もしかしたら、関西以外の人にとって551蓬莱(以下551)の人気っぷりは理解できないかもしれない。売っている商品自体、特別珍しいものではないからだ。私自身、もし誰かに「豚まんも餃子も今はコンビニで買えるじゃん」と言われたら、「その通り!」としか言いようがない。
そして、「551のものが死ぬほど美味いってわけではないだろう?」と言われても、「その通り!」である。しかし、「じゃあ わざわざ大阪で551の豚まんなんて買わなくていいじゃん!」と言われたら……断固として「NO!!」なのだ。
理由は自分でもよく分からない。にもかかわらず、帰省するたびに必ずといっていいほどに食べ、新幹線で匂いが漏れないか心配しながら持ち帰るという人、私以外にも結構いるのではないだろうか?
そんな人は、551の地方出店ニュースを探知する “特別なアンテナ” が備わっているに違いない。絶対にそうだ。そうとしか考えられない。なぜなら……。
・551が池袋に出店したら激混み
何があったのか、説明しよう。実はいま、551が東京・池袋に期間限定で出店している。よくある催事的なもので、期間は4月30日まで。池袋西武百貨店の「全国味の逸品会」の会場にブースを構え、メチャクチャ人気である。
会場内は撮影禁止だったので写真でお伝えできないのが心苦しいのだが、とにかく551の商品を求める人で長蛇の列。何も知らない人が見たら、「新作のiPhoneでも発売されるの?」と勘違いしかねないほどの光景であった。
なんなら、個人的には最近の新作iPhone発売よりも今日の方が強烈だったように思う。見方を変えれば、551がAppleに追いついた……ということかもしれない。
・購入までにかかった時間
それはさておき、早速ではあるが結果を言ってしまおう。私が会場に到着し、551の商品を購入するまでにかかった時間は……!
なんと……!
なんと…………!!
3時間16分3秒91!!
驚くべきことに、『シンドラーのリスト』を1本鑑賞できる時間である。そしてよくよく考えれば、3時間以上あれば東京から戎橋(えびすばし)にある551の本店まで買いに行ける。下手したら「ひかり」で行ける。
さらに恐ろしいのが、私が並び始めたのが平日の午前中(11時ころ)だということ。つまるところ、比較的人が少ない時間を狙ったにもかかわらずコレである。週末の午後ともなればどうなるのか? もしかしたら、「こだま」で大阪まで行けるレベル、あるいは夜行バスのレベルかもしれない。
・人が集まらない工夫も
ちなみに、イベント会場で551の商品を購入するためには、最初に整理券を入手する必要があった。そして自分の整理券番号が呼ばれたら、そこで初めてブースの前に並べる仕組みだ。
ここでもっとも時間がかかるのは「自分の整理券番号が呼ばれるまで」なのだが、番号がどこまで進んでいるかはスマホで確認可。なので、その間は会場を離れていてもOKだ。
ようは、イベント主催側は客の待ち時間が苦痛にならないように、また人がなるべく1ケ所に集まらないよう工夫していた。その点、誤解がないように記載しておきたい。
・コロナの影響?
それにしても、なぜ会場が最新iPhoneの販売みたいになってしまったのだろうか? 確かに、551が東京に期間限定で出店すると行列が出来るのは平常運転。だけど3時間以上かかるだなんて……。私は今まで経験がない。
ここで考えられるのは、コロナで簡単に移動できなくなった影響だ。言うまでもなく、今やあのCMで言うところの「ないとき〜」が年単位で続いている人たちが地方に大勢いる。そんな人が東京で551を買えると知ったら……「来たーーーー!」となるのは当然かもしれない。
子供の頃から551を食べている身としては、その気持は痛いほどにわかる。わかるが……先に述べたようにとんでもない人気なので、購入を考えている人は覚悟して向かってほしい。
また、551の豚まんはオンラインでも買えるという事実を知らない人がいるかもしれないので、この機会に改めてお知らせしておこう。早い話が、通販で強制的に「あるとき〜」の状態にしてしまうという手もあるぞ。
——といったところで、もしかしたら関西以外の人にとって「あのCM」「ないとき〜」「あるとき〜」なんて意味がさっぱり分からないかもしれない。知りたい人はググるか、近くの関西出身者に聞くかしていただきたい。現場からは以上です。
・今回ご紹介したイベントの詳細データ
イベント名 第19回 全国味の逸品会
会場 西武池袋本店 7階催事場
期間 2021年4月22日~5月5日 ※551の出店は4月30日まで
時間 10:00~20:00 ※4月30日・5月5日は16時閉場。また、551は「混雑状況により、閉店時間よりも早く受付を終了する場合がございます」とのこと