海苔メーカーの福袋には、当然ながら海苔が入っているのだろう。それは分かる。分かるが……一体どれだけ海苔まみれなのか? いや、安めの味付け海苔が大量に入っているとは限らない。高級海苔がドーンという可能性も考えられる。

あるいは、焼海苔や味付け海苔など何種類もの海苔が入っているパターンもあり得るが、海苔のアレンジ幅はそんなに広くないのでは? せいぜい海苔の佃煮くらい……ってのは素人の考えなのか? ——と気になって仕方がなかったので、山本海苔店の福袋を買ってみた。

予約をしたのは2020年の12月。先に記事で紹介したモロゾフ福袋を予約するため日本橋・高島屋を訪れたところ、たまたま「福袋の予約受付中」的なPOPを山本海苔店の前で目にし、上の疑問が私の中で沸き起こってきたのである。

すぐに代金を支払って申し込み。価格は税込2000円だった。ということは、普通に考えれば2000円以上の海苔的なものが入っていると考えられる。もしかして4000円分の海苔? それはもう、海苔の絨毯と言っても差し支えないのではないか?


そして迎えた2021年。受け取り指定日に店舗へ向かい、福袋をピックアップ。開封して最初に目についたのが……



焼海苔


デカイヤツ。これは想定通りだ。お正月はみんなで集まる機会が多いだろうし、手巻き寿司などをする際に重宝しそう。海苔メーカーの福袋に入れるものとしても、ピッタリな気がする。そして……



また焼海苔


小さめサイズで、食卓でよく出てくるヤツ。まぁ、これは当然ながら入っているでしょう。想定通り。次は……



またしても焼海苔!


まぁまぁ、焼海苔が3種類くらい入っているのもまた想定通り。あって困るものではないから、たくさん入っているのはむしろありがたい。続けていこう。


おぉーーーーーー!


焼海苔以外キターーーーーー!



お茶漬け海苔だーーーーーー!!


ここで変化球を挟んでくるあたり、さすが海苔の老舗・山本海苔店である。焼海苔というストレートで押してからの、カーブ(お茶漬け海苔)。福袋を買った人からすれば「色んなタマ持ってやがる」的な気持ちになり、心が踊ることだろう。

そしていよいよ最後。出てきたのは……



焼海苔……の缶?


「おつまみ海苔」って一体……


あっ!



お菓子的な感じでパリパリいけるヤツ!


無限にいけるヤツ!


焼海苔っぽいけど焼海苔じゃないヤツ!


……そんなわけでまとめると、山本海苔店の福袋は予想通り焼海苔が多めのラインナップではあったが、「焼海苔一辺倒にならないようにしよう」というメーカーの工夫が感じられる内容であった。

特に最後の「おつまみ海苔」は、見事な変化球。焼海苔と見せかけて、焼海苔じゃない。ストレートに見せかけて、ちょっと曲がっている。高速スライダーのようなもの……というのは言い過ぎかもしれないが、生まれて初めて海苔専門店の福袋を買った私としては、メーカーのアレンジテクを見た思いがした。

いちおう、全体のラインナップを記載しておこう。



【2021年 山本海苔店の福袋の中身】

・焼海苔(板海苔 / 8枚入)
・食膳の友 焼海苔(4袋)
・焼海苔4切5枚(5袋)
・海苔茶漬 梅の友 (5袋)
・おつまみ海苔 × 2種(わさびごまの味 / うめの味)

※福袋なので中身が異なる可能性があります


こうして見ると、バランス的にも文句なし。なお、それぞれの商品価格を公式オンラインショップで調べたところ、おつまみ海苔2缶だけで税込1300円ほど。それらに焼海苔やらを加えると、余裕で元は取れている。大まかな計算だが、福袋だと大体1000円くらいお得になっているようだ。

まぁ、海苔が嫌いな人にはオススメしないが、そうじゃないなら1つの選択肢として十分アリかと思う。結局のところ、実用性を考えればこういう福袋が1番役立つ……ような気もするぞ。

参考リンク:山本海苔店
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
こちらもどうぞ! → 「2021年福袋特集」

▼これまでに公開された2021福袋記事へのリンク集はこちら