迷作中の迷作『カレーうどんカツ丼』の衝撃から約2年。本日2021年3月5日より販売が始まった『チキンカツカレーうどん』は、『カレーうどんカツ丼』からご飯の要素を取り除いたかのような、極めて真っ当な新商品……のように思われた。
しかし、よくよく見ると『追い飯』なる謎のオプションウェポンが存在しており、依然として予断を許さない状態である。果たしてコイツは白なのか黒なのか? 真相を探るべく現地に出向いた私(あひるねこ)だったが、そこで目にしたのはうどんというよりも白昼夢。あるいは幻だったのだ。
・かつや新商品
順を追って話そう。席に着いた私は、すぐさま『チキンカツカレーうどん(税込649円)』を注文。一緒に『追い飯(税込77円)』もあらかじめ頼んでおくことに。ところが、接客してくれた外国人店員さんの表情からは、
「追い……飯……?」
という明らかな戸惑いが見て取れた。これに対し、私も一瞬「ん? 大丈夫?」と思ったが、よく考えたら当然だろう。何だよ『追い飯』って。『チキンカツカレーうどん』と『追い飯』って、俺は一体何を注文させられてるんだよ。許せ、すべては「かつや」のせいなのだ。
さて、前回の記事で私は『チキンカツカレーうどん』の見た目について、「カツカレーのライス部分がアハ体験でうどんに変化したみたい」と書いたが、実際はどうなのか非常に気になるところ。おっ、うどんが運ばれてきたぞ。さあ、一体どんな……って、
ただのカツカレーやないか!
・超えてきた
ん? いや……え? これはカレーうどん……なのか? ヴィジュアル的には思いっきりカツカレーに引っ張られているどころか、ほぼカツカレーに吸収されてしまっている。「ご飯がなかったので うどんで代用しました」とでも言いたげではないか。勝手に互換性を見出すんじゃない。
カレーうどんにスプーンとフォークが付いてくるのも極めて斬新だ。使いどころがまったく分からないぞ。よって、申し訳ないが箸で食べさせていただく。まずはチキンカツから。……うむ! 思った通り、めんつゆが効いた和風カレーと衣の相性は申し分なし。順当にウマいと言えよう。
このカレールーはとろみがほとんどなく、サラサラあっさりしているのが特徴だ。ルーというよりはスープに近いかな。つまり完全にうどん仕様なのだが、それがカレー皿に盛られているため違和感がハンパない。自分は今、何を食べているのかと脳がバグるのだ。
こうしてバグにバグを重ねつつ、途中から福神漬け感覚で盛られたネギと油揚げを混ぜるなどして、ふむふむ言いながら麺をすすっていると……
残りはカツとカレーのみに。
よし、ここで『追い飯』を投入だ。
・フェーズ2
というワケで、茶碗に盛られた『追い飯』(実質半ライス)を、残りのカレーにドボンと入れてみる。皿の中にはカツとカレーとライス。とここで、奇妙な現象が発生した。何だろう……今日初めてピンときた気がする。
投入した瞬間からカレーを吸いまくるご飯。私はそれを、今日初めて使うスプーンですくって食べていた。和風スープカレー感覚だ。
一方、先ほどは箸で食べていたチキンカツも、どういうワケか今はフォークで食べた方がしっくりくる。当然か。だってこれはカツカレーなんだから。
・湧き上がる疑問
こうして、『追い飯』のおかげでキレイにカレーがなくなった皿を眺めながら、私は考え込んでいた。そしてこう思うのだ。果たしてここにうどんはいたのだろうか? 実はうどんなんて初めから存在していなかったのではないか? と。
それくらいカツとカレーとライス、そして皿のバランスは完璧だった。うどん……もしかするとアレは、私が見た白昼夢。あるいは幻だったのかもしれない。逆にそうじゃないのだとしたら、アイツは一体何をしに出てきたんだ。入ってくる教室を間違えたのか。新学期に絶対いるヤツなのか。
『カレーうどんカツ丼』の狂気から一転、正気に戻ったかのように見えた『チキンカツカレーうどん』。しかし実際は、『カレーうどんカツ丼』以上に危険でサイコな代物だったと言えるだろう。「かつや」によれば在庫がなくなり次第終了とのこと。注文する際は幻惑されぬよう、くれぐれも気を付けていただきたい。
参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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