いきなり本音を書いてしまうと、クレイジーな商品ほど記事的にオイシイものはない。「かつや」が時折出す狂気的なメニューだったり、ヴィレバンの福袋だったり……。常軌を逸していればいるほど、記事を書く立場からするとオイシイ。デカ盛りなんて最高に美味である。
そういう意味で、牛丼をアレンジしたという「つけ麺」は結構いい線いってるような気がした。炭水化物 × 炭水化物を想像してしまうところといい、なぜそれをアレンジするのかと思わせるところといい、“どうかしている感” が全体的に漂っている。
実にいい匂いだ。美味しそうな予感に、食欲が掻き立てられる。……というわけで、食べに行ってみたので報告したい。
・三田製麺所の期間&店舗限定メニュー
牛丼をアレンジしたつけ麺は、三田製麺所で食べられる。東京・神奈川の一部店舗だけの期間限定メニューで、価格は税込1200円。なんでも、居酒屋の「養老乃瀧」とコラボしたメニューらしく、その名も『養老牛つけ麺』という。
「養老乃瀧」と牛丼がどう関係あるんだ? と思う人もいるかもしれないが、養老乃瀧は「昼は牛丼屋として営業していたこともある」とのこと。へぇ〜。初めて知ったぞ。
……というのは置いておいて、牛つけ麺だ。三田製麺所の公式サイトには、以下のように書かれている。
「名物・養老牛丼をアレンジした『養老牛つけ麺』を販売」
良いですね〜。牛丼をアレンジ? なぜそれをアレンジする必要があるのか? ご飯はどうしているの? と思わせるところがスパイスとなり、独特の香りを放っている。よって、レビュー記事は「頭おかしいだろぉぉぉお!」的な方向でまとめることになるだろう。
だから、出来ればめちゃくちゃ牛丼に寄せた「つけ麺」であって欲しい。あわよくば、下にご飯なんかも入れておいて欲しい。なるべくトンガリまくった「つけ麺」であって欲しい。
そのような希望を抱きながら注文し、出てきた『養老牛つけ麺』をひと口食べたとき、私は混乱した。なんだこれは……!
やや甘めに炊かれたお肉は全体をまったく邪魔せず、紅生姜の主張は決して強くない。牛丼のようなキャラの強いヤツを入れたら牛丼に寄せるしかないかと思いきや……刻み海苔・ネギ・温玉がバランサーとなり全体をうまくまとめている。
早い話が、バランスが良くて普通に美味い。めちゃくちゃマイルドで、一切とんがっていないのだ。
この事実に、私は絶望した。聞いてないぞ。記事は一体どうすりゃいいのか……でも! まだ希望はある。
・最後の希望
この下に牛丼のご飯があれば……! ご飯さえあれば! ご飯さえあれば!! 「クレイジーすぎるだろぉおおお!」とツッコめるぞ。
だがしかし……
いくらお肉を食べても……
いくら麺を食べても……
……
……
……
下にご飯くらい入れとけや!
おわり
参考リンク:三田製麺所「3/12(金)より養老乃瀧とのコラボキャンペーン開催!」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼なお、『養老牛つけ麺』は在庫がなくなり次第終了とのこと。対応店舗は公式サイトでご確認を!