寿司と言えば生魚。だが、最近の回転寿司は生魚以外も充実している。天ぷら寿司やハンバーグ寿司など、もはや寿司屋と思えないメニューは当たり前だ。

そこで回転寿司マニアに「生魚NG」でスシローのオススメメニューを聞いてみたのは以前の記事でお伝えした通り。バッチリ非生魚の激ウマメニューも食べていたところはさすが百戦錬磨のマニアであった。ではくら寿司はどうなのだろうか

・リクエストがキッカケ

まず、私(中澤)がこの企画を始めようと思ったキッカケは、ロケットニュース24の問い合わせフォームに寄せられた以下のリクエストである。

「自分は、生の魚が食べれません。唯一食べれるのは、いくらくらいです。
(中略)色んな情報から『今の回転寿司は、寿司を食わずとも満足できるのかもしれない』と思っています。休日のお昼にでも、日を分けて回転寿司巡りをしたいのですが、回転寿司の色々なランキングは『生魚、刺身が好き』が強いのでは? と思いまして。

編集部に生魚が嫌いな方がいたら『生魚食べれない奴が、満足できる回転寿司を検証(後々、総合ランキング)』みたいにご紹介頂けたら嬉しいです。生魚苦手でもお店を利用しやすくなる方法はあるのか、自分が行く時に参考にしたいなぁと思ってリクエストに入れました(以下略)」

──生魚が食べられないのに回転寿司巡りをしようとするその意気や良し! というわけで、編集部に生魚嫌いはいないのだが、回転寿司マニアに非生魚メニューのオススメを聞いてみることにしたわけだ。

・回転寿司マニア

話を伺ったのは、30年以上前から回転寿司の魅力に憑りつかれている会社員・鮮魚久良々(せんぎょくらら)さん。週3で通う回転寿司の中には、もちろんくら寿司も含まれているという。まさに回転寿司界の回遊魚


鮮魚久良々「これまで同様、店舗によって販売されていなかったりするかもしれませんが、それでも良ければオススメさせていただきます」


──よろしくお願いします!


・オススメその1

鮮魚久良々「まず、くら寿司に来たら食べてもらいたいのがうどんです。麺は普通なんですけど、つゆがウマイんですよ」

──いきなり来ましたね! 私が以前食べ比べた際もくら寿司のうどんは頭1つ抜けている印象でした。


鮮魚久良々「出汁の味が強く、良い関西つゆですね。関西生まれの私は懐かしい気持ちにすらなります。これに代表されるように、くら寿司の麺類はスープがウマイ


──ラーメン系もいけると?


鮮魚久良々「もちろんです。担々麺(390円)のスープとか、ゴマの風味と旨味、そして辛さもちゃんと感じられて、一度飲み始めると止まりませんよ。

ただ、ラーメン系に関しては、麺に少し安さを感じるのですが、うどんって麺の味の幅が狭いじゃないですか? そのため、やはりうどんの方がつゆのアドバンテージが活かされてますね。しかも、この味でかけうどん130円、きつねうどん280円は熱い」


──他のサイドメニューはどうでしょうか?


・オススメその2

鮮魚久良々「丼物が充実しているのもくら寿司の特徴ですね。平日限定17時までですが、どれも美味しいです。牛カルビ丼(500円)、海鮮丼(500円)、うな丼(1000円)とありますが、中でもコスパが良いのは天丼(500円)だと思います

鮮魚久良々「海老天が3尾入っていて、なおかつ季節の天ぷらも楽しめて500円は安い。今なら鯵(あじ)が入ってますが、脂の乗った鯵とタレが染みたご飯の相性は抜群です。

ちなみに、麺類とのセットは700円なんですが、私の場合かけうどんと天丼を単品注文していますね。こうすることで価格が630円に抑えられるだけでなく、天丼のおまけで味噌汁もついてくるんです。くら寿司の味噌汁がまた出汁がきいててウマイんですよ。もうこれだけで満足ですね」


──味噌汁がウマイのって良いですよね。でも、回転寿司だし寿司も食べたいです。


・オススメその3

鮮魚久良々「おっしゃる通り。そこで胃袋を寿司に有効活用したいならば、温玉系をオススメします。まぐろユッケや甘えびユッケ、うな玉など、温玉の乗っているくら寿司の寿司にハズレはありません。非生魚で言うと、今なら牛すき焼き風軍艦(100円)なんて良いんじゃないでしょうか」

──そこで牛すき焼き風軍艦を食べてみたところ、甘辛いタレに温玉がトロける。すき焼き風と言いながらも、温玉のため、黄身がただのすき焼きとはまた違った濃厚な絡み方をしているのが印象的だ。ウンマッ!

・オススメその4

鮮魚久良々「あとは、きゅうり巻きで締めれば完璧です」

──え? きゅうり巻きですか? きゅうり巻きってどれだけ頑張っても「所詮きゅうり」って感じじゃないですか? 違いなんてあります?


鮮魚久良々「いえ、だからこそです。個人的には、きゅうり巻きはきゅうりを味わうものではありません


──え!? じゃあ、何を味わうんですか?


鮮魚久良々「わさびです。きゅうりの瑞々しさと山の味が、わさびの味を最大限に味わわせてくれるんです。私のマニア仲間の間では、きゅうり巻きは『わさびとの対話』と呼ばれているほどなんですよ。

そして、くら寿司のわさびはウマイ! ツーンとするだけではなく、奥に甘みすら感じる深い味は回転寿司チェーンで1番ウマイと言っても過言ではありません。さらに、きゅうりの主張の無さゆえに、より強く感じる海苔の風味! くら寿司のきゅうり巻きこそ、まさにわびさびと言えるのではないしょうか!?」

──オオゥ……なんかいきなりスパートかけてきたな。きゅうり巻きに異常な執着を感じたことはさて置き、言われてみると確かにわさびが違うような気がした。「神は細部に宿る」というが、こういった細かい部分がキラリと光るのはくら寿司の良さと言える。

寿司だけではなく、多種のメニューが展開されている最近の回転寿司。最後は意外ではあったが、マニアの目線に、また新たな魅力を教えてもらった。生魚が食べられる人もぜひ1度食べてみてくれ!

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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▼ちなみに、デザートのマニア的オススメは「バナナミルク甘酒(180円)」とのこと

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