失敗だ、今回は完全に失敗した。あまりにも “こっそり” すぎて、無意味な在宅検証になってしまったことを、あらかじめお伝えしておかなければならない。

そもそも、私(佐藤)のオンラインミーティングに対する挑戦は、こっそりではある。あるが! オンラインミーティングに参加している編集部メンバーに、違和感を与えることが最大の目的である。したがって、こっそりしつつもちょっとバレたい。その欲求を満たすための挑戦なのだ。

しかし今回は、その目的を果たすことなく終了してしまった。こっそり付けヒゲを付けたのに、違和感を与えることができなかったのだ……。

・ヒゲの中にヒゲを隠す

「木を隠すなら森の中」(木の葉を隠すなら森の中)という格言がある。これはギルバート・キース・チェスタトンという英国作家の小説に登場する言葉だ。何かを隠すなら、同種のものに紛れ込ませれば良い。本来付けヒゲとは、仮装などでヒゲをたくわえるために用いられる道具の1つ。


本当なら私には不要の代物だ。なぜなら、ボウボウだからだ。ヒゲボウボウ! 人生でもっとも長い毛が、鼻下・アゴ・首に生えている。誰にも会わないことをいいことに、無精ひげを剃らないままでいたら、ジャングルになった


そのジャングルに、付けヒゲという名の木を忍ばせておく。まさか誰も付けヒゲを装着しているなんて気づかないだろう~! これを考えついた時、「我ながら天才!」と思っていた。素晴らしいアイディアに思わず身震いしたほどだ。


実際に毛の上から毛をつけてみると……、「なじむ! 実になじむぞ、フハハハハハ!」と高笑いしたくなった。接着面が微妙に見えるけど、ウェブカメラ越しならわかるまい!


・いざ、ミーティング!

そうして、定刻の12時を迎えた。あらかじめウェブカメラの映った自分の姿をたしかめてみる。う~ん、自然だ。とても自然なヒゲ具合。


はたして誰か気づくのか!? できるだけ普通であることを装うように努める。前回は声のトーンを少しずつ上げていったが、最後にはバレる失態をやらかしている。今回は何とか最後までバレずにやり過ごしたい。


約30分のミーティングは無事に終了。疑われる気配すらなかった。それはそれでよかったと思うのだが、違和感を創出できたか? というと、それはできなかった気がする。自然すぎた、付けヒゲがなじみすぎてしまったらしい。く~っ! さじ加減が難しい。「ちょっと変だぞ……」って感じにしたいのに~……


・そして悲劇

若干不満に感じつつ、ミーティングを終えて付けヒゲを取ろうとしたところ……。


チギれた!!


なかなか思うように、いかねえもんだな。おわり……。


Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24