みんな大好きな月に一度の満月の日がやってきた! 7月5日は「Buck(牡鹿)ムーン」が夜空に輝く予定だ。例によって複数あるネイティブアメリカンによる呼称の一つで、他にも何種類かある。
今月はメジャーな「牡鹿ムーン」という呼称の他に、もう一つ最高にクールな別の名を紹介したい。それは「サンダームーン」。格好良すぎるだろ! 必殺技かよ!!
・サンダームーン
THE OLD FARMER’S ALMANACによると、「牡鹿ムーン」と呼ばれる理由は7月に鹿の角が良い感じに育ちきるからだそう。ちなみに鹿の角は毎年勝手に抜け落ちて生え変わるもの。
アメリカには複数種の鹿がいるが、例えば比較的コモンなオジロジカの場合は冬に角が抜け落ち、3月ごろに生え始めて、7月の終わりから8月の頭辺りには立派に生えきる。
そして日本の鹿……認知度的には奈良の鹿が特に有名だと思うが、彼らの角も個体差はあれどやはり夏頃に立派になると思われる。しかし立派な角というのは割と危ないので、奈良の鹿愛護会の方々が、生え切ったものから日々カットしているようだ。なお10月には「鹿の角切り」という行事も行われている。
そしてサンダームーン! こちらはなんとなく想像がつくかもしれないが、雷を伴う嵐が多いシーズンだからである。雷鳴がとどろくような天気が頻発しては、なかなか月は見えないと思われる。満月ウォッチング的には微妙だが、名前のクールさ的に個人的にはサンダームーンを推していきたい。
・隣には木星も
そんな7月の満月だが、今回は一晩を通して月のすぐそばにもう一つ輝く星を見ることができる。木星だ。満月と煌々と輝く木星が二つ並ぶ姿はかなり見応えがあるだろう。写真映えしそう。
そして、その木星の少し隣には土星も見えると思われる。ちなみに5日の夜から6日の未明にかけては木星が月のそばで輝くが、6日の夜から7日の未明にかけては土星が月のそばで輝く予定。
国立天文台によると、東京での月の出の時刻は19時16分。やや遅れて木星と土星も姿を現し、0時10分に月が南中するもよう。そして午前5時6分に地平線に沈むが、その前の4時31分に日の出となる。各自、好みの満月の高さに合わせた時間に観測してほしい。
・天気は
最後に気になる天気について。気象庁の週間天気予報によると、5日から6日にかけての天気は……全国的に曇りのち雨! 北海道や沖縄では晴れるところもあるようだ。
はっきり言って喜ばしくない予報だが、満月は多少の雲程度なら観測は可能。空を見上げて、雲の切れ間から見えればラッキー程度に考えておくのがいいかも知れない。
しかし、見方を変えればこれはチャンスでもある。なぜなら7月の満月はサンダームーン。天気予報の通りとなれば、夜空に雷鳴がとどろく可能性もゼロではない。その場合、満月と雷を同時に見られる可能性もまたゼロではない。奇跡の瞬間を期待しよう。
参照元:国立天文台、気象庁、THE OLD FARMER’S ALMANAC、奈良の鹿愛護会
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.