以前、それなりに好印象だと紹介した はま寿司のワンコイン丼。その後うっかり目を離した隙に、どうやらラインアップが充実。ワンコインではない少し豪華な路線のテイクアウト用の丼ぶりメニューも生まれていたらしい。
そんなテイクアウト用の丼ぶりに、2021年2月25日から新メニューが加わるという。せっかくなので、久しぶりに食べ比べてみることに。
・4種類
今回出た新作は4種類。「特上北海丼(税込み780円)」、「特上7種の海鮮丼(税込み980円)」、「ねぎとろユッケ丼(税込み500円)」、そして「甘えび好きの二色丼(税込み500円)」
ワンコインなのは2種だけで、残り2種はやや高級路線なもよう。全て食べて、どれが1番食べ応えがあるか、あるいはコスパ的に優れているか見ていこうではないか。
・特上7種の海鮮丼
とはいえ、今回の比較はあまりフェアではないかもしれない。そもそも値段が違うのだ。高額なものほど有利になる気がしてならない。もしかしたらこれで決まってしまうかもしれないが、まずは980円と最も高級な「特上7種の海鮮丼」からいってみよう。
定番の中トロや、まだい、サーモン、赤エビなどが入った豪華な仕様。見た時点で満足感がある。実際に食べても、やはり魚介類の豊富なバリエーションはそれだけで強力な武器だ。
どれか1種や2種だと、モノによっては飽きが来てしまうこともなくはないが、7種もあるためその心配は皆無。最初から最後まで美味しく頂ける。
もう一声欲しかった点を述べるなら、魚介類の豪華さに対し、ご飯の量が負けている感がある点か。これ以上値段が上がると微妙な感じになってしまう気もするため、どうにかお値段据え置きでライス増量ができたら神だった気がする。でもさすがは1000円弱。高ポイントな仕上がりだった。
・甘えび好きの二色丼
次はやや異色感ある「甘えび好きの二色丼(税込み500円)」を試してみよう。甘えびにフィーチャーするのは珍しい気がする。
持ち帰りの途中でシェイクされ、やや とびこ の配置が崩れてしまったが、まあいいだろう。1番目をひくのは、もちろん並んだ甘えび。他にはイカとサーモンが入っている。食べてみると……
1番強いのはサーモンだった。
いや、悪いことではないと思う。サーモンは美味い。しかし、イカや甘えびと比べれば、風味はやはりサーモンが勝つ。とびこ もそこそこ強いが、量的にサーモンには勝てない気がする。メインなはずの甘えびが負けてしまっている。
そして、甘えびの尾が少し邪魔だった。5本も入っていて、それ自体は喜ばしいのだが、勢いよくかきこむと、わりと小さい甘えびたちは容易く紛れ込む。
甘えび好きのためなら、多少値段は上がったとしても、いっそ尻尾を除去した甘えびを20本くらいワーッと並べるパワープレイなどに出るのもワンチャンあったのではないかという気もする。
単体の海鮮丼としては文句なく美味しいし、500円でこれならポイントは高い。しかし、甘えびをフィーチャーしつつも、甘えび力(ぢから)が微妙だったのは少し残念だ。
・特上北海丼
次も強キャラだ。まあ、すでに紹介した特上7種と比べてしまうと少し埋もれてしまいそうだが、「特上北海丼(税込み780円)」である。
サーモン! ホタテ! いくら! と分かりやすい構成。ホタテもサーモンも、ネタとしては独特の風味が強めな類だと思う。その辺りが好きな人にとっては、ぶっちゃけ今回の4種の中でこれ一択な可能性もあるだろう。
逆に言えば、このネタがそこまで好きではない人にとっては微妙かもしれない。個人的にはホタテが好きなので、1番好みに合っていたわけだが、個人的な趣向を抜きにして評価するなら、最もお値段とコンセプトに相応な、可もなく不可もない感じだったと思う。
・ねぎとろユッケ丼
最後は「ねぎとろユッケ丼(税込み500円)」。言葉は悪いが、ワクワク感があまり無いというか、もっと早い段階で登場していそうなこちら。味の想像がついてしまうからだろうか。
色的にも、若干くすんだ赤にネギという、あまりパっとしない感がある。絶対マズくはない。むしろ王道だろう。まあ、食べてみるが……
うんめぇぇええええええええ!
これは、見た目以上にねぎとろの量がたっぷりだ。具材のボリューム的には1番あるのではないか? そんな気すらする。そしてネギのピリッとした風味とシャキシャキ感! 攻守に隙が無い。まさかのダークホース。
他は全体的にボリュームがやや物足りないと感じていたのだが、こいつは食べ応えがある。もちろん魚介類の多彩さと言う点では最下位だろう。なんせ魚はマグロしか入っていないのだから。しかもユッケにされて、ほぼ原形を留めていない。
しかしこの、どことなくジャンクさを感じさせるねぎとろユッケという仕様そのものの強さよ。むしろこのねぎとろユッケ部分のみ、丼ぶりいっぱいに500円で売ってくれないかなぁというレベル。
このねぎとろユッケ部分のみ大量に用意し、上から生卵を落とし、醤油をたっぷりかけて、アツアツの白いご飯にブッかけてハフハフとかきこみたくなる。味的にも、これが嫌いな人はあまりいないだろう。
ということで、個人的に最もコーフンし、満足度が高かったのは、まさかの「ねぎとろユッケ丼」だった。まあ、王道は王道になれるだけの、相応のパワーを有しているということだろう。
しかし魚介類を多く食べたいとなれば、これもまたやはりというか当然というか、最も高額な「特上7種の海鮮丼」に勝るものは無いと感じた。甘えびは、目を付けたポイントは面白いが、もっと思い切ったほうがウケた気がする。甘えび20本丼とか30本丼みたいなそういう。
何にせよ、総じてそれなりに手ごろな値段でウマい海鮮丼を食べられるということに変わりはない。気になる丼ぶりがあったなら、是非お近くの はま寿司にて試してみて欲しい。
参考リンク:はま寿司
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.