東京・新大久保といえば「コリアンタウン」のイメージが強いが、実はイスラム横丁やネパール街もある。とくに百人町(ひゃくにんちょう)周辺は “リトルカトマンズ” と呼ばれ、ネパールレストランや雑貨店なんかが並んでいるのだ。

というのも、新大久保には日本語学校が多く、ネパールからの留学生もコミュニティを形成し、勉強しながらアルバイト生活をしているという。そこで今回は、彼らに人気の美容室『RAISAN HAIR』を訪問し、今、最も流行っている髪型をオーダーしてみることにした。

・RAISAN HAIR NEPAL

新大久保駅から歩いて2〜3分、目的地の『RAISAN HAIR NEPAL』は百人町の路地裏でひっそりと店を構えている。火曜日定休で営業時間は11時から20時。事前に予約はしているし扉も開いているが、ビミョーに薄暗いため入口手前で少々不安な気持ちになってしまう。

しかも店頭ポスターに映っているのは、金髪モヒカンの勇ましいネパール人男性。これってもしかして “得意なヘアスタイル” なのだろうか。それとも、たまたま試合前のプロ格闘家が来店でもしたのだろうか。とにかく怖ぇぇぇ……と思っていたのだが!

恐る恐る入店すると「やっと来たわね」と言わんばかりのポーズを決める美女2人が待っていた。完全に南国ビーチの雰囲気……ってマジかよ。勇気を出して入店さえしてしまえば、そこはもうパラダイスということかっ!

・来日8年目のライさん

そんなわけで、さっそく店主のライさんに「ネパールの若者たちの間で1番流行っている髪型」をオーダーしてみた。どうやら短髪のカッコイイスタイルが人気らしい。ほほー楽しみだぞ。

ネパールで美容師をしていたライさんは8年前に来日。六本木の美容専門学校で免許を取得し、約2年前に同店をオープンしたという。日本人の同級生たちからいつも “ライさん” と呼ばれていたため、店名もそのまま『RAISAN HAIR』にしたそうだ。

さて、まずは両サイドをバリカン攻め。金正恩ヘアを彷彿(ほうふつ)とさせる勢いで攻める攻める攻めまくるぅぅううう。

こ、これがネパール生まれ六本木育ちの刈込テクなのか。刈り上げた奴はだいたい友達、ヒマラヤなら見てきた幼少に、マジ刈り上げてきた本当に……と、思わず歌い出したくなるレベルの刈り上げ。

・入店前に見かけた同じ髪型の男

さあ、サイドから襟足にかけて刈り上げた後は、完成形をイメージして全体を整えていく。そういえば入店前に「似たような刈り上げ男性」とすれ違ったぞ。小学生の頃、同じ床屋に通う生徒が全員同じ髪型だったことを思い出した。これでネパールファミリーの仲間入りだな。

・ネパール都市伝説

んで、けっこう衝撃だったのがシャワーが水だったこと。なんでもネパールでは「お湯で頭を流すと髪の毛が薄くなる」という迷信があるらしく、冬でも水で流すのが一般的なのだとか。なるほどなるほど。おかげさまでだいぶスッキリしました。

それではいよいよ仕上げ。ドライヤーで髪を乾かしたら、整髪料とスーパーハードスプレーでセットしていくぞ。

クシを使って髪の毛を流しながらビシッとキメるのがネパール式。小さめの台風(風速15m)くらいならセットが乱れないレベルでガチガチに固めたい。

──というわけで、約30分でネパールで最もイケてる髪型が完成。鏡を見ると「バナナの直売所で活躍していそうな男」がバッチリ映っていた。たしかに百人町界隈でよく見かけるスタイルである。うむ、気に入ったぞ。スッキリ気持ちいいし、かなりクールじゃないか。


・ネパールスタイルに変身したい方はぜひ

ちなみに、カット料金は2000円。ライさんの手にかかれば、あっという間にクールなネパールスタイルに変身可能だ。ネパール人はもちろん、インドやスリランカの若者も集まる人気店だからぜひ覚えておいてほしい。ライさんありがとうございました。またお願いしますっ!

・今回訪れた美容室の詳細データ

店名 RAISAN HAIR NEPAL(ライサンヘア ネパール)
住所 東京都新宿区百人町2丁目20-23
時間 11:00〜20:00
休日 火曜日

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

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