近年、昼と夜を異なる業態で営業するお店が増えている。いわゆる「二毛作」というヤツだ。「間借りカレー」という言葉も随分一般的になった気がする。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、居酒屋チェーンでもその流れが広がっているようだ。

そんななか、東京・西新宿に昼だけ営業のハンバーグ専門店が誕生した。このお店『君のハンバーグを食べたい』は開店直後からSNSで話題を呼び、ほぼ毎日わずか1時間で完売するという。一体どんなハンバーグなのか? 早速訪ねてみた。

・ダイニングバーの二毛作

ここは、2021年3月22日にオープンしたばかりの新しいお店だ。とはいっても、夜は以前からダイニングバー「DRAセブン」として営業していた。昼のみハンバーグ専門店としての営業を開始したのだ。できたばかりなのに、すでに人気店となりつつあるらしい。

実際に営業開始時間の12時過ぎに行ってみると……。え? 行列!? こんなに人が並ぶお店を見るのは久しぶりかも


客層はかなり若め、中には制服姿の学生さんまでいる。やはりSNSの評判を見たのだろうか? 開店直後ですでに20人は並んでいる。私(佐藤)は行列1時間待ちコースを覚悟した。今日はめっちゃ腹が減っているというのに……。早くハンバーグを食べたいなあ。


・メニューは1種類

待つことを覚悟したものの、列の進行は意外と早くて約30分で入店できた。中に入ると店内はかなり広い。しかも提供しているメニューは「トリュフデミグラスハンバーグ」(サラダ・ご飯・みそ汁付き税別1500円)の1種類のみだ。なるほど、だから列の進行が早かったんだな。


・肉々しくも軽やか

ハンバーグを注文すると、最初にサラダが出てきた。サラダにはリンゴと香草(ディル)のドレッシングを使っていて、春らしい爽やかな味がする。


それから少しして、ご飯とみそ汁と共に焼き立てのハンバーグが登場!


なんとも家庭的な見た目だ。まるで誰かの食卓にお邪魔しているみたい。そう、“君” のハンバーグを食べに来た感じである。お店のコンセプト通りに、どこかの食卓を再現しているみたいだ。

しかしハンバーグそのものは家庭のものと違う。たっぷりとかかったデミグラスソースの色は深く、かすかに漂うトリュフの香り……家では決して味わえないクオリティだ。


半割にしてみると、中にはしっかりと肉が詰まっている。肉は黒毛和牛と三元豚を使用しており、実に肉々しい。これはプロの仕事だ。“君”の成せる技ではないな……


食べると肉感がスゴイ。デミグラスソースの味も濃厚だ。だが、口の中が重くならず、どこか軽やかさすら感じさせる。ハンバーグそのものの見た目は武骨で男性的な雰囲気なのに、味は繊細で女性的。なるほど、これが女性客に支持されている理由なのかもしれないな。


・ご飯も美味い!

このお店の主役はハンバーグである。そのはずなのだが! 実はご飯も美味かった。この日のお米は宮城県産の「ひとめぼれ」とのこと。そのご飯が美味い、実に美味い! 白飯の上にデミハンバーグを乗せて食べると最高のご馳走だ。


ちなみにご飯とみそ汁はそれぞれ1回おかわり可能。来店している女性たちは、バンバンご飯をおかわりしていた。なお、営業は昼のみで、売り切れ次第営業終了なので、気になる人は早めにお店に行くことをオススメする。

・今回訪問した店舗の情報

店名 君のハンバーグを食べたい
住所 東京都新宿区西新宿7-11-15 MIYAKOビル 1F
時間 12:00~売り切れ次第終了(昼のみ営業)

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24