「ナポリタン」という食べ物をご存知だろうか。筆者はナポリタンという名前であること以外、ほとんど知らない。テレビで「大人気の偽イタリアン」「トマト味でべちゃっとした食感」などと紹介されているのを見て「なんだか美味しくなさそう」という印象しかなかった。

長年お店で出会うこともなかったが先日、発祥とも言われているナポリタンと出会ってしまった。戦後すぐから70年以上も愛され続けているということなので、相当美味しいのではないだろうか……? 気になったので、生まれて初めて「ナポリタン」を食べてみたよ。

・独特の食感

ナポリタンの発祥だと言われているのは、横浜にあるホテルニューグランドのナポリタン。現在は同ホテル内の『ザ・カフェ』で提供されているようだ。

店頭に置かれたメニュー表には「ナポリタン」がホテルニューグランド発祥の料理として紹介されていた。他にも、ドリアとプリンアラモードがホテルニューグランド発祥として紹介されていた。正直、ナポリタン以外もめちゃくちゃ気になる……。

さっそく店内に入り、感染症対策として導入されたらしい電子版のメニューを楽しみつつ、色々な料理に惑わされながらもナポリタン(税込1980円)を注文した。ドリアも気になるが、今日の目的はナポリタンだ。初志貫徹でいこうと思う。

ワクワクしながら待つこと約30分。ついに人生初のナポリタンが来た〜! 見た目はめちゃくちゃ美味しそうなパスタに見える。べちゃっとしたようには見えないが、果たして。ドキドキしながら一口食べてみると……

えっ、なんだろうこの食感。全くべちゃっとはしていないが、かといってよくある、芯を感じさせるようなアルデンテの食感でもない。もっちもち、というわけではないが、歯応えはちゃんとある。クセになる噛み心地……。若干もちっとした程よい弾力が楽しい。

トマトの酸味は出ているものの、トマト味というだけでは終わらない奥深い味がする。具材はマッシュルームに薄切りのベーコンとシンプルだが、玉ねぎやニンニクのコクや風味がしっかりと効いていて、単調さを感じない。スパゲッティーの食感によく合うまろやかさ。

絶妙な歯応えのスパゲッティーにしっかりと絡んだソースをじっくりと楽しみつつ、途中で粉チーズをかけてチーズの濃い風味がパンチを効かせている違った一面も堪能した。人生初ナポリタン、予想以上に美味しかった!

・絶妙な食感の秘訣

ナポリタンと普通のトマト味パスタとの違いはズバリ、スパゲッティーの食感だった。独特の食感には何かこだわりや秘訣があるのか、とお店の方に伺ったところ「もちっとした食感にするため、スパゲッティーを茹でてから一晩置いてから湯がき、提供している」とのこと。

これまで縁がなく食べることのなかった「ナポリタン」だが、予想に反して美味しく楽しめた。百聞は一見に如かず。長年多くの人から愛されているものというのはやはり、良いものが多いのかもしれない。

・今回訪問した店舗の情報

店名 ホテルニューグランド 『ザ・カフェ』
住所 神奈川県横浜市中区山下町10番地
営業時間 10:00~21:30(L.O. 21:00)

Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

▼プリンアラモードはもちろん、後日にドリアもいただきました。