プリンに醤油をかけるとウニの味。これは古くから伝わる都市伝説……と思っていたが、どうやら本当らしい。数年前、プリン専用醤油が販売されたことを覚えている人もいるのではないだろうか。

なんとも信じがたいが、私(中澤)はふと思った。じゃあ、クリームパスタにプリンを入れて醤油をかけたら『うにクリームパスタ』になるのではないか? さっそく試してみよう

・材料

パスタ1人前
牛乳100ml
生クリーム100ml
昆布だし1袋
こしょう
オリーブオイル
醤油
ビッグプッチンプリン2個

・調理開始

プリンを1個にするか2個にするかで迷ったが、より濃厚にするためにビッグを2個使用することに決めた。まずは、オリーブオイルをフライパンに引き、生クリームと牛乳と昆布だしを混ぜ合わせて熱する。

ブクブクになるまで熱して、とりあえずいつも通りのクリームソースが完成。さてここからが勝負だ。パスタを投入し……


プリンをドーン!


もひとつドーン!!

そしてすかさず和える! コショウをかけながら和える!! モタモタしていると麺がのびてしまうからだ。が、しかし、この時思いもよらない現象が発生した

プリンクセェェェエエエ


熱せられたプリンが猛烈に香り立っている!! その濃厚なプリンの匂いは20年ぶりに心の中でスキャットマン・ジョンが踊り出すレベル。プッチンパポぺ

プッチントランス状態で和えているとパスタとプリンが完全に一体化。が、スキャットマンはまだ歌っている。皿に移してもまだまだ香りはエビバディプリンプリンだ

・仕上げに醤油

ちょっとスキャットマンに黙ってもらうためにも醤油をかけなければならない。そこで仕上げにボトルごとドボッと醤油をいった。


結果……


カフェオレみたいになった

どうしてこうなった? しかも、まだほんのりプリンの甘い匂いがするし。見かけはカフェオレだし香りはプリンだし、ああ、これがスイーツならさぞかし幸せなことだろう。だが、パスタだ。 

これはひょっとして大失敗なのではないだろうか? ひょっとしなくてもクソマズイのではないだろうか? なぜ私はこんなに愚かなことをしてしまったのだろう? うにクリームパスタとかほざいていた頃の自分を殴りたい。

・未知との遭遇

ただ、悲しいかな料理はすでに爆誕してしまったのである。そう……そうだよな。作っておいて食べないわけにはいかないよな。ええいままよ! だが、ひと口食べた瞬間、予想外の味覚の衝撃が私を襲った!!


え……


ウマイ……?

いや、そんなわけがない! もうひと口食べてみる……やはりウマイ!! これウマイぞ! 醤油で甘みの薄れたプリンが濃厚なトロトロクリームとなってパスタとよく絡み味にコクを出している。

試しに追い醤油したらプリンの匂いがさらに薄らいだ。追いコショウや追いチーズをかけるとよりカルボナーラっぽい味に近づく。普通にパスタとして食えるじゃないか!

・うにクリームパスタではない

ただ、これがうにクリームパスタの味かどうかはいまいちよく分からない。なぜなら、食感が全然違うからだ。うにの滑らかかつプチッとした歯ごたえがないため、頭の中でシナプスが結びつかないのである。トロトロでコクウマのクリームパスタという感じだ。

ひょっとしたら笑う人もいるかもしれない。「そんなわけがない」と。だが私は思う。「初めてウニを食べた人もきっとこんな気持ちだったのではないか」と──。

未知を切り開く一歩はいつだって常識の外にある。それを教えてくれた醤油プリンクリームパスタに乾杯。

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.