たいまつを使ってみたが……

ほぼ変わらんやんけ


さらには「たいまつ」も使い切り。こんなの1シナリオに1個あるかどうかのダンジョンだろ。ちなみに、たいまつより明るくなる呪文「レミーラ」もあるが、それでも明かりの範囲が広がる程度で、全体を照らすことはできない。

・キメラのつばさを使った瞬間

ドラクエシリーズで町から町に飛べて移動を短縮できる「キメラのつばさ」。『ドラゴンクエストⅠ』にも「キメラのつばさ」あるんだ! これでやっとちょっと話聞きに行くだけで大陸をぐるっと徒歩移動の苦行から解放される!! と思いきや使った瞬間衝撃。

ラダトーム城の横にいた。そう、『ドラゴンクエストⅠ』の「キメラのつばさ」はラダトーム城にしか飛べないのである。いや、まあ無いよりはマシだけどさ……。

・ルーラを使った瞬間

オ マ エ も か……。

・竜王の城に着いた瞬間

ラストダンジョンである「竜王の城」。ガライの墓は暗い上に入り組んでて面倒くさかったし、ローラ姫救出のところのドラゴン強かったなあ。ついに冒険もここで最後か。それにしても……

途中にセーブポイントがないとは


『ドラゴンクエストⅠ』は「ふっかつのじゅもん」を王様に聞いて、それをゲームスタート時に入力することによりデータが引き継げる。その呪文を教えてくれる王様が世界でただ1人、ラダトームにしかいないのだ。この王様、竜王以上に世界を支配してるだろ

つまり、出発地点からラストダンジョンまで途中にセーブポイントがない。現在のRPGでは信じがたいことだが、セーブする時はラダトーム城まで戻らないといけないのである。


──と、私が慣れ親しんだドラクエシリーズとは大分違った。Ⅱ以降はずいぶん親切になっている印象。話の概要はロトだし、ドラクエなのだが、実際プレイすると別物のようにすら感じる。

・さすがドラクエ

だが、それだけに新鮮な気持ちでプレイすることができたのも事実。最初は衝撃的だった操作も、慣れると全く気にならず、むしろストーリーに惹きこまれたから「さすがドラクエ」と言えるだろう。

また、現在のドラクエと違い、シナリオが軽めで、15時間そこそこで終わるのも特徴。本作は、IPhone、Androidなどのスマホアプリ版も登場しているので、ドラクエ記念日である本日中にクリアしてみるのも一興かもしれない。

参考リンク:スマホアプリ「ドラゴンクエストⅠ
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.