「プリンはデカければデカいほどいい」、これはプリンを心の底から崇拝する私(佐藤)の持論だ。しかしながら、どこのお店でも提供しているものは割と控えめサイズ。たしかに「あともう1口欲しい!」と思いながら、食べ終えて余韻を楽しむのもアリだ。でもね、もっと食いたいのが本音だよ! ガッツリ食いたいのです、本当は!!

私と同じようにプリンを愛する人に、オススメのデカプリンがあるぞ! 東京・渋谷の東急プラザ渋谷5階にある「パーラー大箸」のプリンはデカい! ビッグプリン(税込1000円)はその名の通りにB・I・G! ビッグサイズなんだよ、マジで!!

・2度目の対戦

ここのプリンを食べるのは初めてではない。実は2019年12月、新しくなった現在の東急プラザ渋谷がオープンした日に、このお店に来てプリンを食べている。


その時、スタッフの方に味の感想を尋ねられ「もっとデカくても良いと思います」と回答した記憶がある。あの時の意見が採用されたかどうかは定かではないのだが、パーラー大箸のプリンがデカくなったとの噂を聞き、再び訪ねたのだ。


・ととのうプリン

メニューは昔馴染みの洋食や、純喫茶の定番スイーツがそろっている。最近はトーストにたっぷりのあんことバターをのせた「パンあんこバター」(税込700円)が売り出し中のようだ。


魅力的な品ぞろえではあるが、私が狙うのは1つ! プリンだ、プリンなんだよ! プリン!!「ととのうプリン」ビッグサイズ(シングル3個分)に、セットドリンク(+税込300円)でアイスコーヒーを注文した。


・大陸級のデカさ!

プリンを待っている間に、これから対峙する相手(プリン)に思いを馳せてみる。それはまるで、控室でゴングを待つボクサーの心持ちだ……。考えてみれば、今年はいろいろなプリンに出会ってきた。幸いなことに、最近のプリンは質がいい。厳しい状況にある飲食業で、数少ない成長要素のひとつ、それがプリンだ。はたして、これから出てくる相手は、その成長を後押しできるのか? そんなことを考えていたら、出てきた……。


デカい! ビッグの名に偽りなし、まさにビッグプリン!!


このサイズを一言で表現するなら “大陸” だ。プリン大陸である。


この大陸を取り巻くのはカラメルソースの海である。なんて静かな海なんだ。波ひとつ立っていない静かで平和な海だなあ。


そして陸の上には、真っ赤なチェリーがチョコンと乗っかっている。こっちを見て笑っているみたいだ! このチェリー笑ってるぞ! それもそのはずだよ、だって世界で1番いいポジションにいるチェリーなんだもん!! できることなら代わって欲しい。私がそこに座って笑っていたよ!


……イカンイカン! もうイカン!! このままプリンを凝視していたら、私の妄想は爆発してしまう。はやく食わないとおかしくなってしまいそうだッ。「金髪のオッサンがプリンを凝視して発狂した」ってなったら事件だ。一旦落ち着いてプリンを食おう……。


・カンタンに言うと……

食うぞ、俺はプリンを食うぞ! まずは生地をスプーンですくって、そのまま口に放り込む。表面はかなりしっかりしている「固めのプリン」だ。しかし生地はとても柔らかく、口に入れると甘さの余韻を残して静かに溶けた。


次は大陸の周囲を取り巻く、海のようなカラメルソースを絡めて頂く。カラメルと生地を同時に口の中に入れると、甘さに苦味が合わさって、味がグッと引き締まった。苦味が加わることによって、味に緊張感が生まれた。音楽に例えるなら、プリンは主旋律でカラメルソースは副旋律だ。2つが交錯して、味の奥行きが広がる。


そして最後に生クリームと共に食べると、これまた実に美味しい。先ほどの2つの味の間を取り持つように、生クリームが全体に調和をもたらしてくれる。やはり音楽で言えば、クリームはリズミカルな伴奏といったところだろうか。弓で弾く控えめなコントラストバスのように、ゆったりと味の方向を示している。


ずいぶん抽象的な表現で味を説明してきたが、カンタンに言えば「ウマい!」だ。それしかない!!


・プリンでととのう

食べている間はまさに至福。甘いもの好きの私は、プリンと向き合っているこの時間、日々の雑事を忘れていた。最近は新型コロナウイルスの影響もあって、知らずのうちに張りつめた気持ちで日々を送っていたかもしれない。これをひと口食べたら、その緊張の糸が緩んで本来の自分の気持ちに戻って、心持ちが整った。わずかな時間でも気持ちを緩めたい人は、このプリンで自分を整えよう。


・今回訪問した店舗の情報

店名 純洋食とスイーツ パーラー大箸
住所 東京都渋谷区道玄坂1丁目2-3 東急プラザ渋谷6F
時間 11:00~23:00(L.O.22:00)
定休日 なし(施設に準ずる)

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼食べている姿を自撮りしたら、危ない笑みを浮かべていた……