先日、ライオンの『ルックプラス バスタブクレンジング』についての漫画を描いた。パッケージに書かれている「こすらずに60秒」は本当なのか? という内容なのだが、予想外に反響がよく、ありがたいことに様々な感想を頂戴した。

それらすべてに目を通し、私が感じたのは、これ、とても珍しい現象が起きているということ。こんな商品、そうそうないのでは?

・従う

ふつう、メーカーが「こうしてください」と言ってきたら、消費者は疑うことなく素直に従う。袋のギザギザに「こちら側のどこからでも切れます」と書かれていたら、“こちら側” から切ろうとする。たまに裏切りもあったりするが、とりあえずは従うのだ。


しかし!


ライオンの『ルックプラス バスタブクレンジング』における「信用されてない度」は気の毒になってくるレベル。それはまるで「信じるか信じないかはあなた次第」……つまるところ都市伝説と同等の信用度とでも言おうか。

みんなそうやすやすと「こすらずに60秒待つだけ」を信じていない。たとえメーカーが古くから信頼のおける “あのライオン” であろうとも、断固として「こすらずに60秒待つだけ」を信じない人が圧倒的多数なのだ。 (※羽鳥調べ)


・最終目標がキュッキュならば

調査の結果、ほとんどの人は結局のところ、こする。「キュッキュ」を求めて、こする。「ツルツル」ではダメ。どうせシュッシュして掃除するのだからキュッキュを目指すのは当然のこと。

また、何人かの勇者たちは下記のような証言をしている。


「実際にこする・こすらない両方試したが、こすらずにキュッキュ言わせるには、相当な量を噴霧しないと不可能。そんなことしてたら、すぐに使い終わる。よって適量を使い、こすり、キュッキュ言わせるのであります!」


と。

また、ご婦人たちの間でも「こする? それとも待つ?」という話題で井戸端会議することもあるらしく、夫婦間で「こする派」「こすらない派」が分かれてしまう危機的パターンもあるらしい。そのうち「ルック離婚」とか出てきそうだ。


それはさておき、もう一方の「こすらない派」は「ライオン派」といっても差し支えなかろう。ライオンの言うことを信じている。それゆえ、こすらない。

なお、「こすらない派」の中には「めんどくさい派」も多数まぎれており、かくいう私はこの宗派。こすったほうがキュッキュッになるのは知っているが、めんどくさいので「ツルツル」に甘んじるのである。

そして、残る大多数の人たちは先述の通り「こする派」。ライオンの言う「こすらないで60秒」を断固拒否し、こする……。「信じないけど使う」みたいな、「別れても好きな人」みたいな、ある意味ツンデレ的な人たちが圧倒的多数なのである。


いずれにしても、ライオンの『ルックプラス バスタブクレンジング』は、お風呂掃除する人たちを寄せ付ける、謎の魅力に満ち溢れている。なぜって、「こすらずに60秒待つだけ」を信じている人も、信じていない人も使っているのだから。こんな商品、なかなかない。

もしもあなたが『ルックプラス バスタブクレンジング』を手にしたら、どう動く?

こするかこすらないかは、あなた次第です。


<完>


参考リンク:ライオン『ルックプラス バスタブクレンジング』
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24