毎年6月になるとキュウリやピーマンなどの、いわゆる “夏野菜” が徐々に美味しさを増してくる。もう一月もするとこれらの野菜は絶好調の旬を迎えるが、私、P.K.サンジュンにとって初夏の野菜といえば「ヤングコーン」一択だ。

毎年5月の終わりから1カ月間ほど「生ヤングコーン」が八百屋などの店頭に並ぶが、お世辞にも大人気食材とは言い難い。なぜこんなに美味しいのにヤングコーンは評価されないのか? それともみんな単純に食べ方がわからないのか? 今回ご紹介する『ヤングコーンの炊き込みご飯』を試せば、きっとあなたも生ヤングコーンの虜になるハズだ。

・間引きされたトウモロコシ

八百屋さんによると多くのヤングコーンはトウモロコシを間引きする行程で収穫されたもので、いわば夢半ばでトウモロコシデビューを果たせなかった赤ちゃんコーンたちのことを指す。ヤングコーンとベビーコーン、呼び方は違えどどちらも同じ野菜だ。

さて、今でこそ毎年「生ヤングコーン」を心待ちにしている私だが、6年ほど前まではそのウマさを知らずにいた。そもそもヤングコーンに生があるとは知らず「八宝菜とかに入ってるあれでしょ? 茹でである味のしないヤツ」くらいにしか思っていなかったのだが「生ヤングコーンのグリル」を知って衝撃を受けた。

ウマいのだ。メチャメチャ、ウマいのだ。ほのかな甘みとパキッと弾ける食感、そして何よりあふれ出すピュアさはまさに極上の一言。“ピュアさ” を “ピュアさ” としか表現できない自分の腕のなさが情けないが、好きな人ならばきっとわかる、生ヤングコーンのピュアなウマさが。開き直って言うならば、ピュアッピュアなウマさなのである。

さてさて、そんな生ヤングコーン大好きっ子の私も、これまでレシピは「生ヤングコーンのグリル」しか持ち合わせていなかった。八宝菜のように炒めても美味しいのだろうが、生ヤングコーンの真骨頂は究極のピュアさ。できるだけ素材に近い状態で食したい。

そんな時である。北海道出身の知人がSNSに『ヤングコーンの炊き込みご飯』を投稿していたのは。北海道と言えば、言わずと知れたトウモロコシの名産地。「これは絶対にウマいヤツだ」と確信した私は、すぐさまレシピを聞いて『ヤングコーンの炊き込みご飯』を作ってみることにした。

・ヤングコーンの炊き込みご飯のレシピ

【材料】
米: 2合
生ヤングコーン: 6~7本

【作り方】
1: ヤングコーンの皮をむく。ヒゲも捨てずにとっておく(茶色いところは切っておく)。


2: ヤングコーンを5~7mmくらいにスライスし、ヒゲは3~4cmにざく切りにする。


3: お釜に米を入れ、2合よりちょい少なめの水をセット。そこにヤングコーンの実を投入。


4: 炊きあがったらヒゲを入れて5分~10分ほど蒸らす。


以上である。水を少なめにするのはヤングコーンから水分が出るためで、通常通りの分量だとご飯がややベチャッとしてしまう。またヤングコーンを入れてから水を入れると分量がわからなくなるので、米と水をきっちりセットしてからヤングコーンを投入しよう。

味の方はと言うと、ヤングコーンのピュアさが米に乗り移った、どこまでもピュアッピュアな炊き込みご飯である。ただし、これだけだとやや物足りないことも事実なので「塩」「しょう油」「ガーリックソルト」「しょう油 & バター」などをプラスしてみよう。本当に美味しいですからー!


また、一般的な炊き込みご飯と同じように「白だし」など入れて炊いてもまたウマい。ただ何度も言うが、生ヤングコーンは汚れを知らぬピュアピュアな野菜なので、塩分に味が殺されてしまわぬよう、少量の投入がオススメだ。

もう1点、実は最初3合で作ったのだが、余って温め直した『ヤングコーンの炊き込みご飯』は味が数段落ちていた。やはり生ヤングコーンは鮮度が命なので、1度で食べ切れる分の量を炊いてみよう。目安としては米1号に対し、生ヤングコーン3~4本だ。

もし生ヤングコーンを食べたことが無い方はまず「ヤングコーンのグリル」を試していただき、お気に召したら『ヤングコーンの炊き込みご飯』に挑戦して欲しい。今年の生ヤングコーンが出回るのも残りあとわずか。細胞の隅々まで染み込むような、圧倒的ピュアさをご賞味いただきたい。

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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