本日5月5日が『こどもの日』であることは、ほぼ全ての国民が知るところだろう。しかし『菖蒲(しょうぶ)湯』の習慣に関しては意外と知らない人も多い様子。菖蒲と一緒に湯船に浸かるこの行事、冬の『ゆず湯』と対をなす存在だ。

こればかりは各家庭の方針によるところが大きいため、知らなかったからといって全く恥じる必要はない。ただ物心ついたころから菖蒲湯に入り続けてきた私がひとつだけ言えるのは、「菖蒲湯サイコー!」ということ。

また菖蒲湯は健康にもよいとされている。「そんなのは迷信や民間療法」と考える人もいるかもしれないが……元気な両親や祖父母を見ていると「こういうのってマジであなどれない」と感じるのだ。

・経費は数百円

早めにこの記事を書き上げようとした私は、5月に入るとすぐ近所の花屋へ赴いた。しかし「菖蒲湯は5日だから4日においで」と半笑いで返されてしまう。菖蒲は普段当たり前に流通しているものではなく、あくまでも5月5日(地域によって6日)のためのものであるようだ。

菖蒲は1本の根から3〜6枚ほど葉が生えており、店を数軒回った相場は3本で100〜200円ほど。私は実家の仕様に合わせて計20本弱・900円分を購入したが、これは平均より多めな気がする。各自好みの量でOKでしょう。

ザッと洗った菖蒲を湯船に投入。以前銭湯の「菖蒲湯デー」に行った際はバラバラ状態で浮かんでいたので、ひょっとするとそれがスタンダードなのかもしれない。土地によっては刻んで使用するのだそう。

ちなみに私の鳥取の実家では菖蒲を束にくくって湯を沸かしていたなァ……あ〜ぁ、久々に実家に帰りたいよ……。


・正しい作法とは

刻もうが束ねようが自由である菖蒲湯に “正しい作法” なんてのは存在しないはず。ただ歴史ある風習であるがため、「行儀よくやらねば」と考えてしまうことが逆によくないのだと個人的には思う。

幼少期の私は菖蒲をかじったりちぎったり結んだり、両親から「風呂は一番最後に入れ」と言いつけられるほど激しく菖蒲をオモチャにしていた。その習慣は大人になった現在でもあまり変わらないのだが、それが菖蒲湯の醍醐味であると考えている。

菖蒲の特徴は青臭くもどこか懐かしい “独特な匂い” だ。このなんとも言えない芳しい匂いは湯に浮かべているだけだと少し弱く、ちぎったりかじったりすることでより多く発せられる。


つまりは「自由に入浴する」ことこそ、菖蒲湯の正しい入浴法であると思う次第だ。


薬草である菖蒲は古くより「病や災いを払い、夏を健康に乗り切れる」と信じられてきたらしい。2020年この夏を健康に過ごすことは全人類の願いである。今年くらいは昔の人の言うことに従って、菖蒲湯に浸かってみるのもいいんじゃないだろうか。


そしてお子さんが菖蒲で遊ぼうとしたときは、どうか「存分にやれ」と言ってあげてほしい。

Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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