2021年の4月1日に、埼玉県警が交通事故ハザードマップを公開した。いわゆる、交通事故に気をつけましょうね的なヤツ。「この場所で事故が起きましたよ〜」とか「被害者の数はこうです〜」的な情報がまとめられた一冊だ。よくある冊子と言えば、よくある冊子である。

少し違うのは、人気四コマ『100日後に死ぬワニ』とコラボしている点。だから、ページのいたるところにワニのイラストが登場する。おそらく埼玉県警は「このワニは来てる!」と考え、コラボ相手に選んだのだろう。

たしかに、文字だけに比べてイラスト入りの冊子の方がはるかに読みやすい。おまけに人気のキャラが登場するとなれば、手に取る人だって多いはず。実際に私も中身を見たくなったので、埼玉県警の目論見は大当たりかもしれない……が!

ページを開いた私は、内容がまったく頭に入ってこなかった。ワニが気になって仕方がないのだ。ページをめくる度に、ワニが無事かどうか確認している自分がいる。

なぜか。その理由は、表紙を見てもらえれば分かってもらえるのではないか。


交通事故ハザードマップの表紙では、ワニやネズミ・モグラなどが横断歩道を渡っている。背景に桜らしき花が満開になっていることから考えて、季節は春

ここで思い出して欲しい。『100日後に死ぬワニ』の100日目の状況を。詳しくは作者のTwitterアカウントで確認していただくとして、『100日後に死ぬワニ』の100日目……つまり、ワニが死ぬ日では花見のシーンが描かれている。ということは……


ワニが死ぬ日も桜が満開の春なのだ。


もうお分かりだろう。そういうことである。ピンと来ない方のために少し説明するならば、冊子に描かれているワニはこれから死ぬワニ。それが数分後か、数時間後かは分からない。だけど、長くないことはほぼ確実。もしかしたら、あどけない表情を見せた直後に……。

しかも、冊子の中でのワニは皮肉なことに交通安全のナビゲーター的な役割を担っている。冊子の目的が、「こういう交通事故が起きていますから皆さん気をつけましょうね」的なことを広く知らせることにあるのだから当然と言えば当然。

だけど、そのワニも間もなく……。


いや、変な想像をするのはよそう。ワニは生きている。しっかりと生きている! みんなの心に生きているよぉおおおおおおおおおおおおおおお!!

参考リンク:埼玉県警「埼玉県交通事故ハザードマップ」、Twitter @yuukikikuchi毎日新聞
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼毎日新聞によると、冊子は「県内各署の交通課窓口で配布するほか、県警ホームページでも公開」とのことだ。