ポケモンGOでは3つのチームのどこかに所属しなければいけない。ご存じのように「チームヴァーラー(赤)」「チームミスティック(青)」「チームインスティンクト(黄)」がそう。おそらく多くのトレーナーは赤、もしくは青を選択しているのではないだろうか。

というのも、当初から黄色は不人気。目に見えて黄色に染まったジムの数が少なく、完全に赤と青の2大勢力だからだ。黄色ってあったっけ? もはやそんな空気さえ流れていたが、2019年2月に「チームへんこう メダリオン」により、勢力図はほんの少しだけ動いた──。

・イヤイヤ黄色に移籍したトレーナー

きっと心優しいトレーナーが黄色チームへと移籍したのだろう。個人的な体感ではあるが、黄色に染まったジムは以前に比べてはるかに増加したように感じる。不遇の時代を乗り越え、インスティンクト(黄)もスポットライトを浴びる時代が到来している。

痛みに耐えてよく頑張っただけに、黄色チームのトレーナーは喜び、そして絆をより強いものにしたに違いない。えぇ話や……と思いきや、その裏で憂き目にあったトレーナーが1人いた。何を隠そう私である

好きな色は? そう聞かれたら「青」と即答できるくらい青好きの私は、当然ながら2016年7月のアプリリリースから一貫して青チームだった。メダリオンへんこうが実装されても「ふ〜ん、黄色に移籍する物好きはいるのかねぇ」くらいにしか思わず、1ミリも移籍しようなんて浮ついた気持ちはなかった。……が!

雲行きが怪しくなったのはおよそ半年前の冬のこと。なぜなら、当サイトのポケモンGO部員は3人で1人1色ずつバランスを均等にしようという愚かな案が持ち上がったのである。まぁ、私は青が大好きだし断固拒否!


……と思っていたら、アバターで黄色の服(しかも有料)を着ていたことで言い訳ができなくなった。こうして知らず知らずのうちに自ら退路を断っていた私は、強制移籍させられたのだった。当時の気持ちからすると、もはや罰ゲーム。しかも、1000コインと決して安くなかったから本気でヘコんだ。泣いた。絶望した。

黄色チームには失礼だが、なんでこんなことに……何度そう思ったか分からない。当初はレイドの待機画面で自分の色を見ないようにしていたくらいイヤだった。

しかしながら、人は悲しいくらい忘れてゆく生きもの。時間が経つことで、最近は黄色だって悪くないと思えるようになってきた。もちろん、その背景にはよかったことがあるからに他ならない。


・ジムに空席がある

その1つがジムの空席問題。青の時代だとジムにポケモンを配置するには超高速の椅子取りゲームに勝つしかなかったが、黄色だとわりと余裕ができたのだ。人が多くない場所であれば、空席がしばらくあるなんてこともしばしば。いわゆる「棚ぼた」……すんなり滑り込めたときの快感といったらない。

裏を返せば攻められたら崩壊も早いということなのだが、ポケコインをコツコツもらえるのは嬉しいものがある。これは黄色になったトレーナーじゃないと分からない気持ちだろう。


・不思議な一致団結感

レイドでもらえるボールが少なくなりがちなことが欠点だが、ボスはとれるときはとれるしダメなときはダメなもの。そう割り切ると、あまり気にならないようになってきた。そこで代わりに湧き出てきたのが、黄色の結束力である。数が少ないケースが多く、1人でもいたら心の中で「同志よ、頑張ろう!!」とやる気が起きる。

私はレイドに参加すると黄色の人数チェックをしているのだが、これが意外と楽しい。「おっ、今回は黄色のトレーナーが結構多いなぁ!」なんてテンションが上がる。これは青のときにはなかった視点だ。


・とにかく明るいリーダー

んで、もっとも大きいのはチームを引っ張る存在……スパークの兄貴である。これまで青のブランジェに冷静な分析ばかりしてもらっていただけに、スパークの「ヘイ!」とフレンドリーに話しかけてくれる姿はなんだか元気をもらえる。


また、「ビッグなポケモンだ!」「普通はもう少し大きいぜ」と感情も豊か。爽やかで頼もしいリーダーだと言える。まぁ……

彼のボールの投げ方はいまだに受け入れられないが……。それ以外はこれといって不満はない。


・今は戻る気なし

あと1年……あと1年待てば青に戻れる……自主的に移籍した訳ではなかったため、黄色チームになったときはそう思っていたが、いざなってみると悪くない。今では平常心でプレイできているし、悪いことばかりじゃなかった。強制移籍の私がこれである。きっと黄色へ移籍したトレーナーは後悔と無縁の生活なんじゃなかろうか。

参照元:ポケモンGO公式サイト
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:ポケモンGO (iOS)