一時期のような大ブームは落ち着いたようだが、大人の趣味としてすっかり市民権を得た感のあるぬりえ。カラフルな画材に触れることや、頭を空っぽにして作業に集中することでリフレッシュできるし、単純に作業として楽しい。
中でもディズニーは人気のモチーフで、各社から数え切れないくらいのぬりえブックが出版されているが、今回は一風変わった商品をご紹介。塗って、切って、スマホで撮影すると立体的に見えるトリックアートぬりえだ! 本当に飛び出すか、あなたの目で確認してみて欲しい!!
・『ディズニー 飛び出す! 不思議なトリックアート塗り絵』
ぬりえは全23作品。ミッキーたちビッグ5はもちろん、「トイ・ストーリー」「アナと雪の女王」「カーズ」などディズニー&ピクサー作品から人気キャラクターが登場。
人間の目の錯覚を利用した「だまし絵」の技法はいくつかあるが、本書では平面であるはずのものがある角度から見たときにだけ立体的に見える、という技法を使っているという。
ぬりえは後から切り取ることを想定し、厚手の紙に片面印刷になっている。
それでは1枚塗ってみよう。塗る前の線画は、ドナルドばかりが大きくて、バランスの悪い歪んだデザイン。
好きな画材で色を塗る。筆者はコピック(アルコールマーカー)で。今のように誰もがパソコンで絵を描くのが当たり前、という時代以前から1本ずつチマチマと買い集めたものだ。
アナログでカラーペンを使う人なら、1度は色見本づくりをやったことがあるかも。ブラウザで色を見るのと、実際に紙にインクを出すのではまったく違う印象なのだ。
アルコールマーカーは発色が鮮やかで美しいが、染み込みやすいので裏面に注意。本書は片面印刷なのが助かる。
市販品だと両面印刷のぬりえブックも多く、その場合は裏面をあきらめるか、コピーを取るかになる。コンビニのコピー用紙はツルツルで、コピックとの相性がとてもよい。にじまずにきれいに塗れるので筆者は好きだ。
全部の作品にお手本があり「影をつける場所」が示されているのがありがたい。初心者にはもっとも難しいところ。物理的にありえない場所に影をつけてしまうのはアマチュア「あるある」ではないだろうか。
塗り終わったらカッターで切り抜いて、ちょうどいい角度を探しながらスマホで撮影すると……
どうだろう? 立体的に見えるかな?
あんなにアンバランスだったドナルドが適正サイズになって、しかも奥にいるように見えるのには驚く。
邪道かもしれないが、画像を加工してみると面白い。コントラストを強くすると、より立体感が出たような気がする!
・他の作品もやってみる
せっかくなので、他の作品も塗ってみよう。次は魔法の絨毯で空中散歩をしている「アラジン」の2人。
ディズニープリンセスの中でジャスミンの可愛さ、セクシーさはダントツだと思う。
おお、これは確かに浮いている!
筆者の目には、先ほどのミッキー&フレンズよりも立体的に見える! 魔法の絨毯の影のせいかな?
切るだけではなく「折る」プロセスの入る作品が1つだけある。ラストページの「モンスターズ・インク」だ。
塗って切った後に、ガイド線に従って折ると……
ドアが本当にあるみたい! これはよくできている!
・絵心があれば、よりリアルに!
塗ってから「試す」というプロセスが加わるので、この作品はどうなるんだろうと、どんどん創作意欲がわく。一方で、ぬりえとしての難易度は決して高くない。細かすぎるところもなく、誰でも割と短時間で完成させられると思う。次々に塗って撮影したくなるぞ。
よりリアルに飛び出させるには光源を意識してグラデーションやハイライトを入れることが推奨されているので、絵が得意な人もやり応えがあるだろう。ひと味違ったぬりえとしてぜひ!
参考リンク:株式会社エムディエヌコーポレーション(書籍ページ)、コピック公式サイト
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.