今ネットで、漫画『クッキングパパ』56巻に登場した、とあるサラミの食べ方が話題だ。「オトナの味サラミで乾杯!!」というストーリーにて描かれたものだが、一見して明らかにヤバそうなスタイルなのである。

筆者も『クッキングパパ』は子供のころにアニメで見たことがあったが、普通にアットホーム感ある料理こそが作品の特徴だと思っていた。こんなブッ飛んだストロングスタイルの料理が登場していたとは。マジでウマいのか、とりあえず試してみることに。

・アカンやつ

その明らかにヤバそうなスタイルとは


1.塩を「いやっちゅうぐらいてんこ盛り」に乗せる
2.レモンを「ちょいと」しぼる
3.一気に食う
4.ウィスキーを流し込む


というもの。まあ、方向性はわからなくもない。ウィスキーでやったことは無いが、例えばテキーラなら塩を舐め、塩辛い味をテキーラで流し込んだ後にライムをかじるというスタイルは世界中で広く行われていると思う。

あるいは、生、あるいは酢漬けにした激辛の唐辛子を豪快にかじり、口の中が辛さで焼けるように熱くなったところでテキーラを流し込む的な、そういう荒々しいスタイルもイケる。

強い酒と塩辛いものの相性は、基本的に良いのだ。ウィスキーにサラミ、塩、そしてレモンというのは、その要素だけを見れば割と良さそうに思えなくもない。

ではこのスタイルの何が問題なのか? それは……


塩の量がヤバい


漫画では「いやっちゅうぐらいてんこ盛り」というセリフに違わず、マジでサラミに塩が山盛りにされているのだ。いやいや、さすがにその量はヤバいだろ。 

「いやっちゅうぐらい」どころか、塩分濃度とかその辺りが心配になって、素で「嫌です」と断言したくなるような量に見える。さすがにコラだろうと思い、講談社の運営する漫画配信サイト「コミックDAYS」にて、実際に該当のシーンを読んでみることに。


マジかよ、ガチじゃねぇか……! いっそコラであって欲しかったと思わなくもないレベルでたっぷり盛られた塩。漫画では、塩が山盛りのサラミにレモンをかけ、一気に食ってウィスキーで飲み干すスタイルが、とてもウマそうに描かれている。

そのスタイルを勧めてくるおじさんのキャラクターが、「体にゃ あんまりよくなかろうばってん」と述べている。あんまりどころじゃない。どう考えても光の速さでHighway to Hell(地獄のハイウェイ)を疾走するかのごときハードコアなスタイルである。血中塩分濃度ブッ飛びそう。


・試してみた

明らかにヤバそうだが、こちらの常識が間違っている可能性は常に存在する。実際のところは試してみなければわかるまい。ということで、まずはサラミとレモン。


そしてウィスキーと塩を用意。


ウィスキーをグラスに注ぎ……


漫画を参考に、塩を「いやっちゅうぐらいてんこ盛り」にする。


いや、申し訳ない。ビビッて漫画より少なめに盛ってしまった。途中で恐怖してしまい、塩を振る手が止まってしまったのだ。許してほしい。でも、もしこれがウマければ、次は安心して塩を増やそうと思う。

そして最後にレモンを少々。


まあ、見た目的にはなんだか良さげではある……かな? どうだろう。サラミの油とレモンの汁で、塩が溶けてシャリシャリになり、見た目的には良い感じに見える気がしなくもない。

これを一気に食う! そしてウィスキーを流しこむ……ッ!!







やっぱり塩分濃度には勝てなかったよ


10秒ほど耐えて、飲み込めそうな気がしなくも無かったが、結局ビニール袋に全リバース。物凄い量の唾液がドバドバ出まくって、あまりの塩辛さに声が裏返ったレベル。

もしかしたらイケる人もいなくもない……のかもしれないが、筆者的には完全に無理である。塩の前に、何か別の白いパウダーをキメてからでもなければ、到底立ち向かえ無さそうな塩の量だ。

これをバクバク食えるというのは、相当に酒が回っている状態に違いない。あと、マジで体は持たないと思う。が、ウマさの片鱗を感じたことは確か。


・塩の量を減らしたらウマい

サラミと塩、そしてレモン汁の組み合わせ自体は、ガチにウィスキーとよく合うのだ。唯一にして最大の問題は、(言うまでもないことだと思うが)塩の量だった

そもそもサラミが塩気たっぷり。しかし、レモン汁とストレートのウィスキーの前には、サラミの元から持つ塩気も若干足りないと言えなくもない。ゆえにサラミに塩を振ること自体はアリだと思う。とはいえほんの少しで良い。山になるほどではなく、パラパラっとかけるのだ。

ここにレモン汁を若干多めに……むしろレモン汁こそ「いやっちゅうぐらい」かけて良いと思う。それを口に放り込んで、一噛みし、ウィスキーをストレートでキュッと流し込むッ! ヘヴン状態だ。実にクールにキマる。

それと、もう一つ。酒選びも重要だ。ウィスキーよりも、個人的にはテキーラかラムが合うんじゃないかと思う。ホワイトでもシルバーでもゴールドでも、そこはお好みで良い気がする。

どうしてもウィスキーで行くなら、甘口のものを選んだ方がいい気がする。細かい話は省くが、今回筆者が最初に飲んだのは、たまたま仕事机の下に転がっていた「アードベッグ 10年」という塩辛い味のものなのだ。

塩辛いものに塩辛いウィスキーという微妙な組み合わせ。他に転がっていたのも全て、味の傾向が似たタリスカーやカリラという銘柄で、やはり相性がいいとは言い難い。

家の中を探し回り、サントリー・オールドと、終売になった富士山麓50度を発見。

これらで試してみたところ、サントリー・オールドは若干のとげとげしさがレモンの刺激と被るものの、まあ悪くない感じ。富士山麓50度は非常によく合う

この感じなら、グレンフィディック12年や、ジャックダニエルの黒、シーバスリーガル12年など、割とその辺のスーパーで手ごろの値段で売ってる甘い香りのするタイプのウィスキーがいい感じに合いそうだ。

ということで、ネットでヤバいと話題になっていた『クッキングパパ』直伝の、オトナなサラミの食べ方。試す前からヤバそうだったが、実際に試しても、やはりヤバかったと言わざるを得ない。

まあ、もしかしたら筆者の舌がまだ未熟である可能性も否定できないが……いや、やはりあの量の塩は、例えウマく感じても辞めておいた方がいいと思う。

しかし、完全にナンセンスな食べ方ではないのもまた事実。塩の量を控えめにすれば、マジにウマいナイスなツマミが完成したぞ! 皆さんも、塩分濃度とアルコール量に注意した上で、是非試してみてくれ!

参照元:コミックDAYS、Twitter @cookingpapa_mor
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

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